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ブックマーク / book.asahi.com (94)

  • スピノザの自然主義プログラムとは何か?(前編):必然主義と目的論批判|じんぶん堂

    記事:春秋社 Spinoza, Excommunicated by Samuel Hirszenberg, 1907 書籍情報はこちら 自然主義プログラム――自由意志も目的論もない世界の中で人間を理解する そもそも「スピノザの自然主義プログラム」とは何か。これはスピノザの言葉ではなく僕なりの命名だが、スピノザ思想の中に見いだされる、次の2点を柱とする構想である。 (1)自由意志概念の否定を伴う決定論または必然主義、およびその帰結としての唯現実論(アクチュアリズム) (2)目的論的自然観の徹底的な否定 この構想の背景として想定しているのは、17世紀科学革命による、近代的な力学的自然観の成立である。近代力学は、中世までの目的論的自然観を退け、「目的」とは無関係な法則に従って運動する微粒子の総体として自然を説明する。 このような自然観を踏まえた上でスピノザは、目的なき自然法則を乗り越えられるよう

    スピノザの自然主義プログラムとは何か?(前編):必然主義と目的論批判|じんぶん堂
  • 「森は考える」書評 現代人が忘れてしまった知恵|好書好日

    アマゾン河上流域の森に住むルナ族のもとでの調査を、長年にわたり捉えなおし続けてきた成果としての民族誌。哲学、文学、言語学、環境学、生態学、生命論を縦横に接続し、独自の概念… 森は考える 人間的なるものを超えた人類学 [著]エドゥアルド・コーン 森や山、川などを人と見做(みな)し、鳥や草木が人に語りかけてくるという感覚を古代の日人は持っていた。それは単なる擬人化にとどまらない自然観の現れであり、「森は考える」という書の思想とよく通じ合う。著者はアマゾン河上流域に暮らす原住民に寄り添う調査活動をベースに、従来の人類学や哲学、生命科学、生態学の枠組みを創造的に逸脱する思考を組み立てている。我々が無意識に踏襲している「思考するのは人間だけ」という前提そのものを排し、植物、昆虫、動物が自然界で織りなす行動は、自他を区別したり、自己意識を持つといった「記号過程」を経ていると捉える。たとえば、捕

    「森は考える」書評 現代人が忘れてしまった知恵|好書好日
  • 【動画】能力主義は正義なのか? マイケル・サンデル教授らが「自己責任」を議論|好書好日

    (左上から)ハーバード大学教授のマイケル・サンデル教授、東京工業大学の伊藤亜紗教授、中島岳志教授、早川書房の一ノ瀬翔太さん 対談は、公益財団法人早川清文学振興財団が企画。東工大科学技術創世研究院で未来の人類研究センター長を務める美学者の伊藤亜紗教授と、同センター「利他プロジェクト」リーダーでもある政治学者の中島岳志教授が、サンデル教授とオンラインで議論を交わしました。 「能力主義社会が不公平感」 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授 サンデル教授はまず「ここ数十年、能力主義に根ざした社会が明らかに不平等や不公平感を生んでいます。勝ち組と負け組の格差が深まり、分断が広がっています。成功して頂点に立った人たちはそれが自分自身の努力の結果と考え、苦しんでいる人や取り残された人のことを、自業自得だと考えるようにもなった。勝者が成功を自ら勝ち取ったものと思い込むのは間違いです。家族、共同体や国家、

    【動画】能力主義は正義なのか? マイケル・サンデル教授らが「自己責任」を議論|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2022/07/19
    うーん、結局動画見ないとわからんか…
  • 「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日

