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ブックマーク / realsound.jp (1,094)

  • 重版出来『鬱の本』はどうつくられた? 話題の出版社、点滅社・屋良朝哉「読まれなくても寄り添える本を」

    谷川俊太郎から、豊田道倫、姫乃たまなど、作家やミュージシャンら総勢84人の書き手が「」をテーマにしたエッセイを執筆、それをまとめた『』(点滅社/刊)がヒットしている。1月中旬に出来する第2刷は、初版よりも部数を増しての重版となるそうだ。「」という漢字がインパクト抜群のタイトルだが、「うつ病の治療法が書かれた」ではない。 書の企画・編集を手掛けた点滅社の共同代表・屋良朝哉氏は「自分と同じような屈とした気持ちで生きている人に寄り添いたい思いで、このを作りました」と語る。屋良氏のこだわりは企画から執筆者の選定、の装丁に至るまで、随所に表れている。 強烈なタイトルと豪華な執筆陣に興味を持って手にし、読み進めるとホッとした気持ちになる、そんな一冊を編集した屋良氏に、企画の動機から今後の展望までを語っていただいた。 『』は「ある意味、読まれなくてもいい」 ――『』は直球

    重版出来『鬱の本』はどうつくられた? 話題の出版社、点滅社・屋良朝哉「読まれなくても寄り添える本を」
  • 『あなたがしてくれなくても』最終章突入記念インタビュー ハルノ晴が明かす、エンディングへの葛藤

    夫婦のセックスレスをテーマにした衝撃作『あなたがしてくれなくても』。2023年にTVドラマ化され大きな話題を呼んだ作は、現在では累計1000万部(紙+電子)を突破。そして、昨年11月に発売された最新12巻より、ついに最終章へと突入した。完結に向けて物語が動き出した今、作者・ハルノ晴先生が思うこととは? 共に並走してきた担当編集・小柳氏と共に最終章に至るまでを振り返ってもらった。(ちゃんめい) ※記事は12巻までのネタバレを含みます。ご注意ください。 ハルノ晴『あなたがしてくれなくても(12)』(双葉社) ――最終章に突入した今のお気持ちはいかがですか? ハルノ:最終章に入ったからあとは駆け抜けるだけ…みたいな安心した気持ちは全くなくて、ネームがなかなか通らなくて大変だなという気持ちでいっぱいです(笑)。これまでも何度も何度もストーリーを練り直して、苦戦しながら描いてきたので『あなたがし

    『あなたがしてくれなくても』最終章突入記念インタビュー ハルノ晴が明かす、エンディングへの葛藤
  • 解散したVTuberグループの“その後の物語” 再びスポットを浴びる3人に注目

    VTuber~バーチャルタレントシーンを観測していると、毎日のようにさまざまな個性を持った新人タレントたちのデビューを目の当たりにする。 グループやプロジェクト、事務所といったくくりに目線を広げてみると、にじさんじホロライブ、ぶいすぽっ!、ななしいんく、Neo-Porteなど、シーンをリードする事務所やプロジェクトの活動が目立ちつつも、彼らの轍を追いかけるように新しいプロジェクトがいくつも立ち上がってきている。 そのなかにはうまく運営がつづいているものもあれば、さまざまなトラブルや問題が生じてしまい、活動休止・運営会社の廃業といった結末を迎えてしまったものもある。 運営会社が閉鎖してしまったあとに活動を続けるにしても、活動はタレント当人にすべてがかかる個人としての活動になる。うまくいくかどうかはかなり不安であろう。 そんななか、プロジェクト解散・会社倒産などの憂き目にあっても個人として活

    解散したVTuberグループの“その後の物語” 再びスポットを浴びる3人に注目
  • 星街すいせい、日本の攻略度は「20%くらい」 2024年のさらなる飛躍で誓う“VTuberの認知拡大”

