江戸商人たちが築いた「江戸しぐさ」に学び、 共生文化を実現し、「安心な社会づくり、豊かな人づくり」を目指します。 商人たちは、いかにして抱負、経綸を深め、人生哲学を深めていったのか。本題に戻ろう。 すでに見た時代の変化の中で、商人は自分たちに対する世間の批判に正面から取り組まざるをえなかった。大商人を中心に、自分たちはどう生きるべきか、目覚めるのは当然といえば当然だった。 実は寛政の改革よりはるか前、自分たちのあり方に心した人たちがいた。まず、着目すべきなのは石田梅岩(1685-1744)である。丹波、今の亀岡の農家に生まれた。 11歳で呉服屋に奉公、いったんは故郷に戻った。23歳で再び奉公に出ている。 梅岩が生まれ育った時期は元禄時代の繁栄から崩壊、そして再建の時期に当たる。そうした時代の空気が梅岩にどのような影響をもたらしたのか。ここが勘所である。 京都の借家で、無料講座をはじめたのは