4時間20分 書名からしていわゆる雑学本。そう思って、読みはじめた。 予想どおり、「紙の博物館」で案内役をしている元大手製紙会社の技術者たちが書いた本だけあって、紙にまつわる蘊蓄が豊富だ。 たとえば「模造紙」という言葉の由来。1878年のパリ万博で日本の印刷局が漉いた和紙「局紙」がオーストリアで模造された。「ジャパニーズベラム」というその紙を日本人はさらに模造して「模造紙」として売りだしたのだそうだ。 ほかにも、書籍の寸法で目にする「四六判」は「横四寸二分、縦六寸二分」からきているとか、紙の発明者として知られる蔡倫の時代(紀元100年ごろ)よりもさらに200年以上前に作られた紙が中国から発見されているとか…。 「はじめに」でも、紙についてのさまざまな「疑問や誤解に対して、分かりやすく説明し、紙に興味をもっていただくことが本書の目的」とある。その目的はきちんと遂行されている。 けれども、読み