■麻薬の道「バルカンルート」 アフガニスタン、パキスタン、イランにまたがる地域は、「黄金の三日月地帯」と呼ばれ、東南アジアの「黄金の三角地帯」と並び称される世界最大の麻薬の生産地だ。この三日月地帯で栽培された大麻や、ケシからつくられるヘロインはトルコを経由して一大消費地ヨーロッパに、主に陸路で運ばれる。トルコ国境からギリシャ、ブルガリアに抜け、バルカン半島を通る「バルカンルート」だ。一方、同じルートを西から東へ、ヨーロッパからは合成麻薬がトルコを通ってアジア、中東に渡っていく。 ここ数年、トルコの年間麻薬犯罪捜査件数は約15万件、国内で押収される麻薬は数十トン。麻薬犯罪の拘束者は年間20万人に上る。普段は地味に、時に大々的に、麻薬関連ニュースはほぼ毎日、新聞紙面の一角を占めている。 ■「過去最大級」の捜査 ボス2人逮捕 「トルコ共和国史上、最大の作戦が行われた」。警察を管轄する内務省のソイ