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§ 不条理と文学に関するakihiko810のブックマーク (7)

  • 新訳でびっくり。カフカ『変身』の主人公は、本当に「毒虫」に変身したのか - エキレビ!(2/3)

    “グレゴール・ザムザがある朝のこと、複数の夢の反乱の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっていることに気がついた。” 岩波文庫、山下肇訳とくらべてみよう。 “ある朝、グレゴール・ザムザがなにか胸騒ぎのする夢からさめると、ベットのなかの自分が一匹のばかでかい毒虫に変わってしまっているのに気がついた。” 「毒虫」の部分は、原書では「Ungeziefer」という単語にあたる。 「ウンゲツィーファー(Ungeziefer)」を辞書で引くと「害獣」という訳語が出てくる。 虫だけではなく、ネズミや、ばい菌なども含む「害のある小動物」で、まあ、主に「虫」というイメージの単語のようだ。 ザムザが変身してしまった虫は、小説の中では毒を持っている描写はない。 「毒虫」という訳は、「害」の部分のインパクトを強くうち出した

    新訳でびっくり。カフカ『変身』の主人公は、本当に「毒虫」に変身したのか - エキレビ!(2/3)
  • カフカ “城” - three million cheers.

    “Das Schloss” 1922 Franz Kafka ASIN:4102071024 [概要] 不条理文学の代表格とされている。 たしかに、設定された状況は奇妙。 仕事の依頼を受け、とある村にたどり着く測量士K。しかし到着してからすぐに、あらゆる物事が思うように進まなくなっていく。びっしりとはりめぐらされた不可解な規範に、ことごとく動きを絡み取られる。規範の中心には「城」を基盤とする茫漠とした官僚機構があるらしいのだが、Kと城の間には幾重もの見えない障壁が立ちはだかり、城は彼の存在を無視し続ける。したがって、いつまでたっても測量の仕事にとりかかることができない。それどころか、寝泊まりする場所を確保することすら困難になっていく。そうこうしてるうちに酒場の娘と結婚の約束をして一緒に生活を始めたり、別の娘と深い話をして同情を覚えたり。揺れ動きながら、さまざまな村人と交流していく。そんなな

    カフカ “城” - three million cheers.
  • ベックのカフカ批判 - Arisanのノート

    きのうの記事のなかで、エヴリン・T・ベックという有名なカフカ研究者のインタビューが、粉川哲夫著『カフカと情報化社会』というに収められていることに触れた。 カフカと情報化社会 [ 粉川哲夫 ] ジャンル: ・雑誌・コミック > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 3,132円 このは、いまあいにく手元にない(ちょっと入手しにくいと思う)のだが、数年前これを読んだ時に、詳細なノートをとっていた。主眼は、ベックによる鋭利なカフカ批判の紹介である。現在の社会に問いかける迫力を持ってると思う。 一方、ぼくの感想は、今読んでも、そう悪くないというか、今よりちゃんとしたことを書いてる部分もあるほどなので、ほとんど修正せずに、そのまま下に載せようと思う。 ぼくがカフカを擁護してるのは、自分を擁護したい気持ちからでもあるのだろう。また断罪に同意してるのも、同じことである。 だがまた、12月6日付けの

    ベックのカフカ批判 - Arisanのノート
  • アルベール・カミュ『異邦人』書評 - 徒然なる備忘録

    異邦人 (新潮文庫) 作者: カミュ,窪田啓作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1963/07/02メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 167回この商品を含むブログ (412件) を見る こないだ、自分と同じく多少「活字中毒気味」な人たちと朝まで飲んでいたのだけど、その中の一人が アルベール・カミュ『異邦人』 のことを話題に出してきた。 自分が『異邦人』やら『ペスト』やらを読んだのは大学1〜2年生くらいのことで、もうあまり内容を覚えていなかったものだから、その彼に「あれは傑作です。今日帰ったら再読して下さい」と言われた。 そういう意味では影響されやすい自分は、蔵書の山の中からすでに持っている薄っぺらい文庫1冊を見つけ出すのが面倒で、近くの書店で早速もう1冊買ってくる。 その彼は、『異邦人』の最大の魅力は、「何を言っても無駄という状況でのあきらめの美学」だと言った。さて、読んでみた

    アルベール・カミュ『異邦人』書評 - 徒然なる備忘録
  • 文学館? ザムザ!!

