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ブックマーク / realsound.jp (1,094)

  • 令和ロマン・髙比良くるま「M-1連覇のチャンスを逃したくない」 放送作家・白武ときおに語った“若き王者の悩み”

    プラットフォームを問わず縦横無尽にコンテンツを生み出し続ける、放送作家・白武ときお。インディペンデントな活動をする人たちと、エンタメ業界における今後の仮説や制作のマイルールなどについて語り合う連載企画「作り方の作り方」。 第十回は、令和ロマン・髙比良くるまが登場。2018年に吉興業の養成所(NSC東京校)を首席で卒業し、相方の松井ケムリと共に魔人無骨としてデビュー。2019年5月に令和ロマンに改名した。2020年に神保町よしもと漫才劇場の所属となり、2023年に『M-1グランプリ』王者となった。 芸人であれば誰もがうらやむほど順調に、スターダムにのしあがってきたかのように見えるが、その裏にはいくつもの葛藤もあった。若くして王者となったがゆえに思いがけず激流に巻き込まれ、思い悩むことも多い。 テレビやYouTube、劇場や地下ライブなど、あらゆる現場を目にしてきた髙比良と白武が、お笑いを始

    令和ロマン・髙比良くるま「M-1連覇のチャンスを逃したくない」 放送作家・白武ときおに語った“若き王者の悩み”
  • 「歌舞伎町はSNSによって熱いコンテンツになってしまった」 佐々木チワワが語る、コロナ前後の歌舞伎町の変化

    「歌舞伎町はSNSによって熱いコンテンツになってしまった」 佐々木チワワが語る、コロナ前後の歌舞伎町の変化 佐々木チワワ『ホスト!立ちんぼ!トー横! オーバードーズな人たち ~慶應女子大生が歌舞伎町で暮らした700日間~』(講談社) 歌舞伎町の社会学を研究する現役女子大生・佐々木チワワ氏による『ホスト!立ちんぼ!トー横! オーバードーズな人たち ~慶應女子大生が歌舞伎町で暮らした700日間~』(講談社)が刊行された。書は、著者の佐々木氏が写真週刊誌『FRIDAY(フライデー)』(講談社)に連載中の『令和4年、歌舞伎町は今……』を書籍化したもの。自らが歌舞伎町にハマりホストに大金をつぎ込んだという佐々木氏にしか描けない“ディープな歌舞伎町”が生々しく記されている。 今回リアルサウンドブックでは、佐々木氏にインタビューを実施。『オーバードーズな人たち』制作の経緯やSNSの普及による水商売・風

    「歌舞伎町はSNSによって熱いコンテンツになってしまった」 佐々木チワワが語る、コロナ前後の歌舞伎町の変化
    akihiko810
    akihiko810 2024/04/01
    『ホスト!立ちんぼ!トー横! オーバードーズな人たち ~慶應女子大生が歌舞伎町で暮らした700日間~』
  • 星街すいせいと『デレステ』コラボはなぜ“異例の事態”と騒がれているのか ゲームとVTuber業界に訪れた「変化」の背景

    ホロライブに所属するVTuber・星街すいせいと音楽ゲームアプリ『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下、『デレステ』)とのコラボ企画が2023年3月11日から4月10日にかけて開催されている。 自身も「アイマスP」(「アイドルマスター」シリーズのファンのこと)であると自称する星街すいせい。VTuberが「アイドルマスター」(アイマス)のゲームに実装されるのは異例の事態だ。 記事は、星街すいせいと『デレステ』コラボの概況について考察し、『アイドルマスター』とVTuberの関係性を明らかにする試みである。 『デレステ』ってそもそもなに? 『デレステ』は、バンダイナムコエンターテインメントがスマートフォン向けに配信する音楽ゲームアプリだ。 プレイヤーは、作中に登場する180人以上のアイドル(キャラクター)たちをプロデュースするプロデューサーとなり、コミュニティを広げ

    星街すいせいと『デレステ』コラボはなぜ“異例の事態”と騒がれているのか ゲームとVTuber業界に訪れた「変化」の背景
  • 名取さなが語る、バーチャルタレント活動の哲学と“メメント・モリ” 「観てくれた人の人生を豊かにしたい」

