【カイロ和田浩明】反体制派の武力弾圧を続けるシリアのアサド大統領に対して退陣を求める圧力が内外で強まっている。国内では北部イドリブや中部ホムス、ハマなどに加え、首都ダマスカスの東郊でも離反兵士らが蜂起している。国連安全保障理事会では弾圧停止と権限移行を促す決議案が協議中だ。しかし、アサド大統領は辞任に応じる意向は見せておらず、10カ月を超えた衝突による死者は少なくとも5400人(国連推計)に上っている。 シリアの反体制団体「地域調整委員会」や離反兵士団体「自由シリア軍」の関係者によると、政府軍・治安部隊による住民への攻撃や反体制派との戦闘は継続中だ。自由シリア軍などは1月20日ころまでにダマスカス北西約30キロの町ザバダニを制圧。首都近郊でも政府軍と衝突した。 中部ハマの50代の男性は1日、毎日新聞の電話取材に「政府側の攻撃は4日間続いた。連日約9時間停電が続き、食料を購入する現金が底をつ