意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫)posted with amazlet at 10.12.18井筒 俊彦 岩波書店 売り上げランキング: 12104 Amazon.co.jp で詳細を見る 歴史を紐解いてみるとダヴィンチ(いろいろできすぎ)であるとか、ノイマン(20世紀の科学に影響を与えすぎ)であるとか、世のなかにはすごい天才がいたもんだよなぁ、と感心してしまうことがあるけれど、日本で言えば井筒俊彦がその天才のひとりに数えあげられるだろう。この人は語学の天才で、20か国語を修得し(一説には30か国語を使えたとも)、全世界的な思想と文学に通じており、慶應大学で教鞭をとっていた際には一週間に「中世哲学」と「アラビア語」と「ロシア文学」の講義を担当していた……というほとんどリアル文系版イチロー伝説みたいな人である(もしかしたら、ひとつの言語を習得しようとするだけで、5か国語を修得した