INUのフロントマンから芥川賞作家へ 町田康のパンク・スピリット
町田 康 (1962~) 作家・パンクロッカー。 1981年、パンクバンド「INU」のボーカリスト「町田町蔵」としてデビューし、アルバム『メシ喰うな!』を発表。INU解散後も様々なバンドで音楽活動を続ける傍ら、本名の「町田康」として1996年に処女小説『くっすん大黒』を発表。2000年、『きれぎれ』で第123回芥川賞受賞。以後は主に作家として活動し著書多数。現在はバンド「汝、我が民に非ズ」のボーカルとしても活動。 私の精神的ヒーロー、町田康に光栄にも話を聞くことができた。今まで幾度となく聞いた歌声や、夢中で読んだ数々の文章の出処であるひとと机を挟んで座り話を聞く、というのは現実感が無く奇妙なことだった。自らの体験や考えを見ず知らずの大学生に笑いを交えて語ってくれる彼はあくまで柔和かつ軽快だった。だからこの人も年を取ったのだな、と不遜にも思ってしまうことがあった。しかし、我々の質問に答えるふ
■芥川賞の反響 山下:さすが芥川賞。突如そうなるかと。びっくりしましたね 町田:具体的には?女性誌のグラビアとか?(笑) 山下:僕の同級生とかがわかってなかったんですよね。僕が小説書いてるって。 又吉:町田さんの時も反響あったんですか 町田:ミュージシャンというのが珍しかった。なんで?ていう疑問ていうか半分、怒ってはるんですね(笑)又吉さんの時もそうやと思うんですけど 又吉:なぜ芸人がっていう 町田:理解できないことに対して怒るという。 ■異文化から来た作家/なぜやるのか、書くのか 又吉:ミュージシャンやってて小説書いた時に「飛び越える」意識って 町田:いや、共通してるって、僕は勝手に思ってるんですけど 又吉;僕もあまりないんですよね 山下:小説ぐらい書こうやっていう 町田:その問いをもうちょっと深めて、本当の意味は何か。同じ問いで言うと「なぜ演劇をするのか」ってことになると思うんですよ。
ヨガとは“つながり”の事。偏食系主婦が好きなこと、見聞したこと、感じことを、様々な方向に繋げていく記録ノート。 先日発見した、コンサートや映画の半券と共に、こんなものが出てきた。 1994年、中沢新一原作、監督山本政志、町田町蔵主演で製作されていた映画『熊楠』は、完成半ばにして資金難となり、募金を求めていた。当時私も心ばかりの募金をして、送られてきたのが、南方熊楠役・町蔵の写真が刷り込まれたこのチラシと、映画公開時にチケットとして使えるという「製作協力券」。結局あの映画はどうなったの?とWikipediaで調べたら、あっさり「製作資金不足で中止」とあった。あーあ、勿体無い。キャストは町蔵の他に、渡辺哲、室井滋、泉谷しげるに間寛平等の名前が、あー、勿体無い。音楽は近藤等則、って勿体無い。と、今更吠えても仕方ないんだけどさ、、。 <チケットにはならなかった「製作協力券」> 町蔵の名前にピンと来
80年代の邦楽ロックカルチャーについて、当時のメディアを手がけたキーマンや、その時期に青春をすごしたミュージシャンたちのインタビュー証言を中心に、各シーンに詳しい音楽ライターから寄稿されたレビューも収録したムック本『私たちが熱狂した 80年代ジャパニーズロック』が、12月14日に辰巳出版より発刊される。 インタビュー企画には、仲井戸麗市(RCサクセション)、町田康やケラリーノ・サンドロヴィッチ、梶原徹也(ex.ザ・ブルーハーツ)、寺田恵子(SHOW-YA) 、杏子といったミュージシャンのほか、田口トモロヲ、角田光代などの文化人、さらには森川欣信(オフィス オーガスタ代表取締役)、道下善之(ソニー・ミュージックアーティスツ)などの音楽業界関係者が登場。同書の編集を担当したのは、リアルサウンド編集部のある株式会社blueprintで、小野島大や中込智子、兵庫慎司、市川哲史、ふくりゅう、冬将軍と
1979年2月、元・セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスが死去した。 そのひと月あまり前、日本にひとつのバンドが誕生していた。 そのバンドの名を“INU(イヌ)”という。 当時、十七歳の高校生だった町田町蔵をヴォーカルとして結成されたパンクバンドである。 INUは80年代J-PUNKのひとつの原点であった。 少なくとも私は80年代J-PUNKを象徴するバンドは?と問われればまづINUを挙げる。 INUをもってJ-PUNKの元祖だとみなす声もあるが、勿論それ以前にも日本にパンクバンドはいたし、同時代にも多くパンクバンドは存在する。 日本のパンクの淵源は70年代前半に求めることができる。 それは村八分、頭脳警察、外道といったバンドたちだ。 これらのバンドは当時パンクと名乗っていたわけではないが、十二分にパンク要素の強いバンドであった。 なにより、反体制であり過激だった。 思想の面でいうならば
