製薬会社はさまざまな金品を医師に提供している。ボールペンなどの文房具、医学書、薬の説明会で出る弁当、講演会への旅費。長年の慣例だが、医師の中から「医学的判断のゆがみや、患者からの信頼喪失につながりかねない」との反省が出ている。米国では相次いで、贈答を規制する勧告が出た。日本でも、医学会が医師と製薬会社の関係の規範作りを検討する動きが始まった。【高木昭午】 札幌医科大の宮田靖志准教授(総合診療科)は07年、インターネットを使い全国の医師に製薬会社との関係を聞いた。また、筑波メディカルセンター病院(茨城県)の斎藤さやか医師らも08年、同様の全国調査を郵送で実施。二つの調査で金品が幅広く提供されている実態が浮かんだ。 ◆米で年間120億ドル超 米国では、医師への訪問や贈答などに年間約120億~180億ドル(約1兆1000億~1兆6000億円)が使われるとの推計がある。日本における同様のデータはな