建設省キャリア官僚を10年以上務めた後、学界に転身した福井秀夫・政策研究大学院大学教授は、キャリア官僚制度の廃止など、ラディカルな意見を持つことで知られる。民主党政権下での政官関係をどうみているのかを聞いた。 (2010年2月16日、東京・六本木で。聞き手・山口進) ――民主党政権になっての政官関係をどうみていますか。 ふくい・ひでお 1958年生まれ。81年東大法学部卒業、建設省入省。96年法政大社会学部教授。01年から現職。京都大学博士(工学)。著書に『官の詭弁学』(日本経済新聞社)、『ケースからはじめよう 法と経済学』(日本評論社)など。 福井秀夫 例えば、公務員に答弁させない、というのは原理主義的で、かえって官僚機構の考え方を検証しにくくなるので問題だ。 最後に責任をとるのは政治家。役人のやりたいことを聞いた上で、情報を出させて、大所高所から判断すればいい。政治家が電卓を叩くのでは