    「ヤバい神」 [著]トーマス・レーマー 書は、旧約聖書(ヘブライ語聖書)への読書案内であり、「ヤバい神」とは、そこにあらわれる神のことである。私は中学生の時、初めて冒頭の「創世記」を読んで驚いた。そこに描かれた神は、「政治的正しさ」からはほど遠かったからだ。書の原題の直訳は「わかりにくい神」だが、「ヤバい」という訳語は的確だと思う。 ヤバさの有名な例に、アブラハム物語がある。神は、高齢のアブラハムに息子イサクを授けるが、アブラハムの信仰を試す「試練」として、幼いイサクを生贄(いけにえ)に献(ささ)げるよう命じる。アブラハムは命令に従おうとするが、その信仰を認めた神が止め、イサクは助かる。この不条理な物語に対し、哲学者カントは、アブラハムはそのような非道徳的な命令を下す者が神であるはずがないと答えるべきだったと述べた。一方キルケゴールは、アブラハムの信仰を讃(たた)えた。この物語は、数多

    「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日
  • 「誰も望まなかった戦争」が、なぜ起きたのか?[後篇] フレデリック・テイラーさん(英国の歴史家)|じんぶん堂

    記事:白水社 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が進む今、多大な示唆に富む書。フレデリック・テイラー著『一九三九年 誰も望まなかった戦争』(白水社刊)は、第二次世界大戦の開戦前夜1年間に注目し、英独の「普通の人びと」の日常生活と心情、その変化を活写する。【口絵16頁】 書籍情報はこちら [前篇はこちら] 1939年8月の第3週の終わり、ヒトラーはこれまでで最も鮮やかで予想外の、そして混乱をもたらす芸当をうまくやってのけた。8月22日の『フライブルク新聞』の夕刊では、第1面に全段抜きの大見出しを掲げて、次のように宣言した。「大ドイツの外交、国際社会に一大センセーションを巻き起こす世界史的重要な事件」と。 ドイツとソ連のあいだに不可侵条約が締結されたことは、確かに世界的なセンセーションであった。だが、大多数のドイツ人は、この発表を聞いてそれ以上に衝撃を受けた。彼らは6年半ものあいだ、モスクワこ

    「誰も望まなかった戦争」が、なぜ起きたのか?[後篇] フレデリック・テイラーさん(英国の歴史家)|じんぶん堂
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2022/06/17
    機会があれば。
  • 『権威主義の誘惑』日本語版に特別寄稿 アン・アプルボームさん(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト・歴史家)|じんぶん堂

    記事:白水社 『ワシントン・ポスト』『フィナンシャル・タイムズ』の年間最優秀書籍に選出! アン・アプルボーム著『権威主義の誘惑──民主政治の黄昏』(白水社刊)は、「民主政治の危機の根源」を探る。デモクラシーの衰退と権威主義の台頭を見つめる思索的エッセイ。 書籍情報はこちら アン・アプルボーム[CC-BY-SA-3.0] アメリカ大統領選挙の投票日、2020年11月2日からジョー・バイデンが就任する2021年1月20日までの異例の空白期に、大統領ドナルド・トランプは近年の歴史には例を見ないやり方で、アメリカの民主政治に対する攻撃に手をつけた。だが、彼のそれまでの履歴に注目してきただれから見ても、これは驚きではなかった。 トランプはオバマ大統領がアメリカ合衆国生まれではないという陰謀論、「バーセリズム」を足掛かりとして政治の世界に入った。登録された共和党員の72パーセント、、、、、、、、、

    『権威主義の誘惑』日本語版に特別寄稿 アン・アプルボームさん(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト・歴史家)|じんぶん堂
  • 「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日

    「神になった武士」 [著]高野信治 副題にすっかり騙(だま)された。「平将門から西郷隆盛まで」――ふむふむ、その他の神になった武士といえば徳川家康に豊臣秀吉、源為朝もいたっけと考えながら読み始め、己の浅学に打ちのめされた。なにせ書によれば、古代から現在までに神格化された武士の総人数は二四三一人、うち一カ所のみで祀(まつ)られている者は二一一二人と、私の予想をはるかに超える武士祭神が紹介されていたからだ。 書は全国に存在する武士祭神を統計化し、そのデータを元に神格化の歴史を読み解いた書籍。作中にも言及がある通り、そもそも武士祭神は地域色が強い存在である。それを悉(ことごと)く調査した筆者の意欲には、つくづく感服させられた。 武士はなぜ神とされるのか。平将門、徳川家康といった著名な者ばかりではなく、実に二千人を超える武士が全国各地で祀られる理由は何か。筆者はその背景を分析するとともに、彼ら

