迷宮入りすらささやかれていた中国製冷凍ギョーザ中毒事件。発生から2年以上を経た先月になって、急転直下、容疑者の身柄が拘束された。中国側は「全面解決」を強調する。だが、その発表には不可解な点もある。残された謎と幕引きを急ごうとする中国の思惑は−。(加藤達也) ◆不意打ち 「ギョーザ中毒事件で、天洋食品の臨時従業員だった男の身柄を拘束した」 一報が中国側から北京の日本大使館にもたらされたのは3月26日金曜日の午後11時半ごろ(日本時間)。拘束されたのは、ギョーザ製造元「天洋食品」の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)。同じころ、中国国営の「新華社」も報じた。 中国での勤務経験がある警察OBは「役所が閉まる土日を挟めば取材が困難になる。報道を極小化しようとしたのではないか」と指摘する。警察庁のある幹部は「拘束は完全な不意打ち。今年1月までに20回以上行われた日中の捜査当局による情報交換でも