水田8000ヘクタールで年間約4万トンの収量を誇る関東一の米どころ香取市で、水田が東日本大震災による液状化で大打撃を受けた。稲の“ライフライン”である農業用水も広範囲に破壊されている。同市農政課によると2500ヘクタールで今年の作付けが絶望視され、収量は例年より35%(1万4000トン)も減る見通し。田植えの時期が迫るなか、専業農家たちは「米が作れなければ生きていけない」と悲鳴を上げている。【斎川瞳】 【東日本大震災 図説集】各地の被災状況、原発の仕組みや避難区域など 3000ヘクタールの水田が広がる市内最北部で、田んぼが無残な姿をさらしている。各所であぜ道が陥没し、地下から噴き出した土砂が厚く堆積(たいせき)している。水田に水を送る地中のパイプラインも壊滅。例年、今の時期は種もみを水に浸して発芽を促し、種まきをするが、用水路復旧の見通しが立たず、一帯の農家は手も足も出ない状態だ。