    夏目漱石 吾輩は毒虫である。名はザムザという。なんでこうなったのか頓と見当がつかぬ。何かしら不安な夢を見ていた気がするが、夢とは動物の体をかくも変化せしめる程のエネルギーを持っていたかしらん。腹にうじゃうじゃついている足が気色悪いのだがそれを舐める舌もない。あれほど好きな毛繕いももう出来ぬのだろうか。今の現実こそこれ悪夢である。主人が吾輩を見れば何と言うだろうか、「ごろごろ虫みたいに寝転がってるから、当に虫になりおった」主人が吾輩の姿を見る時は吾輩が家で休息しておる時か、珍しく躁の気が消え落ちついて外界を見ることが出来るようになった時である。したがって吾輩の外での勇猛果敢なる活躍や、疳の虫が爆発した主人の目に止まらぬよう家を駈け回る敏捷な姿を主人は目にしていないのである。いつもごろごろなどとは腹立たしい。最もまだそう言うと決まったわけではないのだが。あの主人なら巨大な毒虫がかつての愛

    akihiko810
    akihiko810 2011/09/24
    カフカの「変身」
  • カフカ翻訳異文 その2 - qfwfqの水に流して Una pietra sopra

    さて、光文社古典新訳文庫の『変身/掟の前で 他2編』を読んで当にびっくりしたのは、訳者あとがきに指摘されていた次のような事実であった。 光文社文庫収録の短篇「判決」に、こういう箇所がある。 「ぼくはほんとうに幸せだ。そして、君との関係もちょっと変化した。といっても、君にとってごくありきたりな友人ではなく、幸せな友人になったということにすぎないのだが。いや、それだけじゃない。婚約者が君によろしくと言っている。」(14ページ) これは主人公のゲオルク・ベンデマンが友人にフリーダとの婚約を報告する手紙の一節だが、これを池内紀さんは白水社版カフカ小説全集4『変身ほか』でこう訳している。 「ぼくは幸せだ。だからといって君との友情に変わりはない。彼女は君によろしくと言っている。」(42ページ) 「判決」はカフカが生前に出版された小説であるから、テクストは確定されており、どのエディションでもほとんど異

    カフカ翻訳異文 その2 - qfwfqの水に流して Una pietra sopra
  • 「松尾スズキスペシャルインタビュー 考えてる事を全てぶつけなきゃいかんと思った(1/5)」 スペシャルインタビュー | Excite : エキサイト ブックス

    松尾スズキ (まつお・すずき) まつお・すずき 1962年福岡県北九州市生まれ。1988年「大人計画」を「絶妙な関係」で旗揚げ。最近では「業音」(2002年)「ニンゲン御破産」(2003年)「ドライブイン カリフォルニア」(2004年/1996年作品の再演)を次々と上演する他、コニカミノルタCM、漫画原作(作画:山直樹/「IKKI」連載「破戒〜ユリ・ゲラーさん、あなたの顔はいいかげん忘れてしました〜」)、映画「恋の門」監督・脚・出演、多数の雑誌連載などなど、当は何人いるんだ!? と聞きたくなるほどの活躍。 MatsuoSuzuki Offcial Web Site 大人計画公式サイト 恋の門公式サイト 『宗教が往く』(マガジンハウス 2004年) まず「小説の前に」と名づけられた松尾スズキ自身が登場する壮絶な愛の物語から始まり、巨大な頭をしたフクスケの波乱に満ちた人生

    akihiko810
    akihiko810 2008/09/12
    傑作大長編小説『宗教が往く』のとき。業界的には<文学畑ではない>マガジンハウスから刊行されたからから?豊崎由美くらいしか言及してなかったと思う。
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