理由なき“名所” いわゆる「パワースポット」がブームになってから、もうすでに10年以上が経過する。 古くから信仰の対象となって来た土地、宗教施設がある場には「パワー」がみなぎり、そこを訪ねると「力」が得られるという、現世利益的、通俗的、「迷信」的な解釈が多くの人々に共有されてきたのだ。 ブームは一過性のものではなく、平成が終わろうとしている現在も、くメディアに流通している。「パワースポット」は、現代日本人の宗教に対する浅薄な意識の象徴であり、理由なき“名所”をもてはやすのはそろそろ止めた方がよいのではないか。 そこで、このブームの起源を探るとともに、歴史的・民俗的に、こうした“スポット”への関心を批判的に検証してみたい。 パワースポットの起源 「パワースポット」という言葉じたいは1980年代からすでに存在したが、多くのメディアが取り上げるようになったのは90年代からである。 UFO、未確認