イラストでサクサク覚える東大生の元素ノート 著者: 東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST 著 出版者: すばる舎 コンテンツタイプ:電子書籍(フィックス)
2022年8月15日付で、雑誌”Journal of the Japanese and International Economies”の66巻に、香港科技大学の川口康平氏と東京大学の金澤匡剛氏による共著論文“Displacement effects of public libraries”の最終公開版(Version of Record)がオープンアクセスで掲載されています。 日本において公共図書館での貸出が近隣の書店での同タイトルの書籍の売り上げをどの程度減らすかを論じています。書店の販売データと公共図書館の所蔵データを統合したデータセットを作成し、公共図書館の影響を定量化しています。結果として、ベストセラー本では1か月あたり0.52部、図書館の所蔵が同じ地域の書店の売り上げを置き換えていること等が分かったとしています。 Kawaguchi, Kohei; Kanazawa, Kyog
国立国会図書館デジタルコレクションを使い始めてもう15年になる。昔は牧歌的な時期もあり、面白そうなタイトルを選び、チビチビ楽しみながら読むといった感じであった。ところが国立国会図書館デジタルコレクションが際限なく良くなっていくため、どんどん読み方が変っていった。 今の国立国会図書館デジタルコレクションは便利すぎるため、アクセスする資料の数がものすごいことになってきている。ここ数日のアクセスした資料を抽出してみたら、平均すると1日500あたりで、もう人間の能力では処理できない。 どう読んでいるのかというと、先にブラウザのタブで必要なものが掲載されていそうな資料を10-20程度開いておいて読み進め、必要ならページをめくるとデータを読み込む時間が発生するので、別のタブに移動してまた読むみたいなのを繰り返している。この読み方だと基本的にタイトルや著者といった情報は頭に置かない。データの断片があるだ
テレビ朝日系列で放送されているバラエティ番組『アメトーーク!』にてお笑い芸人の麒麟・川島明がオススメしたことをきっかけに大きな注目を集めている『税金で買った本』。講談社の青年マンガ誌「ヤングマガジン」で連載中の、原作ずいの、漫画系山商作による、お仕事ものの図書館マンガだ。 「図書館から借りた本が破れた場合、利用者がセロテープで勝手に修復して返却してはダメ」といった一般人にはあまり知られていない「図書館あるある」を描いた作品だが、図書館サイドからはいったいどう見えているのか。 市役所勤務から図書館業界に入って鹿嶋市と塩尻市にて図書館長を務め、『行政マンとして図書館員が忘れていること』などの著作を持つ内野安彦と、ピッツバーグ大学で図書館・情報学修士号を取得し、公共図書館運営のアドバイザリー業務や大学で司書課程の講師を務め、『ライブラリアンのためのスタイリング入門』を著した広瀬容子に訊いた。 図
国立国会図書館デジタルコレクションは最高である。 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い まずは遊んでみる 使いまくりたくなったら準備しておくと効率が良い 無料でできる 検索演算子だけ覚えておく 国立国会図書館デジタルコレクションの使い方を知っておく 国立国会図書館オンラインに登録しておく メモ環境を作る 有料でできる パソコンを用意する できれば良い椅子とモニタがあったほうがいい 速度を意識して使う 速くなるとどうなるのか そこに全てはない ものすごいものをどうでもいいことに使うということ 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い。 dl.ndl.go.jp 「国立国会図書館デジタルコレクション」では著作権など権利状況に問題がないことが確認できた約36万点の資料が無料で公開されており、ようするに古い本が無限に読めるサービスだ。
先日来ネットで大きな話題になっているのが、国立国会図書館の所有する約153万点の資料が、オンラインで閲覧可能になったことです。これまでであれば、国立国会図書館に直接足を運ぶか、あるいは公共図書館などに出向かなければ閲覧できなかった資料が、自宅のPCやスマホから見られるという画期的なサービスです。 特に今回公開された資料は、雑誌が過半数にあたる約82万点を占めるなど、一般の人にとっても比較的とっつきやすいのが特徴です。これらは興味のある単語でキーワード検索をするとヒットするという、ウェブ検索に近い使い方ができます。初めてインターネットで検索した時に経験した、どんな記事が見つかるか分からないワクワク感がそこにあります。 今回は、この「国立国会図書館デジタルコレクション」の「個人向けデジタル化資料送信サービス」を利用するための手続きを紹介するとともに、おすすめの検索方法や、具体的なキーワードにつ
