公開日: 2012/09/11 : 最終更新日:2014/02/08 カテゴリー:歴史・宗教 タグ:文学, 日本史, 明治, 江戸時代, 物語, 近世, 近代 テレビドラマなどでもお馴染み水戸黄門こと徳川光圀が助さん格さんほかお供の者を引き連れてお忍びの諸国漫遊に出て、旅先で悪代官などを倒していく、という多くの人が知る水戸黄門漫遊物語は、実は成立がはっきりしていない。金 文京著「水戸黄門「漫遊」考 (講談社学術文庫)」ではその水戸黄門物語の成立過程について考察されている。そもそも実在の徳川光圀はその生涯において旅らしい旅をしたことがない、およそ水戸と江戸の往復、あと祖母が建立した寺院がある鎌倉を何度か訪れた程度でしかなかった。だが光圀に代わって多くの家臣が旅に出ている。光圀は歴史書「大日本史」編纂のため儒者を集めて彰考館を設立したが、その史料収集のため多くの儒者を諸国に使わせた。その諸国