    「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2022/05/31
    "平将門が、首や首より上の病気の治癒神として崇(あが)められている"オラのビョーキにも効くのかな?
  • tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日

    tofubeatsさん tofubeats(とーふびーつ) 1990年生まれ神戸出身のラッパー/プロデューサー。中学時代から音楽活動を開始し、高校3年生で国内最大のテクノイベント「WIRE」に最年少で出演。代表曲は「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」「水星 feat. オノマトペ大臣」など多数。2022年には中村佳穂らが参加した4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」、初の著書『トーフビーツの難聴日記』を発表する。 目標とするECDと小西康陽 ――アルバム「REFLECTION」と同日に出版される『トーフビーツの難聴日記』のゲラを読ませていただきました。tofubeatsさんは2015年にご自身の会社・HIHATT(ハイハット)を立ち上げましたが、創作以外にも、サンプリングのクリアランスや楽曲の権利処理、契約書の内容を弁護士さんに相談したりといろんな実務を並行されているん

    tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い|好書好日
  • あなたの知らないモルディブ|じんぶん堂

    記事:明石書店 『モルディブを知るための35章』(明石書店) 書籍情報はこちら マーレ島の人工ビーチで水遊びする人々 青い海にサンゴ礁、白い砂浜。エメラルドグリーンの透き通る海に浮かぶ水上コテージ。高級リゾートの代名詞であるモルディブの空港に到着すると、首都のあるマーレ島がすぐそばに見える。ここはモルディブの全人口の3割以上が住む世界的にも有数の過密都市である。朝早くから夜遅くまで細い路地を人やバイクが行き来し、活気に溢れている。しかし観光客はここに立ち寄ることなく、空港島の港で待つスピードボートや飛行機でそれぞれの目的地であるリゾートへと直接運ばれてゆく。モルディブでは一つのリゾートホテルが一つの島を丸ごと占有していて、観光客はほとんどの時間をホテルのある島で過ごす。リゾートでは、色とりどりの魚が観光客を待ちかまえている。多彩なマリン・アクティビティや、豪華な事に、観光客はリラックスし

    あなたの知らないモルディブ|じんぶん堂
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2022/02/18
    機会があれば。
  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

    福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2022/02/08
    美術史は、テーマ展はあったらしいが:https://saga-museum.jp/museum/exhibition/limited/2017/03/001536.html/「暮らしの中に図書館を」ってのはあちこちで使われてるが、オリジナルはどこなんだろう?
  • ニケシュ・シュクラ編『よい移民』 今必要とされる「ふつう」の物語|じんぶん堂

    記事:創元社 『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』(創元社) 書籍情報はこちら 多様性とはふつうのもの 2011年の国勢調査の結果によれば、イングランドとウェールズの全人口のうち、黒人、アジア系、エスニック・マイノリティ(Black, Asian, Minority Ethnicの頭文字をとってBAMEと呼ばれる)と自己規定した人びとは20%近くに及んだ。ロンドンだけで見れば、その数は40%に達している。世界中、とりわけかつてイギリスが植民地として支配した地域出身の「移民」とその子孫たちの存在を抜きに、現代のイギリスを考えることはできない。多人種、多宗教、多言語……と、いくつもの「多」を連ねても表現しきれぬほど複雑な社会状況、それが現代イギリスにおけるいたって「ふつう」の現実である。 しかしながら、日常生活で目にするポピュラー文化には、このような「ふつう」のものとしての多様な現実

