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  • 『悪は存在しない』濱口竜介監督インタビュー。「どっちとも言えない」という視座を丁寧に描くこと | CINRA

    濱口竜介の監督作『悪は存在しない』は、『ドライブ・マイ・カー』(2021年)で意気投合した音楽家・石橋英子とのコラボレーションによってつくられた。石橋から受けた映像制作のオファーをきっかけに、石橋のライブ用サイレント映像作品『GIFT』とともに生まれた長編映画だ。 長野の自然豊かな町に持ち上がった、グランピング場の建設計画をめぐって展開される物語は、地方と都市、自然と都会という単純な二項対立では割り切れないさまざまな問いを観る者に投げかける。「現実は、我々が思ってるほどはっきりと分かれているわけではない」と語る濱口。むしろその割り切れなさこそが作の核にあったようだ。作家の鈴木みのりが話を聞いた。 予告編でも初めに使われている、『悪は存在しない』のファーストショットに、わたしはとても困惑した。この映画の舞台となる長野県・水挽町(架空の町)にある、山中の林を下から捉えながら進んでいくショット

    『悪は存在しない』濱口竜介監督インタビュー。「どっちとも言えない」という視座を丁寧に描くこと | CINRA
  • Mayaと菅野よう子が名曲“Blue”に込めた、夢と自由への思い。HondaのCMでコラボした2人にインタビュー | CINRA

    Mayaと菅野よう子が名曲“Blue”に込めた、夢と自由への思い。HondaのCMでコラボした2人にインタビュー Hondaの新テレビCMに抜擢され、アニメ『カウボーイビバップ』の最終話ED曲“Blue”を伸びやかに歌い上げた新人アーティストのMaya。去年3月にTikTokに投稿した弾き語り動画が380万回再生超え(※2024年4月時点)を記録するなど世間の注目を集めているが、米国在住の高校生であるほかは、謎に包まれた存在だ。 23年ぶりに再定義された、Hondaのグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams How we move you.」が目指すものを具体化したという今回のCM。“Blue”を作編曲した作曲家の菅野よう子が、25年ぶりに新バージョンをプロデュースしたことでも話題になった。 魂の自由を歌った“Blue”と菅野よう子、そしてこれから世界に翔び立と

    Mayaと菅野よう子が名曲“Blue”に込めた、夢と自由への思い。HondaのCMでコラボした2人にインタビュー | CINRA
  • 私たちは、互いにとって「異人たち」なのか? アンドリュー・ヘイ監督が語る、孤独と痛み、クィアな愛 | CINRA

    を代表する名脚家・山田太一が1987年に発表した長編小説『異人たちとの夏』。2003年に英訳され、世界的に広く読まれているこの名作を、『荒野にて』(2017年)のアンドリュー・ヘイが映画化した。それも、特別にパーソナルなかたちで。 舞台は現代のロンドン。40代の脚家・アダムは、幼いころに両親を交通事故で亡くしてから孤独な生活を送っていた。ある夜、アダム(アンドリュー・スコット)は同じタワーマンションに住む若い青年・ハリー(ポール・メスカル)と出会って恋に落ちる。一方、幼少期を過ごした家を訪れたアダムは、この世を去った当時と同じ姿をした両親と再会。家族との失われた時間を取り戻そうとしながら、アダムはハリーへの愛情を深めていくが、その幸福なひとときは決して長く続かなかった――。 1973年生まれのヘイは、以前から、自らと同じく1980年代に成長したゲイ男性を表現する映画を構想していたと

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  • 坂本龍一 追悼連載vol.10:エレクトロニカの季節——アルヴァ・ノト、フェネスらとの深く、対等な交流 | CINRA

