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ブックマーク / gendai.media (281)

  • 日本全国「80歳以上の老人たち」の話が教えてくれたこと…幕末生まれと明治生まれの人の「決定的な差」(畑中 章宏)

    『忘れられた日人』で知られる民俗学者・宮常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 「宮の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事」だという民俗学者の畑中章宏氏による『今を生きる思想 宮常一 歴史は庶民がつくる』が6刷とロングセラーとなっている。 ※記事は畑中章宏『今を生きる思想 宮常一 歴史は庶民がつくる』から抜粋・編集したものです。 フィールドワークを可能にするには、まずできるだけ「よい老人」に会ってみることが大切であるという。そういう人たちは祖先から受けついできた知識に私見を加えない。なぜならその知識を「公」のものと考えているからである。 年の若い人たちは私見が加わって、議論が多くなり、一個の意見としては通用するものの伝承資料としてはとりがたい。とくに村の封建性を非難することなどは、世相としての価値は

    日本全国「80歳以上の老人たち」の話が教えてくれたこと…幕末生まれと明治生まれの人の「決定的な差」(畑中 章宏)
  • 1988年4月のある土曜日、バス停で起きた奇跡の瞬間…歴史を変えたひとりの男が閃いた「世界の真理」(奥野克巳)

    「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。『はじめての人類学』では、この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。 ※記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。 運命的な一日 人類学に多大な影響をおよぼし続けているティム・インゴルドは、人間とは有機体(生命を持っている個体。つまり生物)であり、それと同時に社会的な存在でもあるのだと考えました。助けになったのは、ジェームズ・ギブソンの生態心理学でした。インゴルドは特に1979年に出版された『生態学的視覚論』に影響を受けたといいます。 ギブソン以前の心理学では、人は頭の中で感覚的に世界を思い描くことによって、周囲の環境を知覚しているのだと考えられていました。人は光や音、皮膚に感じる

    1988年4月のある土曜日、バス停で起きた奇跡の瞬間…歴史を変えたひとりの男が閃いた「世界の真理」(奥野克巳)
  • 日本は「ひとつではない」とはどういうことか…日本人が見落としてきた「庶民の歴史」の大きな意味(現代新書編集部)

    『忘れられた日人』で知られる民俗学者・宮常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 「宮の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事」だという民俗学者の畑中章宏氏による『今を生きる思想 宮常一 歴史は庶民がつくる』が6刷とロングセラーとなっている。 ※記事は畑中章宏『今を生きる思想 宮常一 歴史は庶民がつくる』から抜粋・編集したものです。 日はひとつではない 日全国をすみずみまで歩き、人びとの話を聞いた宮常一。 『今を生きる思想 宮常一 歴史は庶民がつくる』では、「古代社会は統一された『ひと色の文化』のなかにあったのだろうかと疑問を抱く。そして『日』がひとつではないことを描き出していった」と、「日はひとつではない」という指摘を掘り下げている。 〈網野善彦は、『忘れられた日人』を中心とした宮の仕

    日本は「ひとつではない」とはどういうことか…日本人が見落としてきた「庶民の歴史」の大きな意味(現代新書編集部)
  • 「指に針を突き刺して…」決死の内部告発!『脳外科医 竹田くん』のモデル医師が吹田徳洲会病院で「デタラメ診療」連発、院内は大混乱(週刊現代) @gendai_biz

    名門病院の救急部門に、去年やってきた中堅医師。着任からまもなく、現場は大混乱に陥った。その正体が、医療界を激震させている、あの「脳外科医」だったとは。恐怖の内部告発スクープ。 こんなにひどい医者は初めて ここに、50枚以上に及ぶ文書がある。すべて、同じひとりの医師の行状に関する「報告書」だ。 「私は長年この病院に勤めていますが、こんなにひどい医者は初めてです。 彼の力量不足とデタラメな処置で、治るはずの患者さんが、命の危機にさらされることが度重なっています。今すぐ医者を辞めてほしい。多くのスタッフが、心の底からそう思っています」 決意を固め取材に応じたのは、大阪府吹田市、万博記念公園近くにある「吹田徳洲会病院」救急部門のスタッフである。 医療界を揺るがしている『脳外科医 竹田くん』。兵庫県の赤穂市民病院で起きた連続医療ミスと、それに関与した医師がモデルの「ほぼ実話」のマンガだ。誌は3月9

