「ツンデレ」と呼ばれる概念が、インターネットでのスラングを起源として、ここ数年、一般社会にも浸透しつつある。サブカルチャー作品においてツンデレは既に欠くことのできない存在となっていると言っていいだろう。 ツンデレ属性を持つキャラクターは特徴的な言葉づかいをすることが多い。本発表では諸概念を規定した上で、マンガなどの諸資料を対象として、ツンデレの言葉づかいのパターンを分類・分析していく。そして、特定の言葉づかいとの結びつきが何故発生するのかを問題の出発点として、意味論的・語用論的側面から検討する。以下の三つの表現を中心に取り上げる (a)「べ、別に」のような、“発話のつっかえ” (b)「心配なんかしてないんだからね」のような、“のだ+から”形 (c)「行ってあげてもいいわよ」のような、“てあげる”形と“てもいい”形 これらの表現は、容易に特定の人物像を想起させる「ツンデレ表現」と位置付けられ