【ワシントン=中島健太郎】米大統領選で共和党候補指名を争う5氏によるテレビ討論会が16日、南部サウスカロライナ州で開かれた。 21日に予備選が行われる同州は保守的な共和党支持者が多いとされ、候補の多くが安全保障問題でタカ派の主張を繰り広げた。 アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの最高指導者オマル師がパキスタンに潜伏していた場合の対応を問われ、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)は、「タリバンは米国人を殺している。我々は世界中のどこにでも行き、彼らを殺す」と主張した。 ニュート・ギングリッチ元下院議長(68)は、サウスカロライナ州と縁が深い第7代のジャクソン大統領に触れ、「13歳で独立戦争を戦った彼は、米国の敵について明快な考えを持っていた。『殺せ』ということだ」と言い切り、会場から大きな拍手がわいた。 一方、「小さな政府」の推進から在外米軍撤退を主張するロン・ポール下院議員(7
「職員が悪者にされるのでは」「発信力は魅力」。大阪維新の会が圧勝した大阪ダブル選から一夜明けた28日、橋下徹・新市長(42)を迎える大阪市役所では、登庁した職員らが不安と期待の入り交じった複雑な表情を見せた。 「(選挙結果という)民意を無視する職員は市役所から去ってもらう」「補助金や職員の給与体系を徹底的に見直す」。橋下新市長は27日夜、当選後の記者会見で宣言。ダブル選の旗印に掲げた大阪都構想は市役所を解体する改革とあって、職員らは戦々恐々だ。 「大阪市の職員は悪、というイメージを持っているように思う。市のこれまでの行革努力もわかってくれると期待したいが…」。ある職員は、橋下氏への不安を漏らす。市幹部は「橋下さんの近くで仕える気はない。早く(人事異動で)どこかへ飛ばしてほしい」とつぶやいた。 橋下氏の発信力に期待する声も。ある中堅幹部は、全国の市町村で生活保護費受給者が最も多い現状に関し、
【カイロ=長谷川由紀】アラブ連盟(22か国・機構)は2日、反政府デモに対する弾圧を続けるシリアのアサド政権が、暴力停止や反体制派との対話などを盛り込んだ調停案を受諾したと発表した。 しかし、反体制派には「政権側の時間稼ぎ」といった懐疑的な見方が強く、事態収拾につながるかどうかは不透明だ。 調停案は、〈1〉戦車や治安部隊の市街地からの撤収〈2〉反政府デモに関与したとして拘束された市民の釈放〈3〉2週間以内に反体制派との対話開始――が柱。 しかし、AFP通信が人権団体の話として伝えたところによると、シリア中部ホムスでは3日も当局の弾圧で3人が死亡するなど、国内の緊張は続いている。 チュニジアなどに触発されて今年3月に始まったシリアの反政府デモでは、当局の弾圧で3000人以上が死亡したとされる。政権側は、反体制派との対話姿勢も示してきたが、その意図を疑問視する反体制派はアサド大統領退陣を
仙台市の「八木山動物公園」(太白区)に、ジャイアントパンダがやってくる可能性が出てきた。 被災地の子どもたちに元気になってもらおうと、市が中国側にパンダのつがいの貸与を要請していることが17日明らかになった。子どもたちや地元の商工関係者たちは、人気者の来訪に夢を膨らませるが、実現には費用負担などの課題も残る。 奥山恵美子市長によると、中国側へパンダの貸与を要請したのは今年9月。奥山市長が東京の中国大使館を訪れ、程永華大使と会談した際、パンダ2頭の貸与を希望していることを伝えたという。 奥山市長は17日、記者団に「本当にパンダが来ることになれば、子どもたちも勇気づけられ、喜びも大きい」と語った。 宮城県南三陸町を視察中だった程大使は同日、佐藤仁町長からパンダ貸与が実現するよう協力を求められると、「実現できるように努力をしたい。ささやかながらその力になれれば」と語った。 ハードルとなるのが、
放射性セシウムを含んだ汚泥焼却灰などの埋め立てが行われている中央防波堤外側埋立地(12日、読売ヘリから)=上甲鉄撮影 東京湾にある都の「中央防波堤埋め立て地」に、東京23区外の汚泥焼却灰が埋め立てられることになった。 放射性物質が検出され、周辺自治体の同意が得られず処分できなくなっている多摩地区の焼却灰約2500トンについても受け入れが始まる。 地元自治体の大田区が12日、処分に同意すると発表したため。同埋め立て地はゴミの最終処分場で、23区内から出た1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下の汚泥焼却灰を1日100トンのペースで埋め立てているが、23区外の汚泥焼却灰は受け入れてこなかった。 都が受け入れを表明している宮城、岩手両県の震災がれき計約50万トンも、焼却などの中間処理をした後、同埋め立て地で最終処分される見通しという。