    「指に針を突き刺して…」決死の内部告発!『脳外科医 竹田くん』のモデル医師が吹田徳洲会病院で「デタラメ診療」連発、院内は大混乱(週刊現代) @gendai_biz
  • かつて「ピンクは男子、ブルーは女子」の色だった?(飯田 一史) @moneygendai

    色には意味がある。たとえば日では、603年に聖徳太子が「冠位十二階」を設けたが、濃紫の冠をかぶることが許されたのは最高位の大臣や官吏だけだ。紫色は高貴な人の象徴だった。 色は、見る人に特定の印象を与える。たとえば赤は生肉、血、火を連想させる。 黄色のスーツを着てオフィスに行こうとしたら「ダメだ」と言われたことがきっかけで、色のコード(色彩が持つ意味合い)に取り憑かれた文化ジャーナリストのポール・シンプソン『色のコードを読む』(フィルムアート社)は、なぜその色がそのような意味を持ち、印象を与えるのか、人類は色をどのように扱い、理論化してきたのかを、生理学から歴史までを横断しながら教えてくれる。 ある色に対して生物としての人間が生理的に感じるもの+社会的に構築された意味づけ 色のコードを決める大きな要素はふたつある。 ひとつめは、人類が生物として生き残るために蓄積されてきた好悪だ。たとえば緑

    かつて「ピンクは男子、ブルーは女子」の色だった?(飯田 一史) @moneygendai
  • じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」(久坂部 羊)

    だれしも死ぬときはあまり苦しまず、人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたいと思っているのではないでしょうか。 私は医師として、多くの患者さんの最期に接する中で、人工呼吸器や透析器で無理やり生かされ、チューブだらけになって、あちこちから出血しながら、悲惨な最期を迎えた人を、少なからず見ました。 望ましい最期を迎える人と、好ましくない亡くなり方をする人のちがいは、どこにあるのでしょう。 *記事は、久坂部羊『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。 <日 4月27日 今日だけ限定のセール実施中!> 記事の抜粋元『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)が、 今日限定でKindleで399円で購入できます! 購入はこちらから 人気の死因、一位はがん 死ぬのは仕方ないとして、ではどんな死に方がいいのか。 富士氏のように知らないうちに死ぬのがベストかもしれませんが

    じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」(久坂部 羊)
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2024/04/27
    がんにも種類があるよね。肺がんで死んだ父は、ベッドの上で跳ねててマジ苦しそうだった…
  • フランス人がコンビニがなくても困らない理由(吉村 葉子)

    柔道の国際大会、グランドスラム東京は12月4日に最終日を迎えた。 2024年のパリ五輪の代表に内定している男子66キロ級の阿部一二三選手と妹で女子52キロ級の詩選手がそろって優勝。女子48キロ級では、世界選手権で3連覇している角田夏実選手がわずか25秒で決勝を制し、パリ五輪への期待を高めた。 12月3日には、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)のファイナルチャレンジの第1戦福岡国際マラソンも開催された。10月15日のMGCですでに男女各2人が代表に内定しており、残す枠は男女それぞれ1名。MGC3位の大迫傑選手が代表となるかなど、目が離せない。 そう、2024年、パリで開催されるオリンピック(7月26日~同8月11日)とパラリンピック(8月28日~同9月8日)が半年あまりまで迫っている。東京五輪閉会式での、パリのプレゼンテーションから3年。パリ五輪ではできる限り歴史

    フランス人がコンビニがなくても困らない理由(吉村 葉子)
  • 「世界一ふしぎな実験」を腹落ちさせる2つの方法(竹内 薫)

    「腑に落ちる」解釈、あります 正直、私の中のもやもやも、長い間、消えることがなかった。大学で量子力学を教えてくれた先生たちも、口々に「量子力学を理解しようなんて思わないこと。使えればいいのです」と、開き直りともとれる発言をくりかえしていた。 そもそも、理解するとはどういうことなのか? それは、日常の経験や既存の知識とくっついて、「ああ、あの話の延長なのだな」と納得することだろう。だとすると、まったく新しい「量子」という存在は、日常からかけ離れているので、理解することはできず、慣れるしかないのかもしれない。物理学科の教授たちは、まさにそうやって開き直っていたのだ。 しかし、大学を出てから、いくつもの量子力学の「解釈」を勉強しているうちに、開き直らずに「理解」する方法があることを私は知った。 解釈とはなんだろうか? たとえば、y=xという数式があったとして、それが自然現象や社会現象をあらわして

