能登半島地震では、石川県輪島市町野町の国重要文化財「上時国家(かみときくにけ)住宅」の主屋も倒壊した。近世木造民家では国内最大級とされ、日本海交易で栄えたかつての奥能登の豊かさを象徴する貴重な歴史遺産だ。近く専門家による破損状況の調査が入り、被災から3カ月を経てようやく復旧に向けて動きだそうとしている。 (小室亜希子、宮崎正嗣) 輪島市の中心部から車で1時間半。主屋は柱が折れて屋根が落ち、玄関の唐破風に豪華に飾り付けられていた瓦がいたるところに散乱。もともと2階建てだったのを想像するのが難しいほどの惨状だ。かつて美しく手入れされていたであろう庭園にも、倒れた大木が横たわっていた。建物を所有する上時国家25代当主の時国健太郎さん(73)=金沢市=は「再建するのは大変だ。どうやってやるのか見当がつかない」と困惑する。 上時国家は平清盛の義弟時忠の子孫に由来する旧家。1980~90年代に同家の古
京都市左京区の新築マンション、解体した京町家への愛着「残したかった、せめて…」 2024年1月23日 6:00
報道関係者 各位 お世話になります。このたび、吉田寮現棟・食堂明渡請求訴訟の第一審・判決言渡まで1ヶ月を迎えることとなりました。それに伴い、主に昨年10月の第一審・結審時に見られた報道や取材に対する、寮自治会の見解を表明いたします。 2月16日の判決言渡しの際には、被告団の方で記者会見を行う予定ですが、それとは別に取材を希望される方は、以下の見解をご覧のうえ、寮内取材担当までご連絡をいただければと存じます。 判決言渡の1週間前など、直前のご連絡ですと寮側も取材をお受けできない可能性があります。取材をご希望の方は、お手数ですがお早めにご連絡をくださいますようお願いいたします。 ~以下PDFファイル~ ~以下テキスト~ 第一審・結審時の報道・取材に対する吉田寮自治会としての見解 【要旨】 結審時には、寮生の意思を蹂躙し、プライバシーを侵害するような取材がなされました。我々寮自治会は、こうした取
国の登録有形文化財となった建造物の解体が後を絶たない。文化庁によると、主に老朽化に伴う解体により、これまでに279件の登録が抹消された(9月25日現在)。歴史的に価値のある建造物を保護するため設けられた登録制度だが、所有者の維持・管理の負担が大きく、継承を断念せざるを得ないケースが多いようだ。【日向米華】 JR小倉駅の東側約600メートルにある北九州市小倉北区長浜町。住宅などが建ち並ぶ、かつての漁師町にあった建物が約1年半前に解体された。江戸時代から続いた庄屋の住まいで、大正時代前期の建築とされた国登録有形文化財「岩松家住宅」だ。同区にあった小倉陸軍造兵廠(しょう)などを標的とした戦火も免れた、市中心部に残る希少な建造物と評価され、2021年6月に文化財として登録された。
文化庁は2023年7月3日、建築文化の振興に向けて法整備の必要性などを指摘した報告書を公表した。近現代に著名な設計者が手掛けた「名建築」が、老朽化などで取り壊しや建て替えになる事例が増えている。文化財登録の目安となる築50年を迎える前の、戦後に立った比較的新しい建物を保全するには、現行の文化財保護の制度では不十分だとの認識がある。 報告書は、文化庁が23年2月に設置した「建築文化に関する検討会議」(座長:後藤治・工学院大学理事長)が3回の会合を経てまとめたものだ。隈研吾建築都市設計事務所(東京・港)の隈研吾氏や、俳優の鈴木京香氏らが委員に名を連ねる。 報告書では、建物とそれを取り巻く景観、建築技術など価値の創造と受容に関わる様々な対象物や営み、人材などを含めて「建築文化」と定義。政府として具体的な政策や施策を展開するため「建築文化振興法」の制定を検討し、文化政策の観点から今後の時代にふさわ
京都駅の八条口を出て、駅前を東西に横切る大通りを南へ渡ると、すぐに広がる観光客向けのホテル街。新型コロナウイルス禍が明け、訪日外国人の姿が戻った一帯を歩くと、昔ながらの平屋の長屋が10棟ほど立ち並ぶ路地に行き当たった。 軒先の物干しざおにはタオルやズボンが無造作にかかり、住民の話し声が室内から響く。まるでタイムトリップ。異空間に迷い込んだようだ。2023年6月下旬。午後の強い日差しにふと天を仰ぐと、南側以外の三方をビルが囲んでいた。 近年のホテルの建設ラッシュで、すっかり京都観光の玄関口となった八条口周辺。にぎわいの影で、長屋が軒を連ねた下町風情あふれる町並みは急速に姿を消している。一方、リノベーションで息を吹き返した長屋もある。温故知新の町歩きに繰り出してみた-。 案内してくれた地元の音楽家、朴実(パク・シル)さん(79)=京都市南区東九条=によると、観光ホテル街となった一帯のそばは終戦
これまでもお伝えしてきた島根県浜田市の美又エリアに立つ旧農協(旧美又信用購買販売組合事務所)を修繕するプロジェクト。地域の歴史や語りを取材・記録・発信するローカルジャーナリスト活動の拠点として。また地域に新たなつながりをもたらす「共存同栄」のシンボルに生まれ変わらせることを目的にしています。 老朽化で天井に穴が開き、窓のガラスも壊れたまま ただ、旧農協の建物は建設から86年が経ち、老朽化も激しい木造建築を現代で再び活用するには、多額の修繕費用が必要になります。例えば、特に二階は見学に来られる方が目を奪われるような天井が高い素敵な空間となっていて、凝ったつくりにもなっていますが、一部が壊れて穴が開いたり、破れたりしています。 また、壁の漆喰も剥がれ落ちてしまっているほか、木の窓枠も一部はガラスが壊れたままなくなり、板でとりあえずの補修がしてあるという状態です。 建築当時の材料や技術が残ってい
約100年前の歴史的建造物の存続危機 解体される建物が急増する一方…約11億円かけて改修された“木造校舎”も 歴史ある建物をどう守るか…“人々の愛着が鍵” 2023年11月12日 この記事の画像(10枚) 100年ほど前に建てられた歴史的建造物が今、存続の危機に立たされています。 解体か、存続か。岐路にある文化遺産への人々の思いに迫りました。 ■歴史ある建物が続々と解体されている 10月28日に開かれた、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」、通称「イケフェス大阪」。毎年秋に、大阪にある歴史的建造物などを無料で一斉公開するイベントです。 【参加者】 「(階段の)デザインもいいし、カーブとかも良かったなと思いました」 【参加者】 「かっこいい建物で、改装はされているけど、当時のものをそのまま残されていて。ずっとカレンダー(の今日の日付)に丸をつけていて、来ました」 例年、2日間で延べ5
京都市中心部で市民に愛されてきた「番組小」の跡地が今、次々とホテルに姿を変えている。校舎の姿を残しながら高級施設へと生まれ変わり、海外機関…
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