世界的なフィーバーを巻き起こした『イカゲーム』以降、韓国ドラマが注目を浴びているなか、同じくNetflixから「マスターピース」といえるような鮮烈なドラマ作品が、またしても出現してしまった。それが、『マスクガール』である。 過激な描写が大きな原動力だったのは、これまで「韓国映画」の話であり、多くの視聴者に届けるTVドラマはその限りではなかったといえよう。だが『イカゲーム』がそうであるように、配信サービスが登場したことにより、本来のエクストリームな魅力がドラマでも活かされ始めているというのが現状だといえる。映画『藁にもすがる獣たち』(2020年)のキム・ヨンフン監督による本シリーズは、その象徴といえる作品の一つになるだろう。 ここでは、そんな本シリーズ『マスクガール』のどこが優れているのか、テーマや構造を分析することで明らかにしていきたい。 韓国では、「ウェブトゥーン」といわれる、携帯端末な