    「世界一ふしぎな実験」を腹落ちさせる2つの方法(竹内 薫)
  • 渋谷の地べたにたむろしていた若者はどこに消えた…若者を渋谷から遠ざけた「元凶」(谷頭 和希) @moneygendai

    「渋谷はもう若者の街じゃない」――。このところ、そんな声がやけに頻繁に聞こえてくる。実際、渋谷の街を歩いていても、若者の姿は、あまり目につかない。 筆者は、東京の様々な街のイメージを探るために、さまざまな人々にインタビューを重ねているのだが、今回は、そこから見えてきた渋谷という、(かつての?)「若者の街」の姿を解き明かしたい。果たして、渋谷は当に「オワコン」なのか。 前編『渋谷はもう「若者の街」じゃない…イケてた街が「楽しくなくなった」納得の理由』で見たように、渋谷は現在進行中の大規模な再開発によって、「若者のトレンドを発信する街」から、「便利な街」へと変貌している。 また、「ゆっくり時間を過ごす」場所がなくなり、街にいるだけで消費を促され、居心地が悪い思いをさせられる。 「ジベタリアン」から渋谷を見ると…… 前編に登場した、地方から上京したという10代女子大生が、この話に関連して「渋谷

    渋谷の地べたにたむろしていた若者はどこに消えた…若者を渋谷から遠ざけた「元凶」(谷頭 和希) @moneygendai
  • 渋谷はもう「若者の街」じゃない…イケてた街が「楽しくなくなった」納得の理由(谷頭 和希) @moneygendai

    「渋谷はもう若者の街じゃない」――。このところ、そんな声がやけに頻繁に聞こえてくる。実際、渋谷の街を歩いていても、若者の姿は、あまり目につかない。 筆者は、東京の様々な街のイメージを探るために、さまざまな人々にインタビューを重ねているのだが、今回は、そこから見えてきた渋谷という、(かつての?)「若者の街」の姿を解き明かしたい。果たして、渋谷は当に「オワコン」なのか。 「渋谷は、単なる便利な街」 結論を先に述べれば、「若者の街」という看板は、もはや渋谷には似合わないのかもしれない。アンケートを重ねる中で浮上したのは、「渋谷」は、今や単なる「便利な街」程度にしか認識されていないという事実だ。「是が非でも行きたい」「あの場所に行ってみたい」といった特別な思い入れを抱かせる魅力は、すっかり色あせてしまったようである。 このような事態に拍車をかけているのが、現在進行中の渋谷の大規模な再開発だ。数年

    渋谷はもう「若者の街」じゃない…イケてた街が「楽しくなくなった」納得の理由(谷頭 和希) @moneygendai
  • 3月23日 地質学者ウィリアム・スミスが生まれる(1769年)(ブルーバックス編集部)

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。 "サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。 「イギリスの地質学の父」と呼ばれる地質学者ウィリアム・スミス(William Smith、1769-1839年)が、この日、イングランド南東部オックスフォードシャー州のチャーチルという農村に生まれました。

    3月23日 地質学者ウィリアム・スミスが生まれる(1769年)(ブルーバックス編集部)
  • 物を買わないドイツ人が日本人よりもお金をたくさん使っているもの(雨宮 紫苑)

    ケチというより「足るを知る」 「まだ動く」 「修理すれば使える」 「この機能で十分」 「捨てるくらいなら譲るべき」 「そんな高いもの必要ない」 こういった価値観のせいで、「ケチ」や「倹約家」と言われることが多いドイツ人。無駄な消費を好まないという意味では、たしかにそうだ。 ただわたしは、消費をあまり好まないこの姿勢に、「ケチ」というよりはむしろ「愛着」を感じている。自分が使ったものをゴミにしたくない。せっかくならだれかに使ってほしい。そういう気持ちだ。 結果的にケチであっても、どちらかというと「大切にしている」とか「足るを知る」というほうが、しっくりくる。 そんな国で生活しているので、おかげさまで消費意欲というものがすっかりなくなった。スマホはSONYの型遅れの機種で、その前は彼のお古。それに月250MBのプリペイドをチャージして使っている。友だちから服をもらったこともあるし、あげたことも

    物を買わないドイツ人が日本人よりもお金をたくさん使っているもの(雨宮 紫苑)
  • 人類は一夫一婦制に向いていないのか(更科 功)

