「ジャーナリストに自由を」-。昨年九月末、ベルリンで行われたトルコのエルドアン大統領とドイツのメルケル首相の共同記者会見。メッセージが書かれたTシャツを着たトルコ出身のジャーナリスト、アディル・イギットさん(60)が警備員に連れ出され、一時騒然となった。イギットさんは「(トルコ出身の)同僚記者が会見に出席できなくなったことに抗議した」と振り返る。同僚とは、ドイツに亡命したトルコ紙ジュムフリエト元編集主幹、ジャン・ドゥンダルさん(57)のことだ。 エルドアン氏は、サウジアラビア人記者が十月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された事件でサウジ政府を強く非難するが、トルコでは多くの記者が抑圧下にある。