    龍一が発表した数々の音楽作品を紐解く連載「追悼・坂龍一:わたしたちが聴いた音楽とその時代」(記事一覧はこちら)。 第10回の書き手は、Shuta Hiraki名義で音楽制作も行なうライターのよろすず。Alva Noto、Fennesz、クリストファー・ウィリッツ、テイラー・デュプリーとのコラボレーション作品群を2回に分けて取り上げる。 IDM/エレクトロニカを経てより抽象的な電子音楽へと手を伸ばしはじめた2000年代後半、坂龍一は突如、文字どおり「現在進行形の音楽家」として私の前に姿を現した。 以降、リアルタイムでリリースされる作品を中心に、まばらではあるものの氏の作品を聴いてきた今となっても、やはり私にとって坂龍一の音楽として真っ先に聴こえてくるのは、Alva Noto、Fennesz、クリストファー・ウィリッツ、テイラー・デュプリーとのコラボレーション作品におけるピアノであり

    坂本龍一 追悼連載vol.10:エレクトロニカの季節——アルヴァ・ノト、フェネスらとの深く、対等な交流 | CINRA
  • 英国音楽の底流をなすもの。ジャイルス・ピーターソンが語る、UKジャズ、ジャングル新世代の台頭の背景 | CINRA

    近年、新世代のジャングル/ドラムンベースのプロデューサーやDJが注目を集め、UKのジャズシーンは新たな黄金時代を迎えている。その背景にあるものは何なのだろうか。 1980年代後半から90年代初頭、アシッドハウス(※)の熱狂に沸く英国において誕生したジャングル。そしてほぼ時を同じくして成立したアシッドジャズは、DJが主体となった英国のジャズ文化の新局面だった。題に入る前に、この2つの音楽について簡単に振り返る。 ジャングルとは何か。『DUB論(改訳決定版)』(2023年、水声社)のなかでマイケル・ヴィールは、「ジャングル(別称ドラム&ベース)は一九九○年頃にイングランドで発展した、ジャマイカのダブとDJミュージック、イギリスのテクノのハイブリッドだ」と記し、その音楽的特徴を「ダブ(ドラムとベースを強調したミックスとアトモスフェリックなサウンドスケーピング)とヒップホップ(抜粋したブレイクビ

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  • 谷川俊太郎×DECO*27対談 「詩はいつでも歌に憧れてる」 | CINRA

    新年度の幕開けにふさわしい、異色のビッグ対談が実現した。日が世界に誇る現代詩人・谷川俊太郎と、先日全編初音ミクを使用した新作『Conti New』を発表したばかりの気鋭のボーカロイドプロデューサー・DECO*27。年齢差55歳、現代詩とボーカロイドという組み合わせに「?」を思い浮かべる人もいることだろう。しかし、谷川は大の音楽ファンとして知られ、ニコニコ動画への出演経験もあり、初音ミクへの興味も十分。一方のDECO*27も歌詞に対するこだわりはボカロP界隈でもトップクラスで、ミクの声の聴き取りやすさを楽曲の最重要課題とするような言葉の人。実際に対談が始まってみると、あれよあれよと二人の共通点が浮き彫りになって、対談時間はあっという間に過ぎ去っていった。 やはり何より驚くべきは、谷川の若々しい感性。「無邪気」という形容が一番しっくりくるように思うのだが、人間の奥底にある集合的無意識を見つめ

    谷川俊太郎×DECO*27対談 「詩はいつでも歌に憧れてる」 | CINRA
    akihiko810
    akihiko810 2024/04/09
    先日全編初音ミクを使用した新作『Conti New』を発表したばかりの気鋭のボーカロイドプロデューサー・DECO*27
  • 小泉今日子に聞く、対話の心得。「人の言葉で傷つかないし、私も人を傷つけないようにする」 | CINRA

    小泉今日子さんがパーソナリティを務めるSpotifyオリジナルポッドキャスト番組『ホントのコイズミさん』。「」をテーマにさまざまなゲストと語り合っていく人気番組から、書籍シリーズ第3弾が発売された。 今回は、Podcast番組『聞くCINRA』の出張収録として、小泉さんへのインタビューを実施。書籍のテーマになった「Narrative(物語)」という言葉や、社会の変化について思うことを聞いた。収録の内容を編集し、記事でもお届けする。 小泉今日子(こいずみ きょうこ) 神奈川県生まれ。1982年『私の16才』で芸能界デビュー。以降、歌手・俳優として、舞台や映画テレビなど幅広く活躍。2015年より代表を務める「株式会社明後日」では、プロデューサーとして舞台や音楽イベントなどの制作も手掛ける。文筆家としても定評があり、著書に『黄色いマンション 黒い』(スイッチ・パブリッシング/第33回講談社

