2016年06月19日06:00 カテゴリヨーロッパ 欧州で広がる“ファーストの事情” 英労働党のジョー・コックス下院議員(41)が路上で52歳の男性に射殺され、殺害された。英国の欧州連合(EU)の離脱を問う国民投票を1週間後に控え、同議員の死は英国国民に大きなショックを与えている。殺害された議員はEU残留派だ。一方、容疑者は目撃者の話では「英国ファースト」と叫んでいたという。極右思想にかぶれていた、という情報が流れている。 ここでは容疑者が叫んだという“英国ファースト”について考えてみたい。厳密に言えば、英国を抜いて、「ファースト」についてだ。「〇〇ファースト」は新しい政治用語ではなく、欧州全土で現在、最も頻繁に聞かれる言葉の一つだ。 欧州の政界ではファーストを掲げる政党、政治家が増えてきた。具体的には、オーストリアでは極右政党「自由党」が「オーストリア・ファースト」をキャッチフレーズに