4か月連続で200万人を上回った生活保護受給者。今年に入って59年ぶりに大台を突破した背景には、働くことが可能な世代の受給者の急増があり、そこには、ひとたび生活保護を受けると泥沼に沈むように働く意欲を失ってしまう受給者の姿も浮かぶ。全国最多の約15万人の受給者を抱える大阪市で、現状を探った。(鈴木隆弘、梶多恵子) 午前8時半。開庁時間を迎えた大阪市西成区役所に、長い列が吸い込まれていった。 月1度の生活保護費の支給日だった9月30日、現金支給を受けに来た約200人で、3、4階の窓口前は満員電車並みに混雑し、「1列に並んで下さい」と職員が大声で呼び掛けて回る。同区は人口約12万人のほぼ4人に1人が受給者。市内24区の中で、群を抜く。 午前9時のチャイムと同時に受給者は一斉に窓口に押し寄せ、職員から茶封筒を受け取る。その多くは50~60歳代の男性だが、若年層もちらほらだがいる。 Tシャツにジー
大分県由布市湯布院町で10日に行われた「由布院牛喰(く)い絶叫大会」で、最初に見本を示した同市区選出の近藤和義県議(77)が「セシウム牛はいりません」と叫んだ。 福島県から大分県に避難してきた被災者は「失礼な発言」と憤っている。 近藤県議は4期目で、県畜産協会長。同県議によると、大会冒頭のあいさつ後、見本として「セシウムで汚染されたわらを食べた牛の被害が広がっている。由布院の牛肉は汚染のわらを食べていないので安全だ」と絶叫。一呼吸置き、「セシウム牛はいりません」と声を張り上げたという。 近藤県議は読売新聞の取材に対し、「国の対応のまずさを批判する内容だった。被災地の農家や牛を差別したのではない」と説明した。 福島県いわき市から大分市に避難している男性(70)は「福島の牛肉が受け入れてもらえないのはつらい。現地で生活を立て直そうとしている人に失礼な発言」と怒っていた。 広瀬勝貞・同県知事は1
平野復興相は14日、読売新聞などとのインタビューで、菅首相の進退問題について「こういうものにエネルギーを取られる状況はできるだけ早く解消しないといけない。首相もしかるべき行動を取るのではないか」と述べ、早期退陣が必要だとの考えを表明した。 平野氏は「国会でも『いつ辞めるか』という議論になっていること自体、異常な事態だ。首相もきちんと頭の中に入っていると思う」との見方を示した。 東日本大震災からの復旧・復興については「首相が邪魔になるとしても進めないといけない。(2011年度)第3次補正予算案もできるだけ早く出すのが基本だ」と述べ、首相の進退にかかわらず作業を進める方針を明らかにした。 また、7月中にまとめる復興基本方針に関し、復興財源に充てる臨時増税の税目は盛り込まれないとの見通しを示し、「8月以降の議論ではないか」と語った。
大阪府の橋下徹知事は1日、府庁で報道陣に「電力使用のピーク時対応は家庭やオフィスのエアコン節電でやるので、産業界や中小企業は過度な節電をする必要はない」と述べ、産業界の「反節電」を訴えた。 府は同日、府内の大手・中小企業など約2000社に対し、「事業活動に影響を及ぼすような節電はお願いしない」とするメールを配信した。メールは「橋下知事からのメッセージ」として、府のホームページでも公表している。
東京都大田区の下水処理施設内の空気中から、毎時約2・7マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されていたことが、都の調査で分かった。 計画的避難区域の福島県飯舘村の放射線量と同程度で、文部科学省によると、都内でこれほどの放射線量が検出されたのは初めて。放射性物質を含む汚泥の影響とみられるが、都は「検出場所は屋内。敷地の境界では問題なく、誤解を招く恐れがある」とし、調査結果を公表していなかった。 都によると、この施設は都下水道局の「南部スラッジプラント」で、都内2か所の下水処理場で発生した汚泥を集めて焼却し、灰を東京湾に埋め立てるなどしている。都の5月の調査では、この施設の焼却灰から1キロ・グラム当たり1万540ベクレルの放射性セシウムを検出していた。
【ワシントン=山田哲朗】日本政府が福島第一原発事故について、「国際原子力事象評価尺度(INES)」の暫定評価を「レベル7」に引き上げたことについて、海外ではこれを当然と考える専門家が多い。 米紙ニューヨーク・タイムズは12日、「これだけの量の放射性物質が放出されたことを公的に認めるまで、1か月もかかったのは驚き」とする米国の原発危機管理専門家マイケル・フリードランダー氏のコメントを紹介した。同原発で計七つの原子炉と使用済み核燃料プールのトラブルが同時進行していることを深刻視する専門家も多い。 一方で、チェルノブイリと同一視はできないとの指摘もある。米サンディエゴ州立大のマレー・ジェネックス准教授はロイター通信に対し、「福島第一原発では炉心の封じ込め機能が維持されている」と強調、炉心がむき出しになったチェルノブイリの水準には達していないとの見解を示した。
