ギリシャ・イドメニで、マケドニアとの国境の前に集まる難民たち(2016年4月6日撮影)。(c)AFP/Bulent Kilic 【6月9日 AFP】ギリシャとマケドニアの国境で何か月間も足止めされている難民たちを見ていて衝撃的なのは、彼らが正気を失い始めていることだ。 私はこの難民危機を何年にもわたって取材している。内戦が続くシリアを逃れた難民、トルコとの国境で有刺鉄線を越えようとする難民、危険な旅の末に欧州の入り口であるギリシャのレスボス(Lesbos)島にたどり着いた難民など、取材した場所もさまざまだ。そして今、マケドニアとの国境に近いギリシャの村イドメニ(Idomeni)で、彼らを見つめている。
子供をしっかり抱きしめながら、ゴムボートを降りてギリシャ・レスボス島の岸を目指すシリア難民(2015年9月24日、ヤニス・ベラキス撮影) アメリカのピュリツァー賞が4月18日に発表された。「ニュース速報写真部門」を受賞したのは、移民・難民の苦しい旅路を記録した、ニューヨークタイムズ紙とロイターの写真チームだ。
【ベルリン=宮下日出男】ギリシャに流入するシリアやイラクからの難民や不法移民が激増している。難民らはトルコを経由して船で同国に近いギリシャの離島に殺到。その規模は地中海を渡ってイタリアに向かうルートを上回るほどに膨らんでおり、財政危機にあえぐギリシャに追い打ちをかける形となっている。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計では、今年1月から7月末までギリシャに入った難民は昨年同期比約7・5倍の12万4千人。7月だけでも昨年1年間の人数を上回る5万人に達した。難民はトルコ沿岸に近いレスボス島などの離島に渡っている。 難民らの流入はこれまで、リビアなどから地中海を渡って対岸のイタリアに向かうケースが最も多かった。だが、欧州連合(EU)による警戒強化などを受け、陸路でトルコまで行き、そこから海を渡る距離の短いギリシャへの経路の比重が高まったとみられ、今年は6月末時点でギリシャが上回った。
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