135 本稿は,世界の7つの国と地域 (イギリス,フランス,ドイツ,イタリア,韓国,台湾,アメリカ) の公共放送について,サービス/企業統治/財源調達について現状把握と制度保障のありかたとい う観点で調査を行い,部内報告書としてまとめたものである。 どの国でも技術開発によって地上放送から衛星・ケーブル・IP網といった伝送路の多様化とテ レビの多チャンネル化が進んでいる。ここ5年というスパーンで見ると,公共放送に最もインパク トを与えたことは,テレビ放送と同等の画質による動画配信がインターネット上で可能になり,ま たiPadやスマートフォンが代表するパーソナルで可搬型のデジタル機器が急速に普及しているこ とである。こうしたメディア環境の変化に対し, 調査対象としたすべての公共放送が, インターネッ ト上で放送後7日間,見たい番組を視聴できる “見逃しサービス” という新サービスを行っている。