足利事件の論告求刑公判を終え、険しい表情で会見する菅家利和さん=宇都宮市で2010年2月12日午後0時29分、梅田麻衣子撮影 17年余りの無実の罪を認める論告はわずか1分で終わった−−。12日、宇都宮地裁で開かれた「足利事件」の再審公判。論告で検察側は冤罪(えんざい)で自由を奪われた菅家利和さん(63)に無罪を求刑した。公判の担当検事は誤りを認めて謝罪したが、菅家さんが最も求めたのは、取り調べた元検事の謝罪。菅家さんは終始、険しい表情を崩さなかった。【立上修】 検察側が無罪を求めたことで事実上の無罪判決が出たとも言えるが、菅家さんの心は晴れなかった。公判後の記者会見で「17年半を思えば、1分少々(の論告)じゃ物足りない。謝罪はあったが、1分少々では腹の底から謝ったとは思えない」と不満を述べた。 会見に先立ち、菅家さんは、前夜に降った雪を踏んで宇都宮地裁に入った。午前10時、開廷が告げら