古代エジプト新王国時代ラムセス王朝(B.C.1185頃 – B.C.1070頃)のパピルスの巻物(大英博物館古代エジプト部門収蔵BM EA 9994)に、書くことの喜びを心の底から著したこのような記述があるという。 『一日書き物をして過ごすがよい。 そして夜は読書をして過ごすがよい。 巻物やパレットを友にせよ。 それらはザクロ酒よりもかぐわしい。 書き物はそれを知る者にとって どのような役職よりも優れたものである。 それは食物やビールよりも香ばしい。 また衣類や香油よりやさしい。 それはエジプトの伝統より貴重であり 西方の礼拝堂よりも尊い。』(P77) パピルス紙の登場は人類史における画期であった。古代エジプトの人々――完全識字率は0.3%~5%(P75)で、巻物一巻の価格は労働者の1日あるいは2日分の給料に相当(P29)、というから高級官僚や神官・貴族など、教養があり、かつ裕福な非常に限