クリスマスによりにもよって町田かよ、と言う一冊。特に気にしてはいません。帯に騙された口です。今回の帯はわたしはなにも呪えなかった! 収録されているのは、「けものがれ、俺らの猿と」と「屈辱ポンチ」。「けものがれ」の方がかなり長い。つーか映画になってたんだね。永瀬正敏と鳥肌実で。鳥肌実って。しかし確かに田島役ははまってるかもしれないなあ。 「もっと人生を有意義に生きたい」と言う理由で突然妻がイギリスへ留学してしまって以来ぱったり仕事の来なくなってしまったシナリオ作家が、椿山と言う奇怪な老プロデューサーに持ち込まれた映画の企画に奔走するうち、突然自警団に拉致監禁暴行されたり、暴動に巻き込まれたり、建設途中で放棄された大仏を観に行かされたり、ちょっとおかしい男に軟禁されたりと畳み掛けるように事態は悪い方へ悪い方へ進行し、いつの間にか、長いプログラムを書いていてちょっとしたミスで永久ループに陥ってし
Apr2 町田さんコメント(言うたまま) カテゴリ:イベント・お笑い・コント ★友達がABCお笑いグランプリでのアジアンに対する町田康さんのコメントを文字に起こしてくれたので、せっかくなので載せておきます。(ど さん、ありがと!) ★『大変素晴らしかったと思います。どこが素晴らしかったかと言うと、非常に言いたい事はいっぱいあるんですけども、しぼって言いますと、言葉だけで加速していってるところが素晴らしいと思います。言葉の加速感、言葉だけでドライブしてるところが素晴らしいなと。つまりその、キャラクターとかそうゆうことじゃはなくて、言葉が言葉を呼んでいってる、言葉によって次の言葉が生まれてくる、その言葉を言うことによってまたひとつの言葉が生まれてくる、それが前に言った言葉に繋がって、円になって面白い。とっても面白かったです。』 ★司会の人とか、ちょっとポカーンとしてましたが、町田さんの真摯なコ
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20090319/1237467483 因みに、以前も書いたのだが、「ヤンキー」という言葉は私の中では日本語というよりは関西弁で*1、未だに馴染めないところがある。殆ど淘汰されてしまった感のあるツッパリという言葉の方がまだしっくりと来るということはある。 さて、 ふと、初期のサザンオールスターズはヤンキー臭くないの?という気がした。本人達が青学出身ということで、ヤンキー文化ではなくサーファー文化?ということになっているのだろうか。桑田圭祐の声を初めて聴いた時、「ヤンキーくせえ!」と思ったのだが。歌詞だってあれですよ、バイクの後ろに女乗っけて海連れてってやっちゃうみたいな歌詞です。桑田佳祐が「サーファー文化」との関係を否定していることについては、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080928/1
売れないアイドルも9年続けるといろいろ不思議なことがあるもので、この度、なぜか、かねてからファンである作家の町田康さんの新刊エッセー『猫とあほんだら』(講談社)についてインタビューをすることに! 緊張で頭が真っ白になった私は、取材前に編集とカメラマンを集めて言いました。 「いいですか、町田さんのエッセー『実録・外道の条件』(角川書店)によると、町田さんは段取りの悪い現場と礼儀知らずなライターが大嫌いと見え、写真を撮られることに関しても『こんなことをしなければ飯を食っていかれないというのは、まことにもって情けない』と書かれています!」 緊張をほぐすには風邪と同様に他人に伝染すのが一番と考え、わざと脅すような箇所を引用してみたわけですが、特に自分の緊張がほぐれることはなく、むしろ同じく町田さんのファンである編集とカメラマンが「ヒッ」と悲鳴を上げ、全員がより緊張しただけでした。不安が隠せない我々
安政四年、河内国石川郡赤阪村字水分の百姓城戸平次の長男として出生した熊太郎は気弱で鈍くさい子供であったが長ずるにつれて手のつけられない乱暴者となり、明治二十年、三十歳を過ぎる頃には、飲酒、賭博、婦女に身を持ち崩す、完全な無頼者と成り果てていた。 父母の寵愛を一身に享けて育ちながらなんでそんなことになってしまったのか。 あかんではないか。 町田康の長編小説「告白」の冒頭です。 客観的な事実の描写の後の、唐突な「あかんではないか」という主観の乱入。 この箇所で、わたしは「告白」が類い稀な傑作であることを確信しました。 「あかんではないか」、この一言に「告白」のすべてが集約されている予感がしました。 文章を書く場合、文体は重要な問題です。 何を書くのかとどのように書くのかは、同等の重さを持っていて、その文章を決定づけます。 「告白」が傑作であるのは、まずもってその文体が個性的で
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