道路特定財源にかかわる2つの極論、悪しき流れ 一般財源化と暫定税率の廃止を阻止しようとする悪しき道 もう一つの悪しき道の話をしよう。それは、暫定税率を維持したままで道路特定財源は一般財源化せずすべて道路建設に使い切ろうという道だ。 2006年6月1日に国土交通省が発表した「道路整備の中期ビジョン」は、「今後10年で道路整備に58兆円を使う」との旨を明記していた。道路特定財源の1年当たりの税収は5兆8000億円。毎年全部使い切ったとして、10年間でちょうど58兆円。とにかく使い切ろうという数字である。 国交省の言い分は、自民党の道路族議員たちが整備をもとめてきた道路建設を前提に、国道や地方道も含めて、ありとあらゆる道路計画を寄せ集めて積み上げたものだ。国交省の言い値でつくれば、それだけの金額が必要になるかもしれない。しかし、必要のない道路もたくさんある。さらに、必要な道路にかかるコス