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ブックマーク / blogs.itmedia.co.jp/natsume (6)

  • 追悼 宮谷一彦:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    追悼 宮谷一彦 宮谷一彦さんが亡くなった。2022年6月28日。心よりご冥福をお祈りいたします。 お会いしたことはない。むしろ遠ざける心理があった。それだけ大きな存在で、厄介な存在でもあったということだろう。 2000年3月「BSマンガ夜話」で、たまたま刊行された宮谷『肉弾時代』を契機に放映することになった。僕はもう自分一人で一時間喋りまくる覚悟で準備を始めたが、どう考えても彼の果たしたことを『肉弾時代』だけで語り切れないと思い、スタッフを通じて宮谷さんにお伺いを立てた。「自分の持っている単行にもなっていないスクラップの作品も含めて、『肉弾時代』以外の作品も触れたいが、お許し願えないか」と。直後、宮谷さんから直接FAXをいただき、「そのほうがありがたい。君とはいずれこうした形で出会えると思っていた」とあった。じつは、大学生の頃僕は宮谷さんに手紙を出しており、その中で彼の作風が変化したこと

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  • 国際マンガ家の困難 田村吉康さんと話して:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    少し前になりますが、田村さんとお会いして、学習院の講義でトークをしてもらいました。そのとき田村さんが、フランスの大手出版から原案者、脚つきのマンガ化を依頼され、その作業工程で山ほどストレスを抱えている話を伺いました。彼はまずフランス側出版社の編集者に「ネーム」を送ってほしいと頼んだそうです。 しかし、マンガ編集者とネームを介して相談し、内容を決定するのは、日独特の作法だと思われます(「ネーム」という工程を言説化して一般化した責任の一端は僕にもあるかも)。ジャンプ出身の田村さんにはそれが当たり前でしょうが、世界的には通じない可能性が高い。むろんラフを介在させるシステムは、ジャンルや出版社などによってありえます。分業で別人がやる場合もあるでしょうし、原作者とラフを介して相談する場合もありえますが、編集者が強い権限をもってラフの段階から内容に介入するのは日ぐらいだろうと思います(むろん例外

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  • 塩川桐子『ふしあな』小池書院:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    塩川桐子『ふしあな』小池書院 http://www.amazon.co.jp/%E3%81%B5%E3%81%97%E3%81%82%E3%81%AA-%E5%A1%A9%E5%B7%9D-%E6%A1%90%E5%AD%90/dp/4862254527 こういうが届いた。裏表紙の帯に「驚いて下さい。史上初、全編、全コマ 浮世絵の漫画です。」とあるが、おいおい、杉浦日向子『二つ枕』という名作を知らんのか、とつい突っ込んでしまった。杉浦さんの『二つ枕』は、春信、歌麿など浮世絵系の画風を一作ごとに変えた絵で連作したもので、言葉なども当時の読物のそれを使った見事なものだった。編集の勇み足かと思うが、マンガ好き(まして浮世絵のマンガという惹句に反応するような)には逆効果もありうるってことですね。 でも、中味は素晴らしかった。絵でいえば、浮世絵をベースにして、来はありえない正面顔、真横顔などの角

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  • 村上もとか『フイチン再見』と松本かつぢ:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    「ビッグコミックオリジナル」に村上もとか『フイチン再見(ツァイチェン)』が連載されています。僕が読んだのは7~8回目ですが、まだ単行は出てません。 舞台は昭和戦前期の東京、主人公は上田トシコ。そう、戦後の少女雑誌連載『フイチンさん』の作者です。『フイチンさん』は、1957~62年、「少女クラブ」に連載されたマンガで、満州を舞台に、超元気で明るい満州人の女の子フイチンさんが主人公でした。おそらく4つ上の姉が読んだか雑誌だと思いますが、僕も読んだ記憶がありますし、好きでした。絵がきちんとしていて、動きがあって、上品なのにお転婆なマンガでした。 上田さんには、一度インタビューをさせていただき(『あっぱれな人々』小学館 2001年 所収「大陸の風を描いた女性マンガ家」)、すでに84歳ながら、とても闊達で、まさにフイチンさんのような方でした(90歳で亡くなられた)。一時満州に住まれ、その経験から

    村上もとか『フイチン再見』と松本かつぢ:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ
    akihiko810
    akihiko810 2015/06/12
    村上もとか  舞台は昭和戦前期の東京 上田としこ「フイチンさん」
  • 宮崎駿『風の谷のナウシカ』マンガ版と「読みにくさ」:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    学習院身体表象の担当ゼミ(批評研究)で、以下のようなレジュメの発表を行いました。 2013.10.2-9 マンガ・アニメーション芸術批評研究(3限) 宮崎駿『風の谷のナウシカ』マンガ版と「読みにくさ」  夏目房之介 ※以下のメモは、今秋提出の当専攻博士課程後期・砂澤雄一の『風の谷のナウシカ』についての博士論文に触発されたものである。 1)『ナウシカ』マンガ版は読みにくいのか? 阿部幸広「究極の、そして最も幸福なアマチュア-マンガ家としての宮崎駿」(「ユリイカ 臨時増刊 宮崎駿の世界」青土社 1997年)をはじめ、『ナウシカ』マンガ版を「読みにくい」とする意見が複数ある。夏目自身は、違和感は多少あるが、それほど読みにくいとは感じていなかったので、少し意外であった。直観的には、宮崎のマンガ観が50年代の読書体験によって形成され、古典的な表現形式を踏襲しているために、現在のマンガ形式になじんだ読

    宮崎駿『風の谷のナウシカ』マンガ版と「読みにくさ」:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ
  • 『のだめカンタービレ』と「キャラ」の現在:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ

    やっぱり、けっこう面白いけどなぁ、テレビ。 オーボエのクロダなんか、かなりイイんじゃないかね。のだめに恋する瞬間なんか笑ってしまったよ。ところで、今日気づいたんだけど「ピンクのモーツァルト」って松田聖子だったっけ? 遅! 先日、前の奥さんの家で6人ほどで話していてテレビ『のだめ』の話になった。前奥さんは、あまりにも無理にマンガを真似た学芸会がシラけて全然ダメな人で、たしかにそういう意見もブログで散見する。でも、今日のハリセンがのだめを片手でポイと持ち上げてピアノに座らせるとこなんか「マンガやってます!」っていうのがおかしかったんだけどな、僕は。のだめの先生だった西村とハリセンもよかったな。ミッチーもそろそろ領発揮するかな。 まずは、この「わざとらしさ」を受け入れるかどうかで賛否両論がくっきり分かれる傾向にあるみたいだ。ひょっとしてリアリズム傾向の受け手に拒絶感が強いんだろうか。 次に、

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