東京都知事選で260万票余りを獲得し、4選を果たした石原慎太郎知事(78)は、当選から一夜明けた11日、選挙期間中と同じ防災服姿で登庁し、引き続き東日本大震災の被災地支援などにあたる姿勢を示した。 午前10時過ぎ、敬礼しながら都庁に入ってきた石原知事は、「政府は着替えちゃったけど、まだそんな心境じゃない。原発のらちもあかないのに、よく背広とネクタイしてられるね」と民主党政権にチクリ。 統一地方選前半戦での同党の敗北について、「しょうがないでしょうね。未熟な人たちの集まりだから」と続けた。「パチンコなんてあんまり高尚な遊びと思わないが、電力を消費しているのは滑稽。社会全体で反省したほうがいいんじゃないか」と前夜と同じ「石原節」も繰り広げた。 次点の前宮崎県知事の東国原英夫氏(53)に90万票以上の差をつけたことを尋ねられると、「こっちは選挙もできなかったから。票数なんてどうでもいい」とかわし
東電福島第一原発のタービン建屋地下などにたまる高濃度の放射性物質を含む水の浄化に、仙台市青葉区の愛子(あやし)産の鉱物「天然ゼオライト」が有望であることを、日本原子力学会の有志らがまとめ、7日発表した。 研究チームは、同学会に所属する東北大など5大学と日本原子力研究開発機構の計59人。福島第一原発で、難航する高濃度汚染水の処理の一助になればと、自主的にデータを集めた。 実験の結果、表面に微細な穴の多い「天然ゼオライト」10グラムを、放射性セシウムを溶かした海水100ミリ・リットルに入れて混ぜると、5時間で約9割のセシウムが吸着されることを確認した。愛子産ゼオライトは大量にすぐに入手できるため、有望な材料と判断した。ほかにも放射性ヨウ素を効果的に吸着する材料として、活性炭などを挙げる。
海外の大衆紙などでは、福島第一原発から漏れ出した放射能の危険を実態以上に誇張し、恐怖心をあおるような報道ぶりも目立つ。 3月15日付の英大衆紙サンは1面トップ記事で「数千人が放射能漏れを恐れ、東京から脱出を開始」と仰々しく伝えた。 別の英大衆紙デイリー・メールの3月16日付1面の見出しは「核パニックにとらわれた国」。「日本の核危機は制御不能」などと書き立て、白いマスクをつけて涙を浮かべる女性の写真を添えた。日本で花粉症対策のマスクは珍しくないが、あたかもマスクで放射能汚染をしのいでいるかのような印象だ。 低濃度の汚染水が海に放出されたことを伝えた今月6日付独大衆紙「ビルト」は、見出しで「日本人は太平洋全部を汚染するのか?」と憤りを示した。読者はこの見出しを見ただけで、とめどない汚染の拡大を連想してしまう。
しかし、同日午前7時頃、一部の仲買人から同漁港で5日にとれた魚介類が、東京・築地市場などで受け取り拒否されたと連絡があったため、漁協から知らせを受けた船主らは操業をやめ、帰港を決めたという。船主らは帰港後、今後の操業について対応を協議する予定。
東日本大震災で、中国人研修生20人の命を救い、その後、行方不明になった日本人男性が中国で「英雄」として称賛されている。 研修生らを日本へ送り出した遼寧省大連の人材派遣などを手がける企業は「日本、がんばれ」のメッセージを掲げ、義援金集めも始めた。 同社によると、男性は宮城県女川町の水産加工会社専務、佐藤充さん。 地震発生後、真っ先に研修生を高台に避難させた後に行方不明となった。派遣元の李淑娟さん(58)は「日本人に接するのと同じように研修生の面倒を見てくれた。研修生の兄のような存在」と話す。 大連に帰った研修生らは、社内の研修室で、女川町での暮らしぶりを示す写真や千羽鶴の展示を始めた。この部屋で学ぶ男性(26)は「被災地に駆けつけることはできないが、ここで被災者への祈りをささげたい」と話す。 中国メディアでは「佐藤さんは人間の美しさを示した」などと報じられ、中国各地の総領事館を通じ
【ニューヨーク=吉形祐司】2001年の米同時テロの際、ニューヨークで陣頭指揮を執ったルドルフ・ジュリアーニ前市長(66)は1日、読売新聞と会見し、東日本大震災への対処について、「指揮官が1人必要だ。すべての指令はその人が出し、情報も1か所に集まるべきだ」と述べ、国家的危機を乗り切る強力な指導力が重要だとの考えを強調した。 指揮官については、「首相でもいいが、首相が任命してもいい。有能な人材をすぐ集められる官僚機構から選ぶべきだ」と指摘。その上で、「私なら、『被災者対応』と『(放射能汚染などの)被害拡大防止』を担う二つの指揮系統を作る」と語った。 ジュリアーニ氏はまた、「被災を通じ、日本人は、より素晴らしく、強くなると信じている」と、被災地復興への期待を表明した。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く