    ニケシュ・シュクラ編『よい移民』 今必要とされる「ふつう」の物語|じんぶん堂
  • ヨシタケシンスケさんの絵本「りんごかもしれない」 自分が小さい頃に悩んでいたことをいっぱい言いたい|好書好日

    ヨシタケシンスケ(よしたけ・しんすけ)絵作家、イラストレーター 1973年生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。イラストレーターとして活躍中の2013年、初の絵『りんごかもしれない』を発表。「第6回MOE絵屋さん大賞」第1位を獲得。『ぼくのニセモノをつくるには』『このあとどうしちゃおう』(いずれもブロンズ新社)を合わせた3冊は「発想えほん」と呼ばれる人気シリーズに。 ――日じゅうの絵好きキッズの熱い視線を今、一身に集める絵作家、ヨシタケシンスケさん。今年5月、全国約12万人の小学生が選んだ「“こどもの”総選挙」では、10位以内になんと4冊ものが選ばれ、「ヨシタケ」の超人気ぶりを見せつけた。そんな彼の絵デビュー作が『りんごかもしれない』(2013年、ブロンズ新社)。1個の果実をモチーフに、主人公「ぼく」の妄想が「これでもか」と膨らんでいく。累計売上41万部を

    ヨシタケシンスケさんの絵本「りんごかもしれない」 自分が小さい頃に悩んでいたことをいっぱい言いたい|好書好日
  • 「麻薬と人間 100年の物語」 ギャングの暗躍招いた撲滅運動|好書好日

    「麻薬と人間 100年の物語」 [著]ヨハン・ハリ 読む前と読む後で目の前の風景が一変するである。結論はこうだ。100年前にアメリカで始まった麻薬撲滅運動(麻薬戦争)がかえって麻薬依存症を増やし、ギャングに麻薬売買の特権を与えた。「え?」と最初は思った。が、警察官、密売人、依存症者、殺人者、ホームレス、大統領などへの膨大な聞き取り、一次史料の深い読み込み、徹底した自己懐疑力に鍛えられた書を読んで、エルトン・ジョンから麻薬取り締まり当局者まで絶賛を惜しまない理由がわかった。 麻薬戦争のきっかけは、麻薬を禁止した1914年のハリソン法である。連邦麻薬局長アンスリンガーは、使用者は黒人ばかりで共産主義者は麻薬でこの国を滅ぼそうとしている、と宣伝し、ジャズ歌手のビリー・ホリデイを標的にして死に追いやった。 だが、麻薬戦争は目的と正反対の方向に向かう。価格が暴騰し、隠れて運びやすいように濃度を上

    「麻薬と人間 100年の物語」 ギャングの暗躍招いた撲滅運動|好書好日
  • あの本をなぜ紹介できなかったのか 朝日新聞文芸担当記者が語り尽くす第2回「とっておきすぎ読書会」前編|好書好日

    半年以上、「放置」してしまったたち 山崎 いずれ紹介したいと思っていたけれど、紹介できないまま刊行から半年以上が経ってしまったを総まくりする「とっておきすぎ読書会」、半年ぶりの第2弾です。 中村 この企画を「とっておきすぎ」てますね(笑) 山崎 読書会の流れとしては、どうやってそのを知ったのか、なぜ紹介しそびれたのかをおさえたうえで、それぞれグッときたポイントを話して、わちゃわちゃしたいと思います。ということで、まずは私から。『植物園の世紀 イギリス帝国の植物政策』です。 川島昭夫『植物園の世紀 イギリス帝国の植物政策』(共和国) 野波 タイトルからしておもしろそうだよね。 山崎 これは書店を巡回中に見つけました。 中村 どういう棚で? 山崎 人文書の棚です。すてきな装丁に目を引かれて手に取った。読んでおもしろかったんですけど、どうにもできなかったのは、著者が刊行に間に合わず、ご病気