    2023年、VTuberの認知拡大に大きく貢献した星街すいせい。ソロシンガー/Midnight Grand Orchestraのメンバーとして多くの音楽を届け、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」や音楽特番『THE MUSIC DAY 2023』(日テレビ系)への出演。さらに熊で開催されるロックフェス『ASO ROCK FEST FIRE 2023』にてパフォーマンスするなど、VTuberというフィールドを越えてパフォーマンスを届けてきた。 稿では、怒涛だった2023年の活動に対する手応え、新たなフェーズに突入する2024年に向けた意気込みをインタビュー。「ソロではVTuberをもっと広めたいという思いがより強くなっているんですよね」と語った星街すいせいが、次に目指すステージとは。(編集部) VTuberを背負って活動している気持ちに勝手になっている ーー2023

    星街すいせい、日本の攻略度は「20%くらい」 2024年のさらなる飛躍で誓う“VTuberの認知拡大”
  • 制作会社単位で2023年アニメを振り返る 特にすごかった会社を勝手に褒めよう企画

    2023年アニメもそろそろ終わりが見えてきました。今年は1年を通じて大作も意外な伏兵も愛すべき作品も多く、いつにも増して満足度が高い1年だったと感じます。 さて、年末にはさまざまな雑誌やサイト、サービスなどで1年間のアニメを振り返る企画がありますが、今回は制作会社単位で振り返り、特によかった会社を勝手に褒めようという試みです。ただし、MAPPAやWIT STUDIO、A-1 Picturesといった毎年すごい(語彙力!)制作会社は殿堂入りとして選考対象から除外しています。「今年は特にすごかった!」と言える、相撲の三賞における敢闘賞的な意味合いでの企画と捉えていただければ幸いです。 また筆者はアニメ制作に関してはズブの素人であり、あくまでいち視聴者として年間220程度のTVアニメなどを観続けたうえでの感想という前提でご笑覧ください。 動画工房 「動画工房も毎年すごいだろ!」と言う声も聞こえ

    制作会社単位で2023年アニメを振り返る 特にすごかった会社を勝手に褒めよう企画
  • ヒャダイン×光田康典『スーパーマリオ』対談 サントラの緻密な仕掛けからゲーム音楽の変遷まで

    今年4月末に公開されて以降、国内興行収入140億円、総動員数が980万人を突破し、日で公開された洋画アニメ作品歴代2位の興行成績を叩き出した映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。さらに全世界興行収入は13億ドル(約2,039億円)を突破し、歴代興行成績の第17位を記録するなど、まさに歴史に残るメガヒットムービーとなっている。原作である任天堂のゲーム「スーパーマリオ」シリーズへのリスペクトとオマージュがふんだんに込められ、大人から子どもまで存分に楽しめる作だが、そのオリジナルサウンドトラックのCD/LPが8〜9月にかけて発売された。 今回は、数々のポップスからアニメ/ゲーム劇伴までを手がけるヒャダインと、「クロノ・トリガー」や「ゼノブレイド」シリーズをはじめ、『マリオパーティ』でも作曲を担当している光田康典による対談をセッティング。たくさんの仕掛けが詰まった『ザ・スーパーマリオ

    ヒャダイン×光田康典『スーパーマリオ』対談 サントラの緻密な仕掛けからゲーム音楽の変遷まで
  • 追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン

    カッコいいヤツだったな。 モデルのようないわゆるイケメンでもないし、俳優のようにスマートでもない。ちょっと背の痩せっぽちで、何だか迂闊なところもある。けれど、あの嗄れた声で歌い出すと途轍もない存在感を発して聴く者を圧倒する。ロードムービーのようにイメージを飛ばしていく歌詞と切れ味抜群のロックンロールは、空気をビリビリと震わせた。それを極上のバンドのフロントで歌うのだ。カッコいいと言うしかない。チバユウスケは、アーティストというより常にバンドマンだった。 揃いのブラックスーツで、パンクでホットなガレージロックを鳴らしたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下、TMGE)、元BLANKEY JET CITYの照井利幸(Ba)とASSFORTのMASATO(Dr)と組んだROSSO、そして骨太かつメロディアスなロックを貫くThe Birthday。どれも最高のライブバンドだ。

