2010年10月03日 大正9年の議会の姿 『愚物多き 帝国議会の内面』 『愚物多き 帝国議会の内面』 森蒼太郎 (大京堂書店:大正9年) 三五判、68頁、定価20銭 以前のエントリーで紹介した、戦前のルポライター、森蒼太郎の書籍を新たに数冊入手した。 今回紹介するのは〈密封叢書〉の1 冊で、この叢書はその名の通り、本をハトロン紙に密封した形で販売された。残念ながらその袋は付いてなかったので、左の写真は中身のみ。タイトルが無いのは、袋に書いてあったためだろうか? この本が書かれた大正9 年はちょうど1920 年、後に 「ローリング・トゥエンティーズ」 と呼ばれることとなる、狂乱の時代の幕開けとなった年にあたる。 この年にどんなことが起きたかといえば、まず1 月に国際連盟が成立し、ヴェルサイユ条約により第一次世界大戦が終結。アメリカでは禁酒法が施行され、国内では第一次世界大戦の戦後恐慌が起