もの書きが、「創作活動に勤しむ」などと紹介されることがあります。 「創作」ということばには、「それまでになかったものを初めてつくりだす」という意味がふくまれています。また、辞書を引くと、もととなる材料があるうえで文章をつくる翻訳などに対する作業として、「作家の主体的創造力によって作品をつくりだすこと」という意味もあるようです。 「創作活動に勤しむ」とはよく聞きますが、「それまでになかったものを初めてつくりだす」ということは、そうかんたんなことではありません。 たとえば、もの書きが随筆を書かなければならないという場合を考えてみます。 随筆の主題を考えるとき、多くはどこかで耳にしたり目にしたりして得た知識や情報のなかから「あの話おもしろかったよな」と思うものを「主題にしよう」と考えるわけです。つまり、それまでになかった主題を初めてつくりだすのでなく、すでにだれかには知られている題材をとりあげる