    小泉今日子に聞く、対話の心得。「人の言葉で傷つかないし、私も人を傷つけないようにする」 | CINRA
  • 『ビニールハウス』主演キム・ソヒョン×イ・ソルヒ監督。「この映画には現在を生きる私たちの姿がある」 | CINRA

    『パラサイト 半地下の家族』(2019年)をはじめ、優れたエンターテイメント性とシリアスな社会性を巧みに両立させる作品群が注目される韓国映画界から、ふたたび新たな野心作が届けられた。 映画『ビニールハウス』は、ソウル郊外のビニールハウスに暮らしている家政婦兼訪問介護士のムンジョンが、勤め先で認知症の老女を世話していたところ、思わぬ悲劇に見舞われる物語。老女の夫が盲目であることから、ムンジョンは事態の隠蔽を試みるが、彼女の運命は坂道を転がり落ちるように取り返しのつかない方向へと向かってゆく……。 予測不能のサスペンススリラーであり、同時に経済格差や介護といった現代の問題にも踏み込んだ作は、『第27回釜山国際映画祭』で3冠を獲得。また、韓国では劇場公開後1週間で観客動員数1万人を突破した。 監督・脚・編集は、作が長編映画デビューとなった1994年生まれの新鋭イ・ソルヒ。自らの家族関係から

    『ビニールハウス』主演キム・ソヒョン×イ・ソルヒ監督。「この映画には現在を生きる私たちの姿がある」 | CINRA
  • 杉咲花×ミヤタ廉×浅田智穂による『52ヘルツのクジラたち』鼎談。トランスジェンダーの表象と、日本映画界の課題 | CINRA

    町田そのこによる同名小説を原作とする映画『52ヘルツのクジラたち』が3月1日、公開された。 親から虐待を受けながら義父の介護を強いられ、自由を奪われた主人公・三島貴瑚(みしま きこ)役を、杉咲花が演じている。そんな貴瑚に手を差しのべ、物語の鍵を握るのがトランスジェンダー男性である「アンさん」こと岡田安吾(志尊淳)だ。 映画やドラマでのトランスジェンダーの描き方をめぐっては、当事者の俳優がキャスティングされる機会が少ないという現状や、非当事者が役を演じることで実像からかけ離れたイメージが広がり、誤った偏見を観客に植え付けてしまうといった問題などが指摘されてきた。当事者の監修やLGBTQ+インクルーシブディレクターが参加した作でも、キャスティングや安吾の描き方をめぐり、さまざまな議論があったという。 作の制作はどのように進められ、どんな話し合いがあったのか。自身の希望で脚打ち合わせにも参

    杉咲花×ミヤタ廉×浅田智穂による『52ヘルツのクジラたち』鼎談。トランスジェンダーの表象と、日本映画界の課題 | CINRA
  • 柴田聡子が話す「奇をてらわない」ことと「現実的に考える」ということ。腰を据えて音楽に対峙する | CINRA

    「これほどぎりぎりまで作業したのは、初めてでした」。7枚目のアルバム『Your Favorite Things』の制作について、柴田聡子はそう話す。 これまでにない試行錯誤を経て生まれたというこのアルバムの話を聞くなかで、パラフレーズしながら繰り返し話されたのは、「奇をてらわない」ということと「現実的に考える」ということ。奇をてらわず、現実的な方法でより力強い夢を見るために、音楽家、そして一人の大人として、自身について省みることや、変わってゆくことに、柴田聡子はいま、格的に腰を据えて対峙しているようだった。 まっすぐで研ぎ澄まされた、けれども肩の力の抜けたこのアルバムが、これまで以上に音楽をつくることに邁進し、真摯に向き合おうとする姿勢から生まれたことが、インタビューを通じて垣間見えた。 ─今回のアルバムは、どんなふうにできあがっていったんですか? 柴田:前作までは自分のもの過ぎて、恥ず

