生活保護を受ける人の親族に対して、仕送りができるかどうかを自治体が尋ねる「扶養照会」について、全国74自治体を調べたところ、親族から受給者への仕送りにつながった例が、照会したうちの1%未満にとどまることがわかった。朝日新聞が、2021年度まで2年間の実績を調べた。 扶養照会されたら、生活に困っていることを親族に知られてしまう――。そんな思いから生活保護の申請をあきらめる人もいます。仕送りにつながるケースがわずかでも、扶養照会を続けるべきか。記事後半では、専門家の提言を紹介します。 扶養照会は、民法上で「扶養義務」がある3親等までの親族が対象。主に親や子、きょうだいに照会する自治体が多く、厚生労働省は、高齢の親族などは対象から外しても「差し支えない」としている。 今回の調査で、各自治体が照会対象としてリストアップした親族のうち、実際に照会した割合(照会率)を計算すると、数%から約8割まで差が