武装組織「イスラム国」(IS)が支配を続けてきたシリア・ラッカでは、現在、クルド人とアラブ人の合同部隊であるシリア民主軍(SDF)がアメリカなどの支援を受けながら激しい戦闘を繰り広げている。すでにラッカはSDFが包囲し、市街に残るISとの攻防戦となっている。ラッカの最前線で取材を続けるクルド人記者ハイサム・ムスリム氏(30)に8月下旬電話で話を聞いた。(聞き手・玉本英子・アジアプレス) 【関連写真を見る】頭と足を負傷し、ラッカ県から救急病院にたどりついた男性 【ハイサム記者】 ラッカ北方のアインイサ・キャンプには国連などの支援で、現在およそ2万5000人の避難民が身を寄せています。ラッカや、その周辺地域から逃れてきた人たちです。1か月前、シュハーダ地区から逃れてきた女性、シャムサ・モハメッド・シャワークさん(58)と家族6人に出会いました。戦闘が激しくなったため、着の身着のままで、地区住民