※書名(タイトル)や出版社などで検索できます。語句をスペースで区切ると掛け合わせ検索ができます。 「図書」「雑誌」「音響」「映像」のみを探したいときは、□にチェックを入れてください。
宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日本十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊本屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルの本を渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに
Published 2022/01/16 16:59 (JST) Updated 2022/01/16 17:17 (JST) 絶版本など入手困難となっている貴重な書籍や資料をインターネットで閲覧できるサービスが、5月から国立国会図書館のウェブサイトで始まる。現在は同館や他の図書館に足を運ばねばならないが、自宅のパソコンやタブレット端末でも見られるようになる。 国会図書館が保有する「入手困難資料」のうち、電子データ化が済んだものが対象。漫画や商業雑誌などは除外される。本人確認のため身分証明書を示し、個人として同館の利用登録をすることが必要となる。サービス開始当初は閲覧機能しかないが、不正コピー対策を講じた上で来年1月には印刷できるようにする予定。
7月17日に公開される映画「パブリック 図書館の奇跡」を見る機会がありましたので、その感想を書こうと思います。この映画の監督であり主演でもあるエミリオ・エステベスは公共図書館がいかなるものかよく理解していると思います。そして見る側も公共図書館について、多少は知っておいた方が面白さが増すでしょう。 この映画はホームレスと図書館がテーマです。映画に登場する公共図書館はオハイオ州にあるシンシナティ・ハミルトン郡公共図書館。本館は全米2位の大きさを誇ります。ただし、映画はフィクションです。寒波が襲来し、何人ものホームレスが亡くなります。そこでホームレスたちは公共図書館に立てこもります。図書館のスーパーバイザーを務める主人公のスチュアートは彼らのために尽力します。なぜならば彼もまたかつてはホームレスであり、図書館に救われた過去を持つからです。こうして、ホームレスと主人公ら図書館員と警察とののっぴきな
小林昌樹(図書館情報学研究者) ■「未知文献」を見つける方法がある 見たことも、聞いたこともない本を見つけるなんてことはできるだろうか? そんなことはできないからこそ、本好きは毎日、本屋へ寄ったり、図書館の中をぶらついたりするのではなかったか。学者だって見たことも聞いたこともない本を見つけることはできない。 しかし、あるのだ、そんなワザが――そんなバカなと思うだろうけれど、本当である。というか、アメリカの司書は誰でもこれができる。できるからこそ、司書はアメリカで、学者に準ずる専門家として認知されたのだ。 ○本の中身をコトバに 見たことも、聞いたこともない本とはどんな本だろう。それは、見たことも、聞いたこともないけれど、自分が欲しい、読みたい本のことだろう(図書館学では「未知文献」と呼んだもの)。では自分が読みたいとは何か? こういった感じの本、こういったことがらについての本ということになる
教育に大きな価値を置き、国をあげて生涯学習にも力をいれるフィンランド。公共図書館はすべての国民に無料で開かれ、世界トップクラスの利用率を誇ることでも知られる。2018年に開館したヘルシンキ中央図書館「Oodi」は、国際図書館連盟による『Public Library of the Year 2019』に選出され、建物のデザイン性の高さや豊富なサービス内容によって「世界一の公共図書館」として話題を集めた。 フィンランドに暮らす人々にとって、図書館とはどのような存在なのだろうか? また国は図書館の重要性をどのように位置づけているのか? ヘルシンキに暮らす吉田みのり氏に、パンデミック下の取り組みも交えながら綴ってもらった。 (メイン画像:ヘルシンキ中央図書館 Photo: Kuvio) フィンランド人は世界トップクラスの読書好き。その理由は? 森と湖が豊かな国、フィンランド。「世界幸福度ランキング
