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本とアジアに関するkousyouのブックマーク (12)

  • 「チンギス・カン ”蒼き狼”の実像」白石 典之 著

    ソ連の崩壊により北アジア・ユーラシアの考古学研究は九〇年代後半から二〇〇〇年代にかけて様々な発見が相次ぎ非常に大きく進歩している。書は、日人として現地に赴きモンゴル史上の様々な発見をリードしている著者が、近年の様々な研究成果を盛り込み、あらためてチンギス・カンと彼の打ち立てたモンゴル帝国草創期についてまとめた、非常に面白い一冊だ。 これまでヴェールに包まれていたチンギス・カン以前のモンゴル史に始まり、モンゴルの軍事・政治・社会・生活・信仰、そして様々な遺跡からわかるモンゴル帝国の実情まで広く深く描かれているが、やはり面白かったのは「ヘルレンの大オルド」と伝わるチンギスの都としてほぼ確実視されているアウラガ遺跡の話だろう。 『アウラガ遺跡はモンゴル中東部、ヘルレン河上流のヘンティ県デリゲルハーン郡にある十三世紀の集落跡で』(P85)、1967年に発見されていたが、格的調査が進んだのは九

    「チンギス・カン ”蒼き狼”の実像」白石 典之 著
  • 「江戸の海外情報ネットワーク (歴史文化ライブラリー)」岩下 哲典 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    徳川幕府の支配体制の解体から明治維新へと至るプロセスに「情報」が大きな役割を果たした。特に鎖国下の海外情報は幕府によって管理統制されてその流通は限定的であった。その中で限定的な海外の情報を流通させ活用しようという海外情報ネットワークが自ずと形成されることとなる。その江戸時代の海外情報ネットワークはどのようなもので、いかにして社会変革に影響を及ぼしていったかを描くのが書である。 まずは鎖国下の4つの口「長崎口」「対馬口」「松前口」「薩摩口」について主に長崎を中心に情報発信基地としての長崎の役割が描かれ、その情報のハブとして長崎から横浜へと移り変わる様子が、長崎・横浜の土産版画と情報の関係で描かれる。続いて享保年間に日にやってきたベトナムゾウとその反響から蘭学の興隆を通じての情報ネットワークの拡大、続く十九世紀初頭の海外情勢の変化とナポレオン情報をめぐる情報収集と知識人への拡散、アヘン戦争

    「江戸の海外情報ネットワーク (歴史文化ライブラリー)」岩下 哲典 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • 「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著

    琉球史の第一人者高良倉吉氏が、東シナ海の中継貿易で栄えた琉球王国の姿を、琉球王国誕生前の三国鼎立時代から十六世紀末にかけての時期を中心に描いた一冊。 この時代の琉球史・琉球外交史については大まかなところを以前「琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史」で書いたので、そのあたりの歴史については割愛して、特に当時の東シナ海沿岸諸国と琉球の密接な関係を表すエピソードを少し紹介してみる。 十五世紀の琉球が馬の産地で、明国の対モンゴル遠征で大量に馬が輸出され、その協力への報酬として、海禁政策によって海外に出られない明人に代わり、琉球が独占的に中継貿易を行うことが出来たことは書を参考として別記事でも紹介したが、そのような冊封体制下で、琉球は明国と非常に密接な交流があった。 その代表的な例が「唐営」という華人の共同体の存在である。当時、琉球に限らず、海禁政策によって故国に帰

    「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著
    kousyou
    kousyou 2014/08/31
    ブログ更新しています。
  • 「アレクサンドロスの征服と神話 (興亡の世界史)」森谷 公俊 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    古今東西、歴史にその名を残す君主、英雄、軍人たちがこぞって憧れ、未だに繰り返し映画小説やアニメなどあらゆる創作で繰り返し語られる古代マケドニアの征服者アレクサンドロス3世(大王)について、語られた様々な英雄神話、その生涯、彼の帝国の統治構造、その影響などアレクサンドロス・ヘレニズム文化研究の現状を総合的に概説した、アレクサンドロスについて知りたいならまず最初に読んでおきたい一冊。非常に面白かった。 ギリシア文化とオリエント文化という東西融合によってヘレニズム文化が誕生した、という通説に疑問を呈し、従来のヘレニズム文化観がギリシア中心主義的偏見に基づくものであり、東西融合ではなく様々な文化や民族の交流による多元的な特徴を備えていたことをあきらかにする。例えば従来ヘレニズム文化の代表とされるガンダーラ美術も、ギリシアだけでなくローマ・イランの美術の様式と技法が使われており、ギリシアよりむしろ

    「アレクサンドロスの征服と神話 (興亡の世界史)」森谷 公俊 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
    kousyou
    kousyou 2014/08/12
    ブログの過去記事です。
  • 「東南アジア 多文明世界の発見 (興亡の世界史)」石澤 良昭 著

