切断して移植した部分から若い芽が伸びる鶴岡八幡宮の大イチョウ。元の位置(右奥)に残った根からも青い葉が伸びていた=29日、神奈川県鎌倉市、福岡亜純撮影 3月に強風で倒れた鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)のご神木の大イチョウが、紅葉シーズンが終わりに近づいても、今秋はほとんど色づかず緑色の葉を茂らせている。 八幡宮は、イチョウが倒れた直後に胴切りにし、高さ4メートルの幹を近くに移植した。境内のほかのイチョウは黄葉して葉を散らしているのに、移植した幹の葉は黄色よりも緑色が勝っている。 「元気がありすぎです」と言うのは、大イチョウ再生の指導に当たる東京農業大学の浜野周泰(ちかやす)教授(造園樹木学)。葉が黄色く色づくのは、葉緑素が分解して黄色い色素が見えるようになるためだが、大イチョウは葉の細胞がしっかりしていて、葉緑素の分解が進んでいないという。