    追悼 チバユウスケ TMGE、The Birthday……鮮烈なロックを追求し続けた極上のフロントマン
  • 東宝はなぜ「シナリオ・センター」の本から学ぶ?  東宝取締役・市川南×著者・新井一樹「いい脚本」のつくり方

    東宝はなぜ「シナリオ・センター」のから学ぶ?  東宝取締役・市川南×著者・新井一樹「いい脚」のつくり方 多くの読者からの反響があり、ベストセラーとなっている『シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日実業出版社) 日随一のシナリオライターの養成スクールとして知られる「シナリオ・センター」。そのノウハウをかみくだいて伝えた『シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日実業出版社)が売れ続けている。脚家や作家を志す人をメイン読者においた同書、実は『ゴジラ -1.0』が大ヒット中の東宝で若手プロデューサー向け勉強会の教科書として使われているという。 日最大手の映画会社が同書から学びとろうとしているものとは? さらに『ゴジラ -1.0』にも垣間見れる、シナリオ・センター式傑作づくりのポイントとコツとは? 東宝取締役で、ゴジラシリーズなどのエンタテインメントユニット映画部長でもある市川

    東宝はなぜ「シナリオ・センター」の本から学ぶ?  東宝取締役・市川南×著者・新井一樹「いい脚本」のつくり方
  • 宮台真司は『サタデー・フィクション』に何を感じたのか? ロウ・イエ監督と考える美学的な生き方

    『サタデー・フィクション』は実に素晴らしい。ただ若い世代には「よくわからない」という人も多いでしょう。歴史を知らないからです。1941年12月8日が真珠湾攻撃、日米開戦の日であることを知らない人も多い。それにも留意して、僕の受け取り方を、「①上海とは何か? ②スパイにとって恋とは何か? ③良い社会で人は幸せか?」に分けて話します。 上海とは何か? 宮台:母ときょうだいは上海フランス租界で生まれ育ちました。母の父が上海自然科学研究所(作がクランクインした場所)の教授でした。また、御両親が蘭心劇場(作の舞台)に勤めていたロウ・イエ監督に似て、僕の母方一族も興行に関わっていました。母の母の父は戦間期の浅草で芝居小屋と映画館を5つ所有し、日で最初の映画雑誌を出しました。 母(1935年生)より少し年長の、SF作家のJ・G・バラード(1930年生)と無呼吸潜水記録保持者のジャック・マイヨール(

    宮台真司は『サタデー・フィクション』に何を感じたのか? ロウ・イエ監督と考える美学的な生き方
  • Re:ゼロ、よう実、たんもし……ヒット作が続々誕生! MF文庫JがKADOKAWAラノベの頂点に立てた理由

    スニーカー文庫や電撃文庫など、幾つものライトノベルレーベルを持つKADOKAWAにあってMF文庫Jが好調だ。2022年のKADOKAWAにおけるライトノベルレーベルで売上げナンバーワンになり、2023年に入っても『このライトノベルがすごい!2024』のベストテンに『死亡遊戯で飯をう。』『ステラ・ステップ』『探偵はもう、死んでいる。』を送り込んで存在感を見せている。MF文庫J好調の理由はどこにあるのか? あなたはいつからMF文庫Jを読み始めたのか。2002年の創刊から21年もの時が経っているレーベルだけに、その答えも様々だろう。TVアニメになって釘宮理恵が演じるルイズの愛らしさで大人気となり、異世界転移・転生がブームとなるきっかけも作ったヤマグチノボル『ゼロの使い魔』を挙げる人が多そうだが、TVアニメ化なら『ゼロの使い魔』より早かった桑島由一『神様家族』を挙げる人もいるかもしれない。 ほか