    名取さなが語る、バーチャルタレント活動の哲学と“メメント・モリ” 「観てくれた人の人生を豊かにしたい」 バーチャルYouTuber(VTuber)をはじめとする、“バーチャルタレント”シーンを様々な視点から見ているクリエイター・文化人に話を聞く連載『Talk About Virtual Talent』。 今回はバーチャルYouTuber(VTuber)が話題になりはじめた2018年から約6年間、個人で活動を続け、今ではグッズやCMへの出演、ショップコラボも行われるほどの人気を集めるタレント・名取さなへインタビュー。 配信でのリスナーとのやりとり、自筆イラストなどを活用したこだわりのコンテンツ、ユニークなMV、物語性の強い表現など、彼女のマルチな活動は目を引くものがある。そんな彼女は今年、音楽ライブに力を入れていくと発表しており、VRライブから生演奏リアルライブまで挑戦していくそうだ。今回、

    名取さなが語る、バーチャルタレント活動の哲学と“メメント・モリ” 「観てくれた人の人生を豊かにしたい」
  • 『映画おしりたんてい』に親子ファンが夢中になる理由 大人も虜にする“こだわり”をPに聞く

    現代の子どもたちの間で、一大ムーブメントを起こしている名探偵がいる。レディーに優しく推理はキレキレ、見た目はおしり……その名も『おしりたんてい』だ。 『おしりたんてい』は2018年からTVアニメシリーズが放送されており、その個性豊かなキャラクターや「しつれいこかせていただきます」という決めゼリフを用いて犯人を追い詰める必殺技が注目を集め、一躍人気アニメとなった。そんな『おしりたんてい』の劇場版長編第二弾『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』が公開中だ。 劇場版では、普段はスマートに事件を解決するおしりたんていが絶体絶命の危機に直面する。さらに、テレビシリーズでお馴染みのキャラクターが意外な場面で活躍するなど、予想外の展開が見どころの一つだ。これらの“いつもとは違う”演出の背景には、どのような意図があるのだろうか。大人をも惹きつける『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり

    『映画おしりたんてい』に親子ファンが夢中になる理由 大人も虜にする“こだわり”をPに聞く
  • 『FF14』など手がける吉田直樹に聞く“ゲーム創作論” 「制約を理解し、ブレイクスルーを作る」ことのおもしろさ

    FF14』など手がける吉田直樹に聞く“ゲーム創作論” 「制約を理解し、ブレイクスルーを作る」ことのおもしろさ リアルサウンドテックの新連載「ゲームクリエイターの創作ファイル」では、“ゲーム作り”にフォーカスしてクリエイターたちにインタビュー。その真髄に迫っていく。 第1回はオンラインRPG『FINAL FANTASY XIV』(FF14)のプロデューサー兼ディレクター(P/D)として知られ、2023年に発売されたアクションRPG『FINAL FANTASY XVI』(FF16)ではプロデューサーを務めた吉田直樹氏に、多忙を極めた日々のエピソードや過去の思い出深い出来事、そしてゲーム作りのおもしろさについて聞いた。 「プロデューサー」と「ディレクター」にもうひとつ「プロデューサー」が乗っかってきた ――『FF14』のP/Dを務めながら、昨年はプロデューサーを務める『FF16』の発売という大

    『FF14』など手がける吉田直樹に聞く“ゲーム創作論” 「制約を理解し、ブレイクスルーを作る」ことのおもしろさ
  • 前川ほまれ × 駒木結衣『藍色時刻の君たちは』対談 「被災地出身の自分にしか書けないこともあるのではないか」

    前川ほまれ『藍色時刻の君たちは』(東京創元社) 現役の看護師でもある作家・前川ほまれの小説『藍色時刻の君たちは』(東京創元社)が、第14回山田風太郎賞を受賞するなど各所から高い評価を得ている。 自身の出身地でもある宮城県の港町を舞台に、ヤングケアラーの高校生3人が2011年の東日大震災に直面する姿と、それから10年余りが過ぎた2022年に彼女/彼らが東京で再会するまでを描いた作品だ。人が人を支えることの難しさと尊さを描き出した内容は、今なお困難の最中にある能登半島の被災地をはじめ、これから起こりうるさまざまな災害に寄り添う意味でも、一つの有意義な視座を与えてくれる作品だ。 リアルサウンド ブックでは、著者と同じく宮城県の港町出身で、現在はウェザーニュース気象キャスター・防災士として活躍する駒木結衣との対談を企画。2011年の東日大震災の発生当時、ちょうど地元を離れていたために津波被害に