    柴田聡子が話す「奇をてらわない」ことと「現実的に考える」ということ。腰を据えて音楽に対峙する | CINRA
  • 三宅唱監督『夜明けのすべて』インタビュー。「恋愛」ではない人同士のつながり、ふたりを見守る人々 | CINRA

    瀬尾まいこの同名小説を原作とした三宅唱監督の最新作『夜明けのすべて』が、2月9日から公開される。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で共演したSixTONESの松村北斗、上白石萌音が主演を務める作では、重いPMS(月経前症候群)を抱える藤沢さんと、パニック障害を持つ山添くんが同じ職場で働きながら、次第にお互いのことを知り、つながっていく様子が描かれる。第74回ベルリン国際映画祭【フォーラム部門】に正式出品が決定し、世界からも注目を集めている。 三宅監督は「ふたりが魅力的で、そして恋愛で解決する話ではないのがいい」と企画当初から考えていたという。大きなドラマこそないが、観た人の心をたしかに揺さぶるこの作品に秘められたものとはなんなのか。作家の鈴木みのりが、三宅監督へのインタビューを通じて綴る。 雨の降る駅前で、月に一度のPMS(月経前症候群)で苦しむひとりの女性の姿。主人公のひとり藤沢さん(上白

    三宅唱監督『夜明けのすべて』インタビュー。「恋愛」ではない人同士のつながり、ふたりを見守る人々 | CINRA
  • 『セクシー田中さん』問題から考える、映像化のトラブルと作家の権利を代弁する「出版エージェント」の必要性 | CINRA

    『砂時計』や『セクシー田中さん』などで知られる漫画家・芦原妃名子さんが、1月29日に遺体で発見された。生前、『セクシー田中さん』の実写ドラマ制作をめぐりトラブルが起きていたことが明らかになっており、原作者が亡くなってしまうという事態に、悲しみの声が広がっている。 『キャラクターとは何か』や『戦争はいかに「マンガ」を変えるか:アメリカンコミックスの変貌』などの著者で、漫画業界の事情に詳しいフリーライターの小田切博氏が、この問題が浮きぼりにした漫画などの映像化の現状、そして出版エージェントの必要性について綴る。 2024年1月29日、漫画家の芦原妃名子氏が遺体で発見されたことが報じられた。 亡くなる直前、芦原氏はXや自身のブログでベリーダンスをモチーフにした最新作『セクシー田中さん』(小学館刊)の実写ドラマについて、最終2話の脚を自ら執筆した経緯を説明する声明を発表していた。それ以前にドラマ

    『セクシー田中さん』問題から考える、映像化のトラブルと作家の権利を代弁する「出版エージェント」の必要性 | CINRA
  • 『哀れなるものたち』が描く「無垢」な女性の知的探究と性的探究、世界改革のために思考し続けること | CINRA

    『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、グラスゴーの作家アラスター・グレイによる小説映画化した『哀れなるものたち』。自ら命を絶つも、天才外科医の手で生まれたての女性として蘇生したベラの成長物語というファンタジー作品ながら、彼女の探究の旅は現実と地続きだ。広い世界を知り、自らの知的欲求やセクシュアリティを追究していく彼女の姿が、現代の観客に手渡すものとは。映画文筆家の児玉美月がレビューする。 ※記事には映画『哀れなるものたち』編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承ください。 2023年、グレタ・ガーウィグによる『バービー』が世界興行収入10億ドルを超え、単独女性監督作品として史上初となる記録を樹立した。ヨルゴス・ランティモスによる新作『哀れなるものたち』は、ルックや設定、時代や国などあらゆる要素が違うにもかかわらず多くを共有す

    『哀れなるものたち』が描く「無垢」な女性の知的探究と性的探究、世界改革のために思考し続けること | CINRA
  • 比嘉愛未が『作りたい女と食べたい女』から受け取ったこと。「傷ついたりストレスを抱えたりする人が少しでもいなくなった方がいい」 | CINRA