    Re:ゼロ、よう実、たんもし……ヒット作が続々誕生! MF文庫JがKADOKAWAラノベの頂点に立てた理由
  • 『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬

    山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、今、日で新作ゴジラを作り、打ち勝つことの困難さを思い知らされる。なにせ2023年は、ゴジラの新作が1カ月ばかりの間に5も公開され、日に次々と出現した年として記憶されるからだ。ゴジラが立ち向かわなければならない最強の敵は、ゴジラだ。 ※稿は『ゴジラ-1.0』のネタバレを含みます 日に同時出現したゴジラたち 先陣を切ったのが、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ:オルソ』。これは全編がモノクロに化粧直しされたバージョンで、第1作の『ゴジラ』(1954年)、続編の『ゴジラの逆襲』(1955年)に続く3目の白黒ゴジラ映画の誕生である。〈オルソ〉とは、オルソクロマチックという赤系の色を抑えた階調の白黒になるもので、肌などが陰影豊かになる一方で、青い光などは明るく表現される。『シン・ゴジラ』(2016年)は顔、顔、顔のアップが続き、一方でゴジラが吐くチェレン

    『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬
  • 連続ドラマの脚本家、7割輩出!『 シナリオ・センター式物語のつくり方』著者・新井一樹が教える、人気作家を生み出す秘訣

    現在、連続ドラマが隆盛だ。各民放のテレビ局ではドラマの数が20年の間に倍増しているだけではなく、多くの映像専門チャンネルでも独占配信の話題作がつくられている。ドラマはもちろん映画やアニメ作品でも、欠かせないのが脚である。そんな時流もある中で、一冊の書籍『プロ作家・脚家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日実業出版社)は、創作のメソッドがわかりやすいと評判を呼び、発売後即重版になるなどロングセラーとなっている。 東京・青山にあるシナリオ・センターの外観。現在は受講生が3000人程いる、映画やドテレビ業界では知らぬ人はいないほどの創作家のための養成学校だ。 シナリオ・センターは、1970年に創立された日随一のシナリオライター養成スクールであり、現在では連続ドラマの7割以上をシナリオ・センター出身の脚家が執筆している。また、脚家だけでなく、人気小説家やエッセイ

    連続ドラマの脚本家、7割輩出!『 シナリオ・センター式物語のつくり方』著者・新井一樹が教える、人気作家を生み出す秘訣
  • コア層しか観てない? 日本はまだマシ? MCUの凋落が決定的となった『マーベルズ』興行

    11月第2週の動員ランキングは、『ゴジラ-1.0』が週末3日間で動員35万6000人、興収5億6000万円をあげて2週連続1位を獲得した。公開から10日間の累計動員は135万2200人&興収21億1200万。先週のコラム(『ゴジラ-1.0』、『ゴジラ』史上最高のスタートを記録! ただし不安要素も)では「2週目の週末が正念場となる」としたが、金曜の公開日が祝日と重なっていた前週の土日2日間だけでの比較でいくと約80%の推移ということで、ウィークデイの落ち込みをなんとか週末でリカバーしたかたち。作品の「明解さ」(=わかりやすさ)を踏まえると、情報量がやたら多かった『シン・ゴジラ』ほどのリピーター需要は見込めないだろうというのが自分の分析ではあるが、その分、今後の観客層の広がりに期待したい。 「観客層の広がり」という点で、大きな壁にぶち当たっているのが2位に初登場したMCU映画の最新作『マーベ

    コア層しか観てない? 日本はまだマシ? MCUの凋落が決定的となった『マーベルズ』興行
  • 【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界

