東京都が築地市場(中央区)の移転予定地となる江東区豊洲地区で行った有害化学物質の除去実験で、都は今年3月、「環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出された土壌の無害化に成功した」と公表したが、実際は実験開始時のベンゼン濃度(初期値)が環境基準の2・7倍だったことがわかった。 「ヒ素を無害化した」とした別の地点の土壌も、実験前からヒ素濃度が基準値以下だったが、都はこうしたデータを一切明らかにしていなかった。 都が実験の中間報告を公表した今年3月、都議会では、計約1281億円の移転関連予算を審議していた。複数の都幹部は「公表していた数値より低い初期値を出すことで、実験効果の有効性が問われ、議会が混乱する恐れがあった」と語っており、都の情報公開のあり方が問われそうだ。 移転予定地では2008年の調査で、環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出され、土壌汚染を理由に民主党など野党が移転に批判
赤松広隆農林水産相は24日、東京都中央区の築地市場を視察し、移転問題について、「はっきりしていることは、安全が確認でき、私が納得できなければ絶対にサインしない」と述べた。移転予定地となっている江東区豊洲の土壌汚染をめぐり、安全性が確認されない限り、都が移転を申請しても認めない方針を改めて強調した。 赤松氏は早朝から、副大臣、政務官らと共に市場内の競り場、駐車場、仲卸業者の店舗などを見て回った。開設者の都の佐藤広副知事らから現状や移転計画の説明も受けた。 赤松氏は「市場内が狭く、建物が老朽化しているのは事実。何らかの改善をしていかなければいけない」との認識を示した。そのうえで「改善で済むのか、その場所で建て替えがいいのか、豊洲への移転しかないのか、いろんな関係者の意見を聞きながら判断していきたい」と述べた。都には土壌汚染に関する詳細なデータの提出を改めて求めたという。
築地市場移転、総事業費4316億円 都「安全」と強調2009年2月6日23時53分 印刷 ソーシャルブックマーク 東京都江東区豊洲地区に14年12月、築地市場に代わる新市場を開設する計画が6日、都から正式に公表された。市場移転のための総事業費は4316億円。予定地は高濃度のベンゼンや発がん性物質で汚染されているが、586億円をかけて除去するという。市場関係者らからは食の安全を不安視する声も出ているが、都は「高いレベルで安全」としている。 新市場建設予定地からは昨年5月、環境基準の最大4万3千倍のベンゼンが検出され、都の専門家会議は昨年7月、地下2メートルまで土壌を入れ替える対策などを決めた。しかし、汚染除去費が973億円と試算され、8月以降、都が委託した技術会議が安価な工法を検討していた。 技術会議の座長を務める東京電機大の原島文雄教授によると、予定地の汚染除去には、(1)微生物による汚染
豊洲地区の新市場予定地(手前)=2008年5月、東京都江東区 築地市場(東京都中央区)が移転を予定している豊洲地区(江東区)の土壌汚染問題で、東京都が2002年に有害物質の汚染ガスが検出された調査報告を受けていたのに、詳しい調査を実施しないまま、04〜06年に予定地の一部を購入していたことがわかった。このガス検出地点の一部は、07年以降に都の調査で見つかった土壌汚染個所とほぼ重なっていた。 この土壌汚染は、移転の最大の障害となっている。都は時価の約720億円で予定地の一部の13ヘクタール余を買ったうえ、汚染対策費約586億円の支出を迫られることになった。購入前の汚染に対するチェックの甘さが、この事態を招いた疑いが強まった。 問題の土地は東京ガスの工場跡地で、市場の移転予定地は約37ヘクタール。都はまだ取得していない23ヘクタール余の購入費約1260億円を新年度予算で要求している。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く