トップインタビュー・対談出版社と書店と図書館の共存のために、「文庫本は買うもの」というマインドを【文藝春秋 松井清人社長インタビュー後編】 ———デジタル社会が情報をなんでも無料で提供していることも、文庫本の貸し出しを加速させている要因のひとつかもしれません。 松井清人社長(以下、松井)それも本を買わなくなった人が増えたひとつの原因だと思います。雑誌も漫画も書籍も、無料で読めるコンテンツが増えている中、せめて文庫本ぐらいは買ってもらわないと、本当に本を買う習慣がなくなっていきますから、そこのマインドを変えたいんですよね。 私自身も、本を読む楽しみは子どもの頃に母に連れていってもらった図書館で知りました。読む楽しさを覚えたのは間違いなく図書館なんです。でもそれは小学校低学年ぐらいまでで、小学校高学年から中学にかけては別の興味が出てきましてね。スポーツに打ち込んだり好きな女の子ができたりして、
東京都新宿区の「四谷図書館」で司書を務める、遠藤ひとみさん 図書館が好きで、頻繁に通っているという人であれば、本の貸し出し処理や、問い合わせの対応をしている職員を「司書」と呼ぶことを知っているでしょう。実は、司書の仕事内容は、私たちの想像以上に幅広いようです。 そこで今回は、東京都新宿区にある「四谷図書館」で司書をしている遠藤ひとみさんに、普段のお仕事について詳しくお話を伺いました! ■本の貸し借りだけじゃない。イベントの企画もするのが、司書の仕事 Q1. 普段のお仕事について教えてください。 「私は東京にある図書館で、司書として務めています。私の仕事は、大きく分けて2つあります。1つめの仕事は、『通常業務』と呼ばれる仕事です。カウンターでの貸し借りや、本の予約業務・整理・分類、レファレンス(問い合わせ対応)を行います。レファレンスでは、利用者さんの『タイトルはわからないけど、こんな本を読
週刊文春、週刊現代、an.an、女性自身、ジュノン――コンビニや小さな本屋でも手に入るような雑誌で本棚はぎっしりと埋め尽くされています。その数は約77万冊。 「これでもまだまだ入りきらなくて、雑誌を横置きにしたりして、なんとかスペースを確保していますね」案内していただいた黒沢さんは苦笑まじりに肩をすくめました。 東京都世田谷区、八幡山にある大宅壮一文庫。研究者やマスコミ関係者が多く集まるというこの図書館は一体どのような場所なのでしょうか。 麻薬・不倫問題あると資料の問い合わせ殺到 そもそも、大宅壮一文庫はどういった経緯ではじまった図書館なのか。 今回、お話をうかがった事業課の黒沢岳さんによると、もとは評論家の大宅壮一氏(1900年~1970年)が生前からかき集めていた大量の蔵書を、知人や友人に公開していたのがはじまりだったそうです。 「本人の生前の意向もあって、一般の方でも気軽に利用できる
2003年から始まった指定管理者制度。公共施設の民営化。最近ではCCCの「TSUTAYA図書館」が問題提起となり、業界や地域に波紋を広げている。そんな図書館業界で1979年の創業以来、図書館の本のデータベースを作り続けてきたのが図書館流通センター(TRC)だ。「TRC MARC」と呼ぶそのデータベースは、全国の公共図書館のうち84%で利用されている。 指定管理・業務委託で運営する図書館(以下、受託運営館)も442館を数え、課題となったのが各図書館と本社とのコミュニケーション。その解決策として、2009年に「サイボウズ ガルーン」を導入し、今では図書館同士が自発的にコミュニケーションを取る重要なインフラとなっている。 コミュニケーションの秘訣を、TRC 広報部の尾園清香氏と営業部の徳田良治氏に聞く。 図書のDBを作り続けてきたTRC TRCが創業以来作り続けてきた「TRC MARC(Mach
各地の図書館が、市民から善意で寄せられる「寄贈本」の対応に苦慮している。すでに所蔵しているものと重なったり、古い学術書などは研究が進んで内容が大きく変化したりと、図書館にとって活用しにくいものが多く、実際に棚に並べられるのは1、2割程度。専門家は「寄贈前に図書館にとって必要か考えてほしい」と訴えている。(横山由紀子) ◆蔵書活用2割以下 人口16万人の千葉県浦安市。市立図書館は、中央図書館と分館の計8館あり、年間貸し出し数は約200万冊にのぼる。これは人口1人当たりにすれば約13冊。同規模の自治体の平均の2倍以上で、利用率が高い図書館だ。 それだけに、市民からの本の寄贈も多い。昨年度の寄贈本は1万2760冊。同市立中央図書館の森田正己館長は「せっかく持ってきていただくのだから、どんな内容の本でも受け取っている」と話すが、職員は1冊ずつ、蔵書にふさわしい本かどうかをチェックする作業に追われる
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