第十七回 「餅として、糯として」 私は餅である。 今回は、連日の新年会でダウン中の吉田にかわり、私自身が「私とは何か」を考えてみることにしたい。 「モチ」という、もっちりした体質をみごとに表した訓読みで読まれる私だが、音読みでは「ヘイ」となる。 このアメリカンな音読みを私は気にいっている。 「ヘイ、そこの彼女、踊りに行かない?」などという雰囲気があり、餅ゆえになんとなく例えが古くさいのはお許しいただきたいが、気にいっているのだ。 ザ・ビートルズの『ヘイ・ジュード』も 「ヘイ、ジュード、さびしいときは餅でも食いなよ」 という歌であり、さすがはポール、うまくシャレた歌詞を書くなあ、と思ったことを覚えている。(吉田注:そんな歌ではありません) そういえば、せんべいも私である。 煎った餅と書いてせんべい。薄っぺらくて固いが、私の一形態であるといえ、変形戦闘ロボットに例えるなら陸戦モードが私、空中戦