元朝日新聞記者で、現在は『週刊金曜日』発行人の植村隆氏が、記者だった頃に書いた記事を「捏造」などと断じられ、名誉を傷つけられたなどとして、西岡力・麗澤大学客員教授と、文藝春秋社を相手取って起こしていた損害賠償請求訴訟で、東京地裁民事第32部(原克也裁判長、砂古剛裁判官、小久保珠美裁判官)は6月26日の判決で、名誉毀損を認めた上で、賠償の請求を棄却した。なぜ、このような判断になったのだろうか――。 3点で名誉毀損を認める 植村氏は同紙大阪支局に在籍していた1991年、初めて元慰安婦として名乗り出た金学順(キム・ハクスン)さんについて2本の記事を書いた。 植村氏が書いた記事(左が1991年8月11日の初報、右が同年12月25日付) 1つは、名乗り出る前の金さんが支援者に体験を語っている音声テープを聴いて書いたもので、同年8月11日付朝日新聞大阪本社版に掲載された。記事は、次のような前文で始まる