    前川ほまれ × 駒木結衣『藍色時刻の君たちは』対談 「被災地出身の自分にしか書けないこともあるのではないか」
  • ウド鈴木 × 伊東友香が語る、詩/短歌の優しい力 「終わりがあるから頑張れるし、周りの人たちへの感謝が生まれる」

    ウド鈴木 × 伊東友香が語る、詩/短歌の優しい力 「終わりがあるから頑張れるし、周りの人たちへの感謝が生まれる」 伊東友香『神さまのいない場所で』(中央公論新社) 何気ない日々の裏にある死という孤独は、生きている以上、誰からも切り離すことはできない。孤独があるからイライラもするし、不確かなものに縋(すが)りたい気持ちにもなる。あえて言葉にはしない人間の醜さや心もとなさを、伊東友香氏の最新詩集『神さまのいない場所で』(中央公論新社)は、日常的な情景とともにニュートラルに表現している。決して他人事とは思えない56篇の詩に、靄がかかっていた自分自身の心のうちが全て明かされたような気になってしまう。 誰もがインスタントに言葉を共有できる現代に、こうも「詩」が響いてくるのはなぜなのか。今回は伊東氏の希望により、昨年刊行された短歌集『ウドの31音』(飯塚書店)が話題となったお笑い芸人・きゃい~んのウド

    ウド鈴木 × 伊東友香が語る、詩/短歌の優しい力 「終わりがあるから頑張れるし、周りの人たちへの感謝が生まれる」
    akihiko810
    akihiko810 2024/03/11
    昨年刊行された短歌集『ウドの31音』(飯塚書店)が話題となったお笑い芸人・きゃい~んのウド鈴木
  • 森泉岳土の本格ミステリ・コミック『佐々々奈々の究明』が面白い  新たな“安楽椅子探偵”の誕生

    かの名探偵シャーロック・ホームズとワトスン博士の例を挙げるまでもなく、古今東西、ミステリの名作にはたいてい魅力的なコンビが登場するものだ。 先月単行が刊行された森泉岳土の『佐々々奈々の究明』(上・下/小学館)もまた、そんな“名コンビ”が活躍する格ミステリ・コミックである。 主人公は、大学生の佐々々流々(さささ・るる)と、その姉でミステリ作家の奈々(なな)。あるとき、ふたりの叔父である八木沼和巳が急逝し、流々は、彼が生前暮らしていた山荘(八木沼荘)を訪れる。そして、ふとした拍子に、8年前に失踪した叔母・アヴィーのことを思い出すのだった。 果たして、叔母は当に失踪したのか、あるいは――。 八木沼荘のある長野の山奥で流々は、失われた記憶を取り戻すため、独自の調査を開始する。やがて姉の奈々が「究明」することになるその事件が、「取りかえしのつかない結末」に辿り着くとも知らずに……。 新たなアー

    森泉岳土の本格ミステリ・コミック『佐々々奈々の究明』が面白い  新たな“安楽椅子探偵”の誕生
  • ムーンライダーズが特異なバンドであり続ける理由 優れたリスナー、先鋭的なディガーとしての鈴木慶一の功績

    ムーンライダーズが特異なバンドであり続ける理由 優れたリスナー、先鋭的なディガーとしての鈴木慶一の功績 ムーンライダーズは、日音楽史において最も特異なバンドの一つである。「現存する日最古のロックバンド」(中心メンバー鈴木慶一が2023年に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した際の贈賞理由に記載)と言われるとおり、長大なキャリアを持っているのだが、その音楽性は作品ごとに異なり、一貫した味わいを保ちながらも得体の知れない広がりを示し続けている。こうした活動が後続に与えた影響も大きい。鈴木慶一ソロのプロデュースも務めた曽我部恵一(サニーデイ・サービス)や、近年のムーンライダーズに参加している佐藤優介(カメラ=万年筆)と澤部渡(スカート)を筆頭に、永井聖一(相対性理論)やアーバンギャルド、ゆるめるモ!や3776、空間現代といった面々も影響を受け、ムーンライダーズのトリビュート盤やリミックス集に参加