    ゆざきさかおみ原作のNHK夜ドラ『作りたい女とべたい女』シーズン2が、1月29日から放送される。料理好きだが少の野さんが、同じマンションに住むべることが大好きな女性・春日さんに出会い、美味しい事をとおして関係を深めていく物語だ。 シーズン1の終盤で春日さんへの恋心に気づいた野さん。シーズン2では新しいキャラクターも登場し、2人の関係がより発展していく。撮影前にジェンダーやセクシュアリティに関する講習も受けたという野さん役の比嘉愛未に、作品から受け取ったことについて聞いた。 ―NHKの夜ドラ枠として初めての続編となります。いま撮影中とのことですが、どう感じていらっしゃいますか? 比嘉:すごく光栄なことだと思っています。でも、シーズン1の撮影は2022年10月ごろだったんですが、撮影が終わったあとも私のなかでは『つくたべ』の野さんと春日さんはどこかで生きているという感覚だったん

    比嘉愛未が『作りたい女と食べたい女』から受け取ったこと。「傷ついたりストレスを抱えたりする人が少しでもいなくなった方がいい」 | CINRA
  • なぜギリシャの鬼才監督は『哀れなるものたち』を映画化した?奇書と称される原作小説との比較から探る | CINRA

    映画『哀れなるものたち』は、『第80回ヴェネツィア国際映画祭』金獅子賞(最高賞)に輝くなど高い評価を得ている話題作だ。2024年3月に発表される米『アカデミー賞』でも複数部門のノミネートが期待されている。 『クルエラ』(2021年)のエマ・ストーン、『アベンジャーズ』シリーズのマーク・ラファロ、名優ウィレム・デフォーら豪華キャストを率いたのは、ギリシャ出身の鬼才監督ヨルゴス・ランティモス。『女王陛下のお気に入り』(2018年)や『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017年)などを手がけ、ダークで難解な作風と強烈な作家性、そして作品の確かな完成度で、目利きの批評家や観客から熱狂的な支持を受けている。 作はランティモスにとって初めての「原作つき作品」となった。スコットランドの奇才、アラスター・グレイが1992年に発表した原作小説は、奇妙かつ複雑な構成と文脈がうねうね

    なぜギリシャの鬼才監督は『哀れなるものたち』を映画化した?奇書と称される原作小説との比較から探る | CINRA
  • 佐久間宣行に聞く、地上波で流せないコント番組『インシデンツ』の挑戦。「自分が最前線の視聴者」でいる意味 | CINRA

    ―シーズン1作目とは異なる完全新作ということで、今回はまったく異なるストーリーになっています。シーズンものだと続編にしたり、前作とストーリーを関連づけたりすることもできると思うのですが、なぜまったく違う話にしたのでしょうか? 佐久間:2作目はとにかく1作目とはまったく違うことをやろうと思っていました。もともと『インシデンツ』自体が見ていて驚くような構成の企画なので、1と同じことをやっちゃうと魅力が半減してしまうなと思いました。ストーリーとしては1と関係なく、2から見ても楽しめる。むしろ2から見てもらっても良い、みたいな内容にしようと思っていましたね。 1作目は、コントは劇中劇で、ドラマ全体としては笑いを禁じられた国になっていくというストーリーがある話だったんですが、今回も危険なことはたくさんあるけれども、とにかく6話を通して楽しいコントドラマをつくることを目指しました。だから出演者もすごく

    佐久間宣行に聞く、地上波で流せないコント番組『インシデンツ』の挑戦。「自分が最前線の視聴者」でいる意味 | CINRA
  • 松本大洋「漫画を嫌になりたくなくて」。メール取材で明かす『東京ヒゴロ』でも描いた創作の苦悩と喜び | CINRA

    『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『Sunny』『ルーヴルの』など数々の名作を世に送り出し、多くの漫画家やクリエイターに影響も与えてきた松大洋。そんな松の最新作『東京ヒゴロ』が、2023年10月発売の第3巻で完結を迎えた。主人公である50代の漫画編集者を中心に、創作への葛藤や情熱を抱えたさまざまな漫画家と編集者の「漫画愛」「創作の哲学」を描いた作。 松大洋は、なぜいま、漫画家として35年以上ものキャリアを重ねてきたなかで、自身の職である「漫画」を真正面から題材に選んだのだろうか。作に通じる松自身の「漫画」に対する愛情・創作論・哲学……なども探りたく、メールで取材を依頼したところ、12個の質問に対してテキストで想いを綴ってくれた。 「漫画を好きかどうかもわからなくなりそうで、つらかった時期もあった」と明かしてくれた松が、それでも漫画の創作を続けられた理由とは? 稿では、松

