「DVDは、違法な取り調べがされた証拠。それを多くの国民に知っていただくことこそが弁護士の義務であって、それを消去してしまうことは、むしろ弁護士としての倫理に反します」 事実経過を語る佐田元弁護士取り調べのDVDをNHKの報道番組に提供した佐田元真己弁護士が、大阪地検から懲戒請求をされた件で、大阪弁護士会綱紀委員会は1月7日に佐田元弁護士に対する審尋を行った。その席で佐田元弁護士は、事実経過を説明するとともに、自身の行為の正当性を訴えた。 佐田元弁護士は、自宅での兄弟げんかの際に弟が死亡した事件で、傷害致死で起訴された兄Aさんの弁護を担当。Aさんに弟の命を奪うような故意はなく、事件は不幸な事故だった、と無罪を主張した。裁判員裁判で行われた裁判で、大阪地裁は「誤想防衛」の成立を認め、無罪とした。決め手となったのが、最後の検事取り調べを録画したDVD。検察官の請求証拠として、法廷でも再生された
紙面で読む 刑事司法改革の最大のテーマである取り調べの録音・録画(可視化)について、適用範囲を著しく狭める可能性の高い素案が14日、公表された。「捜査に著しい支障が生じるおそれがあるとき」は除外するなど、現在の試行範囲から大幅に後退している。議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会メンバーからは、厳し… 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方)無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら※有料記事の一部を自動で取り出して紹介しています。関連記事取り調べ可視化、骨抜きの恐れ 幅広い例外認める素案(6/15)取り調べ可視化、捜査側寄りと批判 法制審部会「原則と例外逆転」(6/15)厚労次官に村木厚子氏起用 郵便不正事件で無罪(6/14)(変わる刑事司法:中)盗聴、権利侵害と表裏 伊で年13万件、携帯・メール大
【西山貴章】刑事司法改革の最大のテーマである取り調べの録音・録画(可視化)について、適用範囲を著しく狭める可能性の高い素案が14日、公表された。「捜査に著しい支障が生じるおそれがあるとき」は除外するなど、現在の試行範囲から大幅に後退している。議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会メンバーからは、厳しい批判が相次いだ。 捜査や公判の改革案を話し合う法制審の「新時代の刑事司法制度特別部会」で示された。可視化については現在、裁判員裁判の対象事件のほか、知的障害者の事件や地検特捜部の独自事件などで試行されている。法制化に向けて特別部会は1月、制度設計のたたき台となる「基本構想」を提示。(1)裁判員裁判の対象事件について一定の例外を認めつつ、原則、全過程を可視化(2)可視化の対象範囲は取調官の一定の裁量に委ねる――とする2案を示した。しかし密室での取り調べで多くの冤罪(えんざい)を生んでき
かなり前から、新聞の事件報道において、「捜査関係者への取材で分かった。」というような文章を入れて、情報源が警察等の捜査機関であることを明示することが多くなりました。 捜査情報は本来秘密であり、捜査関係者が捜査情報をマスコミに漏らすということは公務員の守秘義務違反ではないのか、という議論がよく起こります。 ちなみに、守秘義務の対象となる秘密は、「公に知られていない事実で、かつ実質的に秘密としての保護に値するもの」とされています。 では、どんな情報が「捜査関係者への取材で分かった」のかというと、最近の例で言えば、「被疑者がこういうことを言っている。とか「犯行の凶器のナイフが発見された。」とか「被疑者が逮捕されてからある特定のメールアドレスへのチェックがされなくなった。」というような情報が報道されています。「捜査関係者への取材で分かった。」という注意書きがなくても、その内容からして捜査関係者