    『陋巷に在り』『泣き虫弱虫諸葛孔明』といった、中国に題材を取った小説で知られる作家の酒見賢一が11月7日に死去した。ネットにはまだ59歳だったのかといった驚きや、『泣き虫弱虫諸葛孔明』とTVドラマが放送中の『パリピ孔明』との関係を類推する声がずらりと並んだ。わけてもデビュー作『後宮小説』が、後の『十二国記』や『彩雲国物語』、そしてこちらもTVアニメが放送中の『薬屋のひとりごと』にもたらした影響を問う声が多くあって、中華風のファンタジーやミステリで盛り上がる今の小説状況を、30年も前に拓いた作家として再注目が集まっている。 『後宮小説』は酒見賢一のデビュー作で、1989年に第1回日ファンタジーノベル大賞を受賞して刊行され、第102回直木賞の候補にもなった。「腹上死であった、と記載されている」という驚きの書き出して始まる小説は、そうした死因による皇帝の崩御から始まり、次の皇帝即位に向けて新し

    【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界
  • ライトノベルの人気は本当に衰えたのか? あらゆるジャンルに波及したラノベ的要素を考察

    ライトノベルが人気という。日向夏の『薬屋のひとりごと』がTVアニメとなって話題沸騰中。アネコユサギ『盾の勇者の成り上がり』もTVアニメのSeason3が放送開始となってファンを喜ばせ、いのり。による『私の推しは悪役令嬢』のTVアニメも”悪役令嬢もの”の新機軸として評判を呼んでいる。もっとも、ライトノベルは以前に比べて売れてないといった声もある。いったいどちらなのか? その差はライトノベルをどう見るかといった意識の違いにあるようだ。 11月25日に宝島社から『このライトノベルがすごい!2024』が刊行となる。2023年に話題となったライトノベルを、読者や識者に聞いてランキングにしたもので、文庫部門で衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ』の連覇はあるか、裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか』が巻き返して3度目の1位を獲得するのか、単行部門で香月美夜『好きの下剋上~司書になるためには手段を選んで

    ライトノベルの人気は本当に衰えたのか? あらゆるジャンルに波及したラノベ的要素を考察
  • 『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?

    超能力を持った少女のアーニャ・フォージャーと、1000年を生きるエルフの魔法使いフリーレン、そして後宮で皇帝の妃として生きる玉葉姫と、まるで共通したところのないアニメのキャラクターを、たったひとりで演じている声優が種﨑敦美だ。そのキャリアを振り返ると、実に多彩な役どころを演じてきたことが分かる。どうしてこれほどまでに重用されるのか。ここからどれくらいの名優になっていくのか。これまでの演技や言葉から想像してみた。 アニメファンはいつ、種﨑敦美を意識したのか。12月20日にBlu-rayが発売となる『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』にも登場していたオーボエ奏者の鎧塚みぞれが、主役となった映画『リズと青い鳥』での繊細な演技だった人がいるだろう。『残響のテロル』でいつもいじめられていた三島リサの、怯えて震えるような演技だった人もいるかもしれない。 そうした、ネガティブ感が漂

    『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?
  • 『ダンまち』10周年、大森藤ノインタビュー 「“正しい間違い”が今の重要なキーワード」

    大森藤ノが『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』で第4回GA文庫大賞を受賞し、GA文庫からデビューして2023年で10周年を迎えた。『ダンまち』シリーズは編以外に外伝やスピンオフ作品が登場し、コミカライズやアニメ化もされて大人気作品となっている。シリーズ作品の13カ月連続での刊行という偉業も成し遂げた大森藤ノに、デビューまでの経緯や『ダンまち』に込めた思い、メディアミックスに対する考え方を前後編で聞いた。(タニグチリウイチ) 10年やってきた作家としての経験値を信じて 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』第1巻 ーー2013年に『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』でデビューして、無事にこうして10周年を迎えられたご感想から聞かせてください。 大森藤ノ(以下、大森):デビュー当時は若いといって持てはやされていて、今も若いと思われているんで