    ムーンライダーズが特異なバンドであり続ける理由 優れたリスナー、先鋭的なディガーとしての鈴木慶一の功績
  • 人類学者・ミラと紐解く「バ美肉」の世界 あらゆる人が「理想の自分」になれる時代に感じた可能性

    スイスの人類学者であり、「ミラ」として活動するリュドミラ・ブレディキナ(Liudmila Bredikhina)氏が、「バ美肉(=バーチャル美少女受肉)」に関する論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞した。「バ美肉」に関する研究が学術賞を受賞するのは世界初の快挙であり、2022年のバーチャルに関する動きのなかでも特筆すべきもののひとつだった。 今回はそんなミラに、これまで行なってきた研究の内容や、「バ美肉」に興味を持って研究を始めたきっかけ、バーチャルの姿とジェンダー規範に関する話などを聞いた。 Liudmila Bredikhina ーーまずはミラさんの行っている研究の具体的な分野と内容について教えてください。 ミラ:2021年、私はスイスのジュネーブ大学にてアジア研究の修士号を取得しました。最近「プリ・ジャンル」を受賞した論文は、バ美肉と日の伝統的な演劇

    人類学者・ミラと紐解く「バ美肉」の世界 あらゆる人が「理想の自分」になれる時代に感じた可能性
  • 漫画家、印税では食べていけない?  紙の単行本の発行部数激減が与える深刻さ「まさかこんなに減るとは」

    ■紙の単行の発行部数が減ると? 「出版社から届いた、単行の初版の発行部数を見て衝撃を受けました。たったの3000部って……。前の巻では8000部でしたが、こんなに減らされるとは思いませんでした。これでは生活できません」 こう話すのは、ある大手出版社で漫画を連載している現役の漫画家A氏である。漫画家にとって、“印税”を生み出す単行の発行部数は生命線だ。しかし、その発行部数が急激に減らされる例が目立っているというのだ。紙の単行の急速なシェア縮小などが背景にあるのは間違いない。 「連載作家はアシスタント代などを払うと、原稿料収入は月に数万円しか残らない人もいます。人によっては赤字ということもある。印税を臨時ボーナスと言う人もいますが、それはよほどの売れっ子の話。新人は印税があることでようやくトントンという感じなのですが、ここまで発行部数を減らされてしまうと、とても生活できません」 かつて

    漫画家、印税では食べていけない?  紙の単行本の発行部数激減が与える深刻さ「まさかこんなに減るとは」
  • ラブライブ!、プリキュア手がけるアニメーター・斎藤敦史 キャラを魅力的にするデザイン論

    ■話題作のキャラクターをデザイン 2020年に『ラブライブ!スーパースター!!』のキャラクターデザイナーを担当し、数々のかわいらしいキャラクターを手掛け、その人気を牽引するアニメーターになった斎藤敦史。『ラブライブ!スーパースター!!』は今年10月から、第3期の放映が決まっている。 斎藤は、女児向けアニメの金字塔『プリキュア』シリーズの第20作目として放送された『ひろがるスカイ!プリキュア』でもキャラクターデザインを手がけ、話題を席巻した。そして、今年7月に放送されるアニメ『小市民シリーズ』でも、キャラクターデザインを手掛けることになっている。 まさに、今もっとも旬なアニメーターの一人といえる斎藤に独占インタビュー。新卒で入社した京都アニメーション時代のエピソードから、人気作品のキャラクターデザインの方法論まで、濃密に話を聞いた。 斎藤敦史がキャラクターデザインを手がけた、『ひろがるスカイ

    ラブライブ!、プリキュア手がけるアニメーター・斎藤敦史 キャラを魅力的にするデザイン論
  • 「原稿料だけでは赤字かトントン」続く大手人気漫画雑誌の原稿料提示……現役漫画家はどう見た?

