スイスはフランス、ドイツ、イタリアと国境を接する多言語・混成民族の国家。国の成り立ちも、圧制や外敵から身を守るため、異なる共同体が自治を求めて同盟を結んだことに端を発する。1291年に中央スイスの3原州がハプスブルグ家の支配に対抗して同盟の誓いを結び、盟約者団を結成。その後、異なる言語や文化を持つ都市・農村共同体が加わって緩やかな連邦共和制が発展していった。現在でもスイスに複数の公用語があるのは、こうした歴史と多民族によるところが大きい。 「スイスドイツ語」の歴史が気になります。他の言語圏ではスイスフランス語、スイスイタリア語などは聞かないと思います。 スイスドイツ語というカテゴリーがどうやって生まれ、またどのように現代まで引き継がれて来たのかとても気になります。(谷口亮太さん) 4つの公用語の中で異彩を放つのが、人口約800万人の6割が母国語とするスイスドイツ語だろう。スイスドイツ語はド