    あの本をなぜ紹介できなかったのか 朝日新聞文芸担当記者が語り尽くす第2回「とっておきすぎ読書会」前編|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/10/02
    後篇ももうあるんか。
  • 「統計データの落とし穴」書評 木を見て森を見ない誤用に注意|好書好日

    統計データの落とし穴 その数字は真実を語るのか? 著者:ピーター・シュライバー 出版社:ニュートンプレス ジャンル:数学 「統計データの落とし穴」 [著]ピーター・シュライバー 90年代のニューヨーク市警に、取り締まりや犯罪データの収集システムが確立した。ある分署長はそれを使い、警官や部署の活動を、数値評価し始めた。もちろん警官の行動は変わっていった。無意味な職務質問を増やしたり、重大犯罪を微罪として扱ったり、被害者が被害届を出すのを邪魔するようになったのだ。数値ノルマを達成するため、そのような行動は署の全体でなされた。数値評価を導入すると、人はそれに応じて行動を変える。結果として、その数値評価を通じて実現したかったことと、反対のことだって起こる。 数値評価は大切なように思える。なんせ数値は、数値で表せないものと比べて、はるかに見えやすいし、分かりやすいから。だから人は数値を見て、そこに答

    「統計データの落とし穴」書評 木を見て森を見ない誤用に注意|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/09/21
    "数値評価を導入すると、人はそれに応じて行動を変える"/機会があれば読みたい。今のところ図書館になしorz
  • 「洞窟ばか」書評 底もゴールもない未知への挑戦|好書好日

    洞窟ばか―すきあらば、前人未踏の洞窟探検 [著]吉田勝次 運命の力が作用して、なるべくして洞窟探検家になった「俺」は高校を辞めるまでは無謀なアウトロー的人間であり、直感に従った行動で危険な目にも遭うが、彼を導くことになる運命は時に試練を与えながら彼の肉体と精神を強固なものに鍛え上げ、洞窟探検家としての不屈の人格を自力と他力の両輪に噛(か)み合わせながら、未知の驚異の世界の入り口へと読者を誘う。 その探検の過程にはハラハラドキドキ。書の描写がコントロールされた感情に裏付けされているように、洞窟内での行動は常に冷静さが求められる。 彼の人生は一見、衝動的で向こう見ずに思えるが、実は高所恐怖症で闇を恐れる。その性格は洞窟探検家に向いていないように思えるのだが、だからこそ、未踏の未知の風景を現実の領域に取り込み、とんでもない危険に挑戦してしまうものの、感覚と理性のバランスよく常に無事に帰還するの

    「洞窟ばか」書評 底もゴールもない未知への挑戦|好書好日
  • 光浦靖子さん「50歳になりまして」インタビュー コロナでも、アラフィフでも、それでも留学に行きたい理由|好書好日

    光浦靖子(みつうら・やすこ) 1971年生まれ。愛知県出身。幼なじみの大久保佳代子と「オアシズ」を結成。バラエティ番組「めちゃ2イケてるッ!」(フジテレビ系)のレギュラーなどで活躍。また、手芸作家・文筆家としても活動し、著書に『靖子の夢』(スイッチパブリッシング)、『傷なめクロニクル』(講談社)など。 コロナで消えたカナダ留学プラン ――昨年春、コロナ禍で留学を断念し、「私は家なき子の仕事なき子」になったという、光浦さん。妹さん家族の家に2カ月半、居候していたそうですね。そもそも、なぜカナダへ留学しようとしたのですか。アメリカでも、イギリスでもなく。 お友達がカナダで商売しようとしていて、「案内するよ」って言われてバンクーバーに遊びに行ったんです。その日の夜、ホテルのエレベーター前で、北斗晶さん・佐々木健介さんのご夫婦にばったり会いました。「きゃー! 北斗さーん!」「ええ! 光浦ちゃん?」

