名取・閖上 水田塩分、基準の7倍 作付けに3年か 農業農村工学会(旧農業土木学会)の東日本大震災塩害調査団は26日、宮城県内の大津波浸水地域を視察し、名取市閖上地区で冠水した水田の塩分濃度が基準の7倍に達したことを明らかにした。塩害を防ぐ除塩作業には排水ポンプ場などの復旧が必要で、再び作付けするには「被害の大きい場所で3年程度かかる」(宮城県)とみられている。 調査団によると、塩分濃度を示す電気伝導度は、同地区の水田で1センチ当たり5.0ミリジーメンス。水稲の生育に影響を及ぼさないとされる濃度の0.7ミリジーメンスを大きく上回った。 同地区では高さ4〜5メートルの津波が押し寄せ、排水ポンプ場や用水路を破壊。海岸から5キロの地点でも10〜20センチの海水に漬かった。一部では今も冠水しているという。 代かきを繰り返し、土壌の塩分を洗い流す除塩作業には大量の農業用水が必要で、下流の排水施設