    ■ヤンマガも原稿料を提示 講談社が発行する青年漫画雑誌「週刊ヤングマガジン」が新連載・初掲載された場合の原稿料や連載に関する流れなどを同誌に掲載したことが話題となった。原稿料はモノクロ1ページあたりで1万4300円以上、カラーページでは1ページあたり2万8800円以上(いずれも税込)という。 また、Webコミック配信サイト「ヤンマガWeb」や「月刊ヤングマガジン」、「コミックDAYS」などの原稿料も公開。モノクロ1ページあたりで1万3200円以上、カラーページでは1ページあたり2万6400円以上(いずれも税込)という。また、ヤングマガジン編集部は新連載の実績を主張している。2022年には60作品以上の連載が始まったとのことで、即戦力であればすぐに連載を開始できる旨を強調している。 原稿料を提示する流れが出版界で起こっている。2023年11月1日、集英社が「週刊少年ジャンプ」の原稿料を公開し

    「原稿料だけでは赤字かトントン」続く大手人気漫画雑誌の原稿料提示……現役漫画家はどう見た?
  • 『ゴールデンカムイ』山﨑賢人の“原作通りではない肉体”はなぜリアル? 武道家が解説

    「“不死身の杉元”役は山﨑賢人に決定!」との報を受けた時、「また山﨑賢人……?」と思った人は、怒らないから手を挙げなさい。 怖がらなくても大丈夫。筆者もそう思ったから。 「人気漫画の実写化と言えば山﨑賢人」というイメージが定着して久しい。事実「実写化職人」として、実績を重ねてきた。それでもなお、今作『ゴールデンカムイ』の主人公・杉元佐一役に、山﨑賢人はそぐわない。そう思っていた。 山﨑賢人がハマるのは、「まだ未熟で未完成な主人公」だ。最底辺の身分から武人として成り上がる過程を演じた『キングダム』シリーズの信も、まだ空条承太郎(伊勢谷友介)に貫録負けして見える物語序盤を描いた『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の東方仗助も、その系譜に当てはまる。 一方、今作の主人公・杉元佐一は、物語が始まった時から、すでに「完成している」。最初から、“不死身の杉元”なのだ。 杉元は、人殺

    『ゴールデンカムイ』山﨑賢人の“原作通りではない肉体”はなぜリアル? 武道家が解説
  • 『哀れなるものたち』が映し出す“現在”の問題 奇妙な物語と過激な描写を通して伝えること

    野蛮さと洗練されたセンスという、一見矛盾した要素を併せ持つスタイルが、観る者たちの心をざわつかせ、類まれな知性と才能でアートフィルム界に、その名を刻んできたヨルゴス・ランティモス監督。『ロブスター』(2015年)、『聖なる鹿殺し』(2017年)、『女王陛下のお気に入り』(2018年)と、その手腕はますます冴えを見せ、名だたる映画賞を次々に獲得している。 そして、ついにヴェネチア国際映画祭の最高賞、金獅子賞に輝いたのが、『哀れなるものたち』である。さらにはゴールデングローブ賞でも複数の受賞を果たし、アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞を含む11部門にノミネートされ、これまで以上の快進撃を見せている。それだけでなく、アメリカでの興行収入も好調で、作は、もはやランティモス監督を、アートフィルムの枠を超えた存在に押し上げることとなった。 それもそのはずで、作『哀れなるものたち』には、“

    『哀れなるものたち』が映し出す“現在”の問題 奇妙な物語と過激な描写を通して伝えること
  • 2025年大河ドラマで注目! 歌麿や写楽を売り出した江戸時代の敏腕出版プロデューサー・蔦屋重三郎の編集力

