【9月7日 AFP】「見せかけの正義」──雷のように、法廷に落とされた言葉。判決を言い渡す際、判事が使った言葉だ。「このような残虐な行為に対する十分な刑罰はない」。緊張した静寂の中、アンケ・グルッダ(Anke Grudda)判事は明確な声で言い放った。 ドイツ西部のデトモルト(Detmold)の裁判所で、94歳のラインホルト・ハニング(Reinhold Hanning)被告に禁錮5年の刑が言い渡された。ナチス・ドイツ(Nazi)親衛隊(SS)元隊員の被告は、アウシュビッツ(Auschwitz)の死の収容所にいた2年半の間に男性、女性、子ども合わせて17万人以上の殺害に関与したとして有罪となった。被告は裁判が始まった2月には歩いて法廷に入ってきていたが、判決は車椅子に座って聞いた。 アウシュビッツの「簿記係」と呼ばれたオスカー・グレーニング(Oskar Groening)被告は、ハンガリーの