(吉田豪)そうなんですよ。で、やり取りのすさまじさ、ちょっと1個だけ読んでみますね。森田芳光さんの『家族ゲーム』の話をしているパートがあるんですけども。 (宇多丸)俺、まだここまで行ってない。 著者と角川春樹のすさまじいやり取り (吉田豪)第3章なんですけども。角川さんの発言です。「森田の才能にびっくりしたのはやはり『家族ゲーム』でした。最終日に有楽町のスバル座で見て、都市生活者の明るさと虚ろさがサリンジャーの『フラニーとゾーイー』みたいだなと」っていうのに対して「『フラニーとゾーイー』はエコとスノッブがはびこる……」みたいな感じで説明して。「角川さんが初めて文庫化しました」まで入れて。で、「『家族ゲーム』を見てサリンジャーが描いたアメリカ東部の大学がある町の住人たちのことを思い出しましたね。それにラストの食卓の横移動には驚きました。私がその後、『天と地と』の撮影を前田米造さんにお願いする