    光浦靖子さん「50歳になりまして」インタビュー コロナでも、アラフィフでも、それでも留学に行きたい理由|好書好日
  • 「それでもイギリス人は犬が好き」書評 残虐な娯楽の反動で動物愛護|好書好日

    犬をこよなく愛する国民、揺れる動物愛護の国・イギリス。イギリス人の犬に対する関心を、動物への虐待と動物愛護の視点から文化史的に辿り、イギリス社会・文化の特質を浮き彫りにす… それでもイギリス人は犬が好き―女王陛下からならず者まで [著]飯田操 非常にユニークな「犬の」だ。冒頭で、2003年の暮れ、エリザベス女王の愛犬がアン王女に飼われていたブルテリアに咬(か)まれて深手を負い、安楽死となった話が紹介される。以降、各単元の枕には犬への虐待行為や悲劇が語られ、犬好きで動物愛護の先進国とされたイギリスのイメージを根底から覆す。 実際、歴史を繙(ひもと)けば、イギリスは決して犬たちの楽園ではなかった。この国では17世紀ごろまで動物いじめを娯楽にする風俗があり、熊や牛に犬をけしかけて楽しむ「熊攻め」や「牛攻め」が行われていた。ブルドッグという品種が牛攻め用に改良されたというように。 また猟犬では、

    「それでもイギリス人は犬が好き」書評 残虐な娯楽の反動で動物愛護|好書好日
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2021/07/26
    犬嫌いのaohi君に読ませたい。
  • 「ミシンと日本の近代」書評 小さなモノに光、大きな歴史照射|好書好日

    ミシンと日の近代―消費者の創出 [著]アンドルー・ゴードン [訳]大島かおり 米国の「知日派」というと、最近は外交・安全保障の専門家のみ注目されがちだが、著者は歴史研究における筆頭的存在だ。 ある日、彼は、ふと1950年代の日の既婚女性が毎日2時間以上も裁縫に費やしていた事実を知り驚愕(きょうがく)する。それが今回の知的探究の出発点となった。 ふつうの日家庭に入った最初のミシンはジョン万次郎が母親へ贈ったもの。シューイングマシネ(縫道具)がマシネと略され、さらに2音節に縮まって「ミシン」となった。 その出現は〈洋裁〉と〈和裁〉という新語を生み、キモノを〈洋服〉に対する〈和服〉とし、〈日〉と〈西洋〉が対峙(たいじ)する独特の世界観を固着化した。 とりわけ「世界初の成功した多国籍企業」と称される米シンガー社の家庭用ミシンは10年代までに日でも無敵の存在となった。それはまた「セールスマ

    「ミシンと日本の近代」書評 小さなモノに光、大きな歴史照射|好書好日
  • 「原子力の人類学」書評 世界の構造をエセーの文体で|好書好日

    原子力の人類学 フクシマ、ラ・アーグ、セラフィールド 著者:内山田 康 出版社:青土社 ジャンル:社会・時事 原子力の人類学 フクシマ、ラ・アーグ、セラフィールド [著]内山田康 筆者は社会人類学者である。がしかし、書は単純には学問と言えない文体で語られる。エセーと呼ぶのが最も適当であろうが、それは起源にモンテーニュを仰ぐ「随筆」の形式だ。 テーマは一貫して原子力である。筆者はその力の及び方を知るために仏ラ・アーグ、英国セラフィールド、米国ニューメキシコ、福島の浜通りを旅してゆく。 日の原子力産業がどの国のモデルを利用しているか、特にまったく同じ手法で土地が奪われ、権力によって馴致されるようになるかの事実には背筋が凍る。 我々は愚かなほどの物真似によって支配されてきたのに過ぎない。反省の契機もない終末的状況だ。 筆者はそうした世界の構造をあくまで随筆のように書く。資の動き、暴力の魔、

    「原子力の人類学」書評 世界の構造をエセーの文体で|好書好日