米国でここ数年、言語をめぐる怪しげな変化が起きている。中国政府肝いりの中国語の教育機関「孔子学院」が全米各地に進出しているというのだ。すでに設置個所は80カ所を超え、中国語を第2外国語に選択する中高生は過去8年間で5倍以上に増えたという。日本の自民党が大学受験資格に英語運用能力テスト「TOEFL」を導入を検討するのは、国際社会で通用する言語が英語だからだ。経済成長を背景に世界の資源を買いあらす中国だが、次は「ことば」でも世界を侵略しようとするのか。(篠田丈晴)悩む英語教師たち「生徒が減って、中国語に…」 「私たち英語教師は、10年後の生活を心配しています。世界中で英語を学ぶ人が減り、替わって中国語を学ぶ人が増えると考えているからです」 米サンフランシスコにある民間の語学学校で英語を学んでいた2007年、1人の英語教師がこう話しかけてきた。当時は実感が湧かず、受け流していたのだが、今思えば切