知的・精神障害がある容疑者を対象に、大阪弁護士会が全国で初めて導入した「障害者刑事弁護人」の名簿登録者が、スタートから約10カ月で150人を超えた。障害者らは取調官に迎合して虚偽自白をする恐れが強く、名簿には社会福祉士らによる研修を通じて“真実”を聞き出す会話手法を習得した弁護士が登録。すでに約80件の事件に派遣されるなど軌道に乗っており、同弁護士会は「全国的に広げていきたい」とアピールしている。 知的障害などを持つ容疑者は、刑事司法の専門用語や手続きを理解していない可能性が高く、コミュニケーション能力に問題がある場合も多い。このため、取調官への迎合や自白の誘導・強要で冤罪(えんざい)に巻き込まれることもあるという。 平成22年には、大阪地検堺支部が現住建造物等放火罪などで起訴した知的障害のある男性について「表現能力に問題があり、自白の信用性の立証が困難」として公判前に起訴を取り消したケー
逮捕した容疑者に知的障害がある場合、裁判所や捜査機関から連絡を受け、専門の「障害者刑事弁護人」を派遣する大阪弁護士会の新制度が順調な滑り出しだ。全国初の導入から8か月間で派遣は33件。従来、福祉関係者や家族が個別に障害に理解のある弁護士を探すしかなかったのが実情といい、弁護士会側は「予想を上回る派遣件数だ。実績を重ね、『当番弁護士制度』のように全国の弁護士会に広がっていけば」と、定着を期待している。 知的障害を持つ容疑者の捜査では〈1〉取調官に迎合して虚偽の自白をする恐れ〈2〉「黙秘権」など捜査に関する言葉の意味が理解できない可能性――などが指摘されている。2010年には大阪地検堺支部が、知的障害のある男性被告について「妄想を交えて話す傾向があった」として放火事件での起訴を取り消している。 同弁護士会は09年から、知的障害者の特徴を理解した専門弁護士養成のため、返答を誘導しないような会話の
検察改革を進めている最高検は5日、全国の特捜部・特別刑事部が昨年4月~今年2月末に捜査した事件69件のうち、97%にあたる67件で取り調べの録音・録画(可視化)を実施したと発表した。全過程の可視化は約4割にあたる28件。最高検は6月中にも、可視化の効果や問題点について検証結果を公表する方針。可視化は容疑者側の同意が必要で、最高検によると、実施しなかった2件はいずれも容疑者側が拒否。途中まで応じ
今日、25年前の殺人事件で犯人とされ服役した男性の再審=裁判のやり直しが認められた。検察の手元にあった“男性の無実を示す証拠”が裁判所の勧告で開示されたことがきっかけとなった。足利事件、布川事件など相次ぐ再審・無罪判決。背景にあるのが被告に有利な証拠は開示しない“検察の証拠隠し”だ。日本では検察が証拠を独占し弁護側にはどんな証拠があるのか分からない不平等な実態がある。一方、アメリカでは、90年代に相次いで冤罪が発覚したことを受け、検察に全ての証拠の開示を義務付けるなど改革を進めている州もある。証拠は誰のものか…きょう再審が認められた事件の検証とアメリカの取り組みを通して、日本の刑事裁判の課題を考える。 福井県で25年前に起きた殺人事件できょう、裁判のやり直しを認める決定が出されました。 犯人とされた男性は無実を訴えながら刑務所に服役しました。 今回の決定の決め手となったのは、検察が裁判に
最高検は21日、郵便不正事件を巡る一連の不祥事の再発防止策として打ち出した、東京、大阪、名古屋各地検の特捜部による取り調べの録音・録画(可視化)の試行状況を発表した。 それによると、各特捜部と全国10地検の特別刑事部が4月以降、原則として全事件で可視化を試行。9月末までに、31人の容疑者の取り調べで延べ247回の試行を行った。東京地検特捜部では5月、不動産ファンド事業会社元役員による特別背任事件で、取り調べの全過程の可視化(全面可視化)を初めて試行した。 最高検は試行の結果を踏まえ、来年4月までに可視化の有効性と問題点を検証する。最高検幹部は「録画を始めた途端に容疑者が否認に転じるなど課題も見えてきた。今後も積極的に試行を行い、利点と欠点を明らかにしたい」と述べた。
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