    人類が進化したのは一夫一婦制になったから? 私は先日、人類史の(『絶滅の人類史』NHK新書)を出させていただいた。そのの中で、人類が類人猿から分岐するキッカケとなったのは、人類が一夫一婦制に近い配偶形態をとるようになったからである、という説を紹介した。 その後、いろいろな人(多くは私の個人的な友人)から、その説に対する不満を聞かされた。 「あれは、お前の願望が入ってるんじゃないか?」 「俺は、あんな説は認めないぞ」 みたいなことを、酒の席などで何度も言われたのだ。 もちろん、この説は私のオリジナルではない。人類史の分野における有力な説だ。少し長くなるが、それは、だいたいこんな説である。 環境が乾燥化することによって、森林が縮小した。そのため、ある類人猿のグループは、木がまばらにしか生えていない疎林に住まざるを得なくなった。 だが、疎林には料が少ないので、料を探すためには広い範囲を歩

    人類は一夫一婦制に向いていないのか(更科 功)
  • 生命40億年の進化の歴史をもう一度やり直しても人類は誕生するか(更科 功)

    グールドの講義 アメリカの有名な古生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド(1941〜2002)は、大学の講義を教室の一番前で聴くような、熱心な学生だった。その後、大学の教員になると、大げさな手振りを交えて熱弁を振るう、熱い先生になった。学生時代にグールドの講義を聴講した生物学者、ジョナサン・B・ロソスは、内容も魅力的で素晴らしかったと言っている。 ただし、かつてグールドの講義助手を勤めた古生物学者、ニール・シュービンによれば、(当然のことだが)その情熱をすべての学生が受け止めたわけではないらしい。教室の前のほうで熱心に聴く学生もいたけれど、後ろのほうで眠りこける学生もいたようだ。 もっとも、グールドの講義は人気があって、学生が600人ぐらいいたらしいので、それも仕方がないだろう。大教室で講義をすれば、かならず何人かの学生は眠るものである。 さて、グールドはある講義で、「もしも白亜紀末に小

    生命40億年の進化の歴史をもう一度やり直しても人類は誕生するか(更科 功)
  • 多くの日本人がじつは知らない、「47都道府県が維持できなくなる」かもしれない未来(河合 雅司)

    人口減少日で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、当の意味で理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 100万部突破の『未来の年表』シリーズの『未来の地図帳』は、20年後の日人はどこに暮らしているのか?人口減少が「10年後、20年後の日のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか?についての明らかにした書だ。 ※記事は『未来の地図帳』から抜粋・編集したものです。また、書は2019年に上梓されたであり、示されているデータは当時のものです。 地域差が際立ってくる 人口減少が2段階で進むこと以上に踏まえておかなければならないのが、人口減少も少子高齢化も全国一律に進むわけではないという点だ。 日の総人口が増えていた時代でも過疎地は存在したし、人口が減り始めた現在でも人口が増えている自治体がある。これからいよいよ、地域差

    多くの日本人がじつは知らない、「47都道府県が維持できなくなる」かもしれない未来(河合 雅司)
  • 「同性愛カップルは“生産性”が低い」と主張する人に共通する「残念」な特徴(中野 信子) @gendai_biz

    同性愛と異性愛の個体で脳機能は異なる 性的指向についての議論がしばしば盛り上がる。これはくり返し起こっているように見える。性的指向、性自認は、「嗜好」ではなく「指向」であり、生理学的、生物学的な要素が無視できない。 少なくとも脳科学領域では、同性愛の個体と異性愛の個体で異なる脳機能部位があることはかなり以前から知られている。人の意志で簡単に変更がきくようなものではない。これは、もっと多くの人が当然のこととして知っているはずの知識だと私は思い込んでいたのだが、社会全体、なかんずく政治に携わる人々の多くにこの知見が広まっておらず、政権中枢にほど近い方から、科学的に当然の知見とはあまりにもかけ離れた発言が見られてしまったことは、ひとえに私も含めた科学者の怠慢であり、大変申し訳なく、斬鬼の念に堪えない。 私ごときがひとりでやっても限界がある。その活動は人が目立とうとするだとか金銭的な報酬を目的

    「同性愛カップルは“生産性”が低い」と主張する人に共通する「残念」な特徴(中野 信子) @gendai_biz
  • ホーキングが予言した「ブラックホールの蒸発」は本当か…最新研究で明らかになった「驚きの結果」(片山 春菜,畠中 憲之)