    東南アジアの歴史に対しては茫洋としていていまひとつ捉えどころがないイメージを感じてきた。目を閉じてみる。茫洋とした海原を越えた先に燦然と輝くアンコール・ワットが浮かんだかと思えば、すぐにヴァスコ・ダ・ガマらポルトガル人が押し寄せ、商人と海賊とが交錯するうちにポルトガルやオランダ、イギリスの植民地と化して、東南アジアの現地の人々の営みはすぐにイメージから消え去っていく。そのあとに浮びあがるのは二十世紀の苛酷な内戦と独裁と戦争、そして二十一世紀の目を見張る経済成長の姿だ。特に十五世紀以前の東南アジア地域のイメージは殆どないと言っていい。 近くて遠い東南アジアの歴史はどのようなものだったのか。著者は東南アジアの歴史を、古代から中世、中世から近世、近世から近代というような、直線的な『進歩と発展をともなう歴史展開ではな』(P29)く、『いうなれば「自己充実史」であり、「精神文化深化史」ではないだろう

    「東南アジア 多文明世界の発見 (興亡の世界史)」石澤 良昭 著
    kousyou
    kousyou 2014/05/24
    ブログ更新しています。自己充実史としての東南アジア史をアンコール朝を中心に描いた本の紹介です。記事ではアンコール朝の司法制度についても簡単に紹介してます。
  • 「古代オリエントの宗教」青木 健 著

    タイトルからだとキリスト教以前の古代オリエントの諸宗教についての解説と思うかもしれないが、そうではなく、古代オリエントの諸宗教が二~三世紀以降のキリスト教の拡大に対して、聖書ストーリーの受容とアナザーストーリー・サブストーリーの展開という切り口でどのように変化していったかを概観した。 取りあげられるのは、一世紀後半から二世紀にかけて登場したメソポタミアのグノーシス主義宗教のひとつマンダ教、三世紀に同じくメソポタミア南部で登場し西アジアから地中海、ローマ帝国まで広がったマーニー教(マニ教)、四~五世紀にアルメニアで誕生しローマ帝国で熱心に信仰されたミトラ信仰、そして、ペルシア帝国の国教ゾロアスター教については三~八世紀の一神教的なゾロアスター教ズルヴァーン主義時代と九~十三世紀の二元論的ゾロアスター教時代との二期に分けてその変容が描かれ、八世紀~十世紀にかけて登場するイスラームのグノーシス

    「古代オリエントの宗教」青木 健 著
    kousyou
    kousyou 2014/01/31
    マンダ教はイラク周辺ということもあって現状の信者数や信仰の状態など分からないことが多いそうですね
  • kousyoublog.jp – このドメインはお名前.comで取得されています。

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  • 「中国論」の論じ方 - 梶ピエールのブログ

    人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 子安宣邦氏の『日人は中国をどう語ってきたか』は、日思想史研究の重鎮が、明治以来の日の知識人による中国論の丹念な読み直しを通じて、「日思想にとっての中国」とはどういったものか、そしてそれが欠落させてきたものは何か、をあぶり出そうとする力作である。著者が中国研究の「外部」の人間であるだけに、「内部」にいる中国研究者にとってはむしろ盲点になるような、鋭い問題提起を展開したものとして読んだ。 こので批判されている中国論は、二つの類型にわけることができるだろう。一つ目は内藤湖南に代表されるもので、中国をスタティックな文化論の観点から「他者」として語るものである。この議論は、その「冷たさ」の面、中国の動

    「中国論」の論じ方 - 梶ピエールのブログ
  • はてなブログ | 無料ブログを作成しよう

    我が家のダグウッド ダグウッドとはハナミズキのことである。昔、日からポトマックリバーの桜の苗木を送った返礼として、アメリカから送られて来たのが日での始まりで、アメリカ原産でアメリカヤマボウシともいうらしい。 最近では日でも、あちこちで、街路樹であったり、庭木であっ…

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  • 『国家と歴史-戦後日本と歴史問題』波多野澄雄(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 2001年から06年の首相在職中、毎年靖国神社に参拝し、内外で物議を醸した小泉純一郎も、ちょうど小学校時代と重なる大学新入生にとっては「過去」の人で、説明をしなければならなくなった。なぜ日は「戦後」という過去を、現代の問題として引きずりつづけなければならないのか、書は学生に説明するいい教材になる。日の学生などの若者にとって、すでに「終わった」はずの過去にこだわる人びと、とくに日中戦争とは無縁のはずの自分たちと同世代の中国人の「反日」が理解できない。書を読めば、その理由もわかるだろう。 その理由のひとつは、国家間で解決済みの問題も個人の問題としては残っているからである。書の帯の裏には、「国家間の問題から個人補償へ」の見出しのもとに、つぎのようにまとめられた文章が載っている。「アジア・太平洋戦争の「清算」は、一九五一年締結のサンフランシスコ講和を始めとする一連の

    『国家と歴史-戦後日本と歴史問題』波多野澄雄(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記

    強烈なノンフィクションを読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い

    禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記
    kousyou
    kousyou 2010/08/23
    これ、前々から読みたいと思っていた。
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