手足や体をベットなどに縛る「身体拘束」が、10年あまりでほぼ倍増している―厚労省が全国の精神科病院を対象に行った調査で、驚きの事実が明らかになっている。拘束されることで、認知症や精神疾患の患者が心身に大きなダメージを負うこともあるという。暴力が顕著だったり、放っておけば患者の命にまで危険をおよぼす場合などに限り、“必要最小限”認められているはずの手法がなぜ増えているのか―。2025年には、認知症の人の数が700万人に達するといわれる。もはや「身体拘束」は誰もが直面しうる問題だ。現状の問題点と改善への道筋を探る。