気候予測情報は気候モデルによって計算されますが、過去や将来の気候を完璧に再現したり予測したりすることは簡単ではありません。そのため、計算結果の精度や誤差を評価しておく必要があります。過去の気候であれば測候所や衛星による観測値との比較ができます。過去を再現した気候モデルの結果を観測値と比較したときのギャップ、すなわち「それぞれの気候モデルが持つ系統的、または規則的に見られる誤差」をバイアスと言います。この現実とのギャップ(バイアス)が気候予測情報に含まれると、気候変動影響の評価を適切に行えません。バイアスを含む気候予測情報を、観測の情報を使って補正することをバイアス補正といいます。 1. 気候予測はどのように行われているか 気候予測は、天気予報と同じように主に全球気候モデルを使って行われています。気候変動の主な要因である大気中の温室効果ガスの排出量に応じて、気温や大気の循環、雨の降り方がどう