自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑、物価上昇・少子化などの問題に適切な政策を見出せないなどから、内閣支持率が急降下している。こうした多くの問題に対して、歯切れの悪い首相会見を見てやきもきする国民も少なくない。自らも首相会見に参加して予定調和な進行を目撃してきたフリー記者・犬飼淳氏は、開示請求結果に基づき、官邸と内閣記者会による「首相会見」の蜜月を指摘する。 首相会見に台本はあるのか? 臨時国会が閉会した12月13日に行われた内閣総理大臣記者会見(以下、首相会見)。注目を集める政治資金パーティーをめぐる裏金問題に質問が集中する中、岸田文雄首相は「まずは事実確認」「説明責任を果たす」など曖昧な回答に終始した。 また、従来通り手元の原稿を読むだけで回答を済ませるという場面も散見された。こうした首相会見の形骸化が国民の「知る権利」を侵害し、裏金問題を始めとする政治腐敗は悪化の一途を辿ってい