    『ダンまち』10周年、大森藤ノインタビュー 「“正しい間違い”が今の重要なキーワード」
  • 歴史小説家・今村翔吾「司馬遼太郎に全面対決を挑む」 初のビジネス書に込めた熱い想い

    2022年に『塞王の楯』で直木三十五賞を受賞した歴史小説家・今村翔吾が、自身初となるビジネス書『教養としての歴史小説』(ダイヤモンド社)を上梓した。教養を高める最も有力な手段は「歴史を学ぶこと」であるとして、歴史小説こそがその最良のテキストであると指南する書。歴史小説家を第一世代から第七世代まで分類して、わかりやすく歴史小説歴史小説家を解説するブックガイド的な側面もありながら、今村翔吾自身の創作論まで明かされており、これから歴史小説に触れる読者にとっても興味深い読み物と言えそうだ。 今村翔吾が書を著した狙いから、現在の歴史小説を取り巻く状況、そして自身の熱い夢についてまで、大いに語ってもらった。(編集部) 歴史小説教養を学ぶ意味 ――執筆だけでも多忙を極める中、今回初のビジネス書『教養としての歴史小説』(ダイヤモンド社)を書かれた理由から、まずは聞かせていただけますか? 今村翔吾(

    歴史小説家・今村翔吾「司馬遼太郎に全面対決を挑む」 初のビジネス書に込めた熱い想い
  • 「漫画を読んでもらうことが優先」放送作家・白武ときお×『少年ジャンプ+』編集長・細野修平が考える“プラットフォームとしての戦略”

    漫画を読んでもらうことが優先」放送作家・白武ときお×『少年ジャンプ+』編集長・細野修平が考える“プラットフォームとしての戦略” いま、エンタメが世の中に溢れすぎている。テレビやラジオはもちろんのこと、YouTubeも成長を続け、Podcastや音声配信アプリも盛り上がりを見せている。コロナ禍をきっかけに、いまではあらゆる公演を自宅で視聴できるようにもなった。では、クリエイターたちはこの群雄割拠の時代と、どのように向き合っているのだろうか? プラットフォームを問わず縦横無尽にコンテンツを生み出し続ける、放送作家・白武ときお。彼が同じようにインディペンデントな活動をする人たちと、エンタメ業界における今後の仮説や制作のマイルールなどについて語り合う連載企画「作り方の作り方」。 第6回は、2017年から『少年ジャンプ+』二代目編集長を務める集英社の細野修平氏が登場。2014年から主にスマートフォ

    「漫画を読んでもらうことが優先」放送作家・白武ときお×『少年ジャンプ+』編集長・細野修平が考える“プラットフォームとしての戦略”
  • 漫画家・今日マチ子、神待ち少女と向き合って考えたこと 「10代の女の子たちが大人と同じように分別がつけられるわけない」

    『センネン画報』(太田出版)『みかこさん』(講談社)など、思春期の少年少女を題材とした作品で知られる漫画家の今日マチ子氏が、「神待ち」の実態と少女たちの孤独の闇を描く問題作『かみまち』(集英社)の上下巻が、8月18日に刊行された。 母親の束縛に耐えられず家出をした高校1年生のウカや、義父から虐待を受けて自分は“泥まみれ”だと苦しむナギサなど、シェルターの「神の家」に集まった4人の家出少女たちの苦しみを、著者ならではの視点で生々しく描写した作は、Webで公開されるや否や大きな反響を呼んだ。 センセーショナルなテーマと向き合うにあたって、著者はなにを想ったのか。今日マチ子氏に話を聞いた。(編集部) 無関係の人間が突っ込んでいくことも必要なのではないか 今日マチ子『かみまち 上』(集英社) ――『かみまち』の主人公・ウカが、過剰な母親の支配から逃れるため、長く編んだみつあみをハサミで切り捨てる

    漫画家・今日マチ子、神待ち少女と向き合って考えたこと 「10代の女の子たちが大人と同じように分別がつけられるわけない」