    松本大洋「漫画を嫌になりたくなくて」。メール取材で明かす『東京ヒゴロ』でも描いた創作の苦悩と喜び | CINRA
  • ​​アジカンが振り返って語る、15年前の激動期。「こんがらがってる俺たち」が、中年になって気づいたこと | CINRA

    ​​アジカンが振り返って語る、15年前の激動期。「こんがらがってる俺たち」が、中年になって気づいたこと ASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)が2008年に発表した『サーフ ブンガク カマクラ』はバンドの転機ともいうべき重要作であった。 2004年に発表した『ソルファ』がチャート1位を獲得したものの、状況の変化によって生まれたプレッシャーは相当なもので、後藤正文が自身のインナーワールドを描いた『ファンクラブ』(2006年)を経て、バンドは自らのスタジオでさらなる音楽的な高みを目指してセッションを続けた。その成果が2008年発表の傑作『ワールド ワールド ワールド』であり、アウトテイク集の『未だ見ぬ明日に』(2008年)だった。 しかし、濃密なセッションの日々にバンドは疲弊。そんな状況を一旦リセットするべく、自らの原点であるWeezerの“Surf Wax Ame

    ​​アジカンが振り返って語る、15年前の激動期。「こんがらがってる俺たち」が、中年になって気づいたこと | CINRA
  • 【前編】ヤマシタトモコ×岩川ありさが語る「物語の力」:『違国日記』のフェアさ、社会と物語の関わり | CINRA

    漫画小説映画やドラマ──さまざまな「物語」が私たちの日常を彩り、ときに新たな気づきを与えてくれたり、ときに怒りの原動力となったり、その存在は多くの人にとって欠かせないだろう。 現代日文学を中心に、クィア批評とトラウマ研究をしている岩川ありささん。2022年に刊行した『物語とトラウマ: クィア・フェミニズム批評の可能性』(青土社)で「トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか」という問いから現代小説を丁寧に読み解き、物語の必要性について切実な言葉で語る。 「物語に居場所を見つける」「物語に救われる」という感覚──ヤマシタトモコさんによる漫画『違国日記』(FEEL COMICS swing、祥伝社)でも、物語の力を信じる少女小説家と彼女らから言葉を受け取る少女たちが描かれる。 今回はそんなふたりを迎えて「物語が持つ力」をテーマに対談を実施。

    【前編】ヤマシタトモコ×岩川ありさが語る「物語の力」:『違国日記』のフェアさ、社会と物語の関わり | CINRA
  • 成長しないし、人も救わない魔女にすると決めていた。柚木麻子『マリはすてきじゃない魔女』インタビュー | CINRA

    小説家・柚木麻子による初の児童書『マリはすてきじゃない魔女』(エトセトラブックス)が刊行された。 主人公は、魔法の覚えが早く、大きなパワーを持つ魔女の女の子、マリ。マリが暮らす町には魔法を人間のために使い、人々の役に立つ「すてきな魔女」がたくさんいるが、マリがしたいことは少し違う。お腹いっぱいドーナツをべるためにドーナツを巨大化させたり、みんなから注目されるために髪や目の色を気まぐれに変えてみたり……自分のためだけに、魔法を使うことだ。 怠け者で、いい子でもなくて、成長もしない。そんな「すてきじゃない魔女」を書きたかったと柚木は言う。作の執筆に込めた思いを聞いた。 ―『マリはすてきじゃない魔女』は柚木さんにとって初めての児童小説となりますが、まずは執筆された経緯と、魔女をテーマにされた理由を聞かせてください。 柚木:エトセトラブックスの松尾亜紀子さんと以前からお付き合いがあったんですが

    成長しないし、人も救わない魔女にすると決めていた。柚木麻子『マリはすてきじゃない魔女』インタビュー | CINRA