~見かけなくなった、春の風物詩~ イラスト/東郷なりさ 写真/中野泰敬 見かけなくなった春の風物詩 のどかな田園で陽気なさえずりを響かせ、空高く舞い上がっていくヒバリ――。 かつては春の風物詩として、だれもが知っている身近な野鳥でした。 しかし近年、都市部などではその姿を見かけなくなりました。 丈の低い草地を好むヒバリは、開けた原っぱや麦畑などに生息していますが、土地の開発や農業の衰退などによって草地環境が消失・荒廃し、近年ではヒバリやセッカ、ウズラといった草地性の野鳥も減少しているのです。 ヒバリってどんな鳥? イラスト/白石佳子 体長17cm。淡黄褐色で頭・体の上面・翼・胸には黒い縦斑があり、耳羽は赤褐色。雌雄同色ですが、メスは後頭の短い冠羽をあまり立てません。留鳥または漂鳥。 ユーラシア大陸、アフリカ大陸の北部、イギリスなど広範囲にわたって生息し、世界各地の古い詩や物語などにも数多く