    かつて、「永遠に思えるブラックホールもやがて質量を失い、最後には蒸発するだろう」とホーキングは予言し、物理学界に衝撃を走らせた。ただ、その観測は長いあいだ困難を極めていた。その新たな可能性を切り拓くのが、「人工ブラックホール」を用いた検証である。 連載では、その研究の最前線で世界的な注目を集める物理学者の2人、片山春菜氏(広島大学助教)と畠中憲之氏(広島大学教授)にその意義を解説してもらおう。 「宇宙」から「時空」へ 古代より夜空を見上げた人類は、何を思ったのでしょう。おそらく、流転する天体の調和に魅了され、その変わることのない星々の運行の不変性に心のやすらぎを感じ、これから起こる未来のことに思いを馳せたことでしょう。そして、その壮大な世界は「宇宙」と名付けられました。 「宇宙」の語源は、紀元前2世紀(前漢時代)ごろの百科事典「淮南子(えなんじ) 巻十一 斉俗訓」の一節、「往古来今謂之宙

    ホーキングが予言した「ブラックホールの蒸発」は本当か…最新研究で明らかになった「驚きの結果」(片山 春菜,畠中 憲之)
  • 「電気回路のなかに宇宙を創造する」とは一体…日本から登場した「意外なアプローチ」が世界の注目を集めるワケ(片山 春菜,畠中 憲之)

    かつて、「永遠に思えるブラックホールもやがて質量を失い、最後には蒸発するだろう」とホーキングは予言し、物理学界に衝撃を走らせた。ただ、その観測は長いあいだ困難を極めていた。その新たな可能性を切り拓くのが、「人工ブラックホール」を用いた検証である。 連載では、その研究の最前線で世界的な注目を集める物理学者の2人、片山春菜氏(広島大学助教)と畠中憲之氏(広島大学教授)にその意義を解説してもらおう。 日で提唱された「画期的な研究手法」 電気回路上で擬似的なブラックホールを実現するためには、どうしたらいいでしょうか。 擬似的にブラックホールを作るときのポイントは、「場所によって流速が変わるような滝の流れ」を用意することでした。電気回路では、水を流すわけにはいきません。場所によって変わる流れを作るのは、電気回路を伝わる「電磁波」です。電気回路中を電磁波がどのように伝わるのでしょうか。 電気回路の

    「電気回路のなかに宇宙を創造する」とは一体…日本から登場した「意外なアプローチ」が世界の注目を集めるワケ(片山 春菜,畠中 憲之)
  • もはや「管理職への昇進」はモチベーションとならない…日本人の「伝統」はいよいよ変わるか(河合 雅司)

    人口減少日で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、当の意味で理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 100万部突破の『未来の年表』シリーズの『未来のドリル』は、コロナ禍が加速させた日少子化の実態をありありと描き出している。この国の「社会の老化」はこんなにも進んでいた……。 ※記事は『未来のドリル』から抜粋・編集したものです。また、書は2021年に上梓されたであり、示されているデータは当時のものです。 管理職への昇進はモチベーションとならない ここにきてジョブ型雇用への移行の気運が急速に高まってきたのは、コロナ禍で先行きが見通しづらくなったこともあるが、少子高齢化に伴い社会構造が変わってきたことが大きな理由だ。 日は人手不足やマーケットの縮小が避けられず、その打開策としてDXによる生産性向上や高付加価値のビジネスモデル

    もはや「管理職への昇進」はモチベーションとならない…日本人の「伝統」はいよいよ変わるか(河合 雅司)
  • まさか! かざすだけで監視カメラが「人間」と認識しなくなる画像(AI SCHOLAR)

    情報の時代といわれる現代では、セキュリティは非常に重要です。 では、AIを騙そうとした時、AIは自分で身を守ることができるのでしょうか? 先日発表された、防犯カメラなどに備えられた人物認識AIを騙す新技術が話題になっています。 持つだけで“人間”ではなくなるデジタル迷彩 ディープラーニングなどによる画像認識技術が発展していく一方で、あえてニューラルネットワークに誤分類をさせる技術“Adversarial attacks”も、近年高い注目を集めています。 Demo of generating adversarial patches against YOLOv2 https://t.co/glsNwaSEaX pic.twitter.com/siWkR7j1HL — hardmaru (@hardmaru) 2019年4月22日 “Adversarial attacks”とは、ニューラルネット

    まさか! かざすだけで監視カメラが「人間」と認識しなくなる画像(AI SCHOLAR)