    2025年大河ドラマで注目! 歌麿や写楽を売り出した江戸時代の敏腕出版プロデューサー・蔦屋重三郎の編集力 NHK大河ドラマ『光る君へ』がスタートして早一ヶ月。来年(2025年)は主演:横浜流星、脚:森下佳子の両氏による『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の放送が決定しており、時代は平安から江戸へと移行する。 主人公の蔦屋重三郎(以下:蔦重)は、寛延三年(1750年)生まれ。『浮世絵黄金期』と呼ばれる天明~寛政(1781年~1801年)期の出版界を先導した版元(出版社兼書店)として、また喜多川歌麿と東洲斎写楽という、浮世絵師四天王の内の二人を手がけた名プロデューサーとして知られている(あとの二人は葛飾北斎と歌川広重)。 『吉原細見』の改定で頭角を表す 蔦重は、吉原遊廓(現在の東京都台東区千束四丁目)で生まれた。六歳の時に、両親の離婚によって独り吉原に残され、引手茶屋(遊女を呼んで宴席などを行う茶

    2025年大河ドラマで注目! 歌麿や写楽を売り出した江戸時代の敏腕出版プロデューサー・蔦屋重三郎の編集力
  • クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性

    クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性 前から気になる存在だった音楽家 ミト。クラムボンを筆頭に独自スタイルのベースプレイで魅せる達人としてもリスペクトしているが、それにとどまらないマルチミュージシャン、コンポーザー、プロデューサーとしての活動にも目を見張る。TM NETWORK関連のイベントで嬉々として語る姿を初めて観たときには「あれ!? 意外と近い趣味の方なのかな!?」と意外に思ったものだ。 僕らが愛するEPIC・ソニーはレーベル設立45周年を迎えて、2023年末には『EPIC 45 -The History Is Alive-』という3ディスクで代表曲が全45曲並ぶ、いわばオールタイムベスト盤が発売された。そもそもこうした企画が旧譜のみならず、近年の音源を含めて現在進行形のロックレーベルとして成立できるところがまさにE

    クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性
  • 『傷物語』3部作をなぜいま再構築? プロデューサーに聞く『物語』シリーズの凄さ

    『傷物語』が帰ってきた。西尾維新の小説シリーズを原作に、2016年から2017年にかけて『傷物語Ⅰ〈鉄血編〉』『傷物語II〈熱血編〉』『傷物語III〈冷血編〉』として劇場上映されたアニメを、尾石達也監督が改めて編集し直し、『傷物語-こよみヴァンプ-』として公開。主人公の阿羅々木暦と吸血鬼のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの関係を軸に凝縮されたストーリーを、新録のアフレコや音楽とともに令和の時代に送り出した。3部作をどう変えたのか。それによって何を伝えようとしているのか。『傷物語-こよみヴァンプ-』でプロデューサーを務めるアニプレックスの石川達也に聞いた。(タニグチリウイチ) キスショットと暦の物語として編集 ――どのような経緯から『傷物語』3部作の総集編という企画が立ち上がったのでしょう? 石川達也(以下、石川):2017年に3部作の3目の公開が終わって一段落がつ

    『傷物語』3部作をなぜいま再構築? プロデューサーに聞く『物語』シリーズの凄さ
  • 鈴木涼美が考える、ホストクラブの光と影 「悪者があらゆる側面で“悪者”であるわけではない」

    鈴木涼美『トラディション』(講談社) 話題作を次々と発表する作家・鈴木涼美が、夜の街・新宿歌舞伎町を舞台としたホストクラブ小説『トラディション』(講談社)を上梓した。主人公は、兄が経営するホストクラブの受付として働く「私」。幼馴染でホス狂いとなった「祥子」をはじめ、ホストクラブに入り浸る人々の姿を描くと同時に、夜の街の病院で入院生活を送る「祖母」などとの家族関係にも焦点を当てている。一部の悪質ホストクラブの売掛制度が社会的に問題視され、規制強化の動きが進む昨今だが、なぜ今、ホストクラブを内側から描く小説を執筆したのか。鈴木氏に新宿歌舞伎町のホストクラブ・AWAKEでインタビューをした。(篠原諄也) ーーこの作品の執筆経緯を教えてください。 鈴木:ホストクラブを舞台にした話は昔から書きたいと思っていました。今回はとりあえず第一弾になりましたね。漫画では「明日カノ」(『明日、私は誰かのカノジョ

    鈴木涼美が考える、ホストクラブの光と影 「